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【第1章】旅男娼の幕開け
『旅男娼メル』、登録完了
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「始めに、私は商業ギルドの受付のトマと言います!リーブル様、よろしくお願いします!」
「ご親切にありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。」
受付人のトマが、リーブルとブラッドの座る方に説明の用紙を広げて説明を始める。
「まずは、リーブル様が始められる『お仕事』ですが…新たに立ち上げられるんでしたよね?でしたら屋台などで経営する『移動型』か、店舗を構えてお仕事をする『店舗型』か、どちらになりますか?」
「んーと…移動型ですね。」
リーブルがそう言うと、トマは、用紙にカリカリと質問事項を書いていく。
「なるほど、移動型…と。移動型の場合、店舗型と違って国の税金は免除されますので、商業ギルドに支払う年会費のみとなります。銀行からの引き落としにする場合には、こちらにお持ちの銀行カード番号をご記入ください。来年度以降に引き落としが開始されます。」
受付人のトマが、「経営者概要欄はこちらにお書きください」「署名はこちらに」とテキパキと正確に説明してくれるので、リーブルは順調に必要事項を書き進めていく。
「はい。」
………
暫く書類を書き進めていると、今までリーブルの書いた用紙の束をカウンター横の箱に置き、新たな紙を取り出す。
「最後はこちらの仕事概要欄に始められる商売の概要を書いていただければ…」
「あ、それなんですけど…実はチラシを作ったんです。…いくつか作ったのでこちら宜しいですか?」
「おお!チラシですか!素晴らしい!でしたら概要欄にそのチラシの内容をトレース魔法で写しますね!」
トマがチラシ用紙に手をかざし、用紙の仕事概要欄に文字が浮び上がる。「あ。それと…」とリーブルが小さなカードを取り出した。
「名刺も作ったのでチラシと一緒に飾って欲しいのですが。」
「そうしましたら、こちらに頒布許可の署名をしてください!名刺をご確認しても宜しいですか?」
「はい♡」
リーブルが渡した名刺をトマが受け取る。
すると、先程までニコニコしていたトマの顔が一気に真っ赤になった。
「えっ、あ、あの…こ、これ、は…ッッッ!?」
「あ、よろしければこちらのところを押してもらったら分かりやすいかもです。」
トマの持っている名刺のハートマークの絵柄部分をリーブルがちょんっ、と押す。
すると、トマの目の前に「リーブル」の姿が映し出される。いつものローブは上から羽織る様な姿で、蠱惑的な黒色のインナーボレロで白い胸元が露になっている。
まるでその場で存在するかのように立っているリーブルは、『いらっしゃいませ♡予約ですか?サービスの説明ですか?』とトマの頬を撫でるような仕草をしながら言葉を発している。
商業ギルドにいた商人たちがこぞって「おおっ」と釘付けになる。
「うわわっ!?ちょ、ちょっと待って…」
『この度、旅男娼【メル】をご利用頂けること、心より感謝致します。お客様のご要望に合わせて誠心誠意サービスを…』
「りっ、リーブル様!!あの!もう分かったのでこちらの名刺の投影はどうやったら消えますか!?」
顔から湯気が出そうな程に焦っているトマがリーブルの服の裾を掴む。
リーブルがちょん、と先程のハートマークの絵柄を押すと、投影されたリーブルの姿は消え、代わりにディスプレイ画面が投影された。
「び、ビックリしました…」
ハアハア、と息を吐くトマを見て、少し心配そうな顔でリーブルが話す。
「もう一度押すとディスプレイ画面も消える仕様になってます。…名刺としてとても分かりやすくしたつもりなんですが、ダメですか?」
「あ、ああいえ…音声案内での概要説明は分かりやすくていいと思うんです。そうじゃなくてあの…リーブル様の始められる【お仕事】って…」
困惑したような顔色のトマをみながら、頬に手をやりうっとりと微笑むリーブルは、甘い声色で言葉を発した。
「旅男娼です♡」
「ご親切にありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。」
受付人のトマが、リーブルとブラッドの座る方に説明の用紙を広げて説明を始める。
「まずは、リーブル様が始められる『お仕事』ですが…新たに立ち上げられるんでしたよね?でしたら屋台などで経営する『移動型』か、店舗を構えてお仕事をする『店舗型』か、どちらになりますか?」
「んーと…移動型ですね。」
リーブルがそう言うと、トマは、用紙にカリカリと質問事項を書いていく。
「なるほど、移動型…と。移動型の場合、店舗型と違って国の税金は免除されますので、商業ギルドに支払う年会費のみとなります。銀行からの引き落としにする場合には、こちらにお持ちの銀行カード番号をご記入ください。来年度以降に引き落としが開始されます。」
受付人のトマが、「経営者概要欄はこちらにお書きください」「署名はこちらに」とテキパキと正確に説明してくれるので、リーブルは順調に必要事項を書き進めていく。
「はい。」
………
暫く書類を書き進めていると、今までリーブルの書いた用紙の束をカウンター横の箱に置き、新たな紙を取り出す。
「最後はこちらの仕事概要欄に始められる商売の概要を書いていただければ…」
「あ、それなんですけど…実はチラシを作ったんです。…いくつか作ったのでこちら宜しいですか?」
「おお!チラシですか!素晴らしい!でしたら概要欄にそのチラシの内容をトレース魔法で写しますね!」
トマがチラシ用紙に手をかざし、用紙の仕事概要欄に文字が浮び上がる。「あ。それと…」とリーブルが小さなカードを取り出した。
「名刺も作ったのでチラシと一緒に飾って欲しいのですが。」
「そうしましたら、こちらに頒布許可の署名をしてください!名刺をご確認しても宜しいですか?」
「はい♡」
リーブルが渡した名刺をトマが受け取る。
すると、先程までニコニコしていたトマの顔が一気に真っ赤になった。
「えっ、あ、あの…こ、これ、は…ッッッ!?」
「あ、よろしければこちらのところを押してもらったら分かりやすいかもです。」
トマの持っている名刺のハートマークの絵柄部分をリーブルがちょんっ、と押す。
すると、トマの目の前に「リーブル」の姿が映し出される。いつものローブは上から羽織る様な姿で、蠱惑的な黒色のインナーボレロで白い胸元が露になっている。
まるでその場で存在するかのように立っているリーブルは、『いらっしゃいませ♡予約ですか?サービスの説明ですか?』とトマの頬を撫でるような仕草をしながら言葉を発している。
商業ギルドにいた商人たちがこぞって「おおっ」と釘付けになる。
「うわわっ!?ちょ、ちょっと待って…」
『この度、旅男娼【メル】をご利用頂けること、心より感謝致します。お客様のご要望に合わせて誠心誠意サービスを…』
「りっ、リーブル様!!あの!もう分かったのでこちらの名刺の投影はどうやったら消えますか!?」
顔から湯気が出そうな程に焦っているトマがリーブルの服の裾を掴む。
リーブルがちょん、と先程のハートマークの絵柄を押すと、投影されたリーブルの姿は消え、代わりにディスプレイ画面が投影された。
「び、ビックリしました…」
ハアハア、と息を吐くトマを見て、少し心配そうな顔でリーブルが話す。
「もう一度押すとディスプレイ画面も消える仕様になってます。…名刺としてとても分かりやすくしたつもりなんですが、ダメですか?」
「あ、ああいえ…音声案内での概要説明は分かりやすくていいと思うんです。そうじゃなくてあの…リーブル様の始められる【お仕事】って…」
困惑したような顔色のトマをみながら、頬に手をやりうっとりと微笑むリーブルは、甘い声色で言葉を発した。
「旅男娼です♡」
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