異世界親父騒動記

第五章 親父たちと砂漠

親父たちと、ダンジョン一族の徹底抗戦5！

前回までのあらすじ
抵抗するダンジョン一族（モブ）たちを撃破した酒飲怪獣ブドラは酒を求めて次の階層に降りた。
ダンジョン一族視点です。

　次々と酒飲怪獣ブドラに防衛網を突破されたダンジョン一族の対酒飲怪獣ブドラ対策会議は混迷を迎えていた。
「貴様!!気は確かか？」
「もう！それしか手がない！」
「バーカモノ～！それは神への冒涜に等しい行為た！」
「だが、他に方法があるのか？」
「しかし、酒に毒を入れるなど、正気の沙汰とは思えん！」
　ブドウの目的が酒とわかったダンジョン一族は、酒に毒を仕込んで倒そうとしたが、一部の酒飲みたちによって、その作戦は反対されていた。
「酒を犠牲にするのは反対だ！」
「同じく反対だ！」
「それなら、他に代案があるのか？」
「それを出すのがお前らの仕事だろ！」
　自分達のケツに火がついている状況なのに酒を犠牲にすることを反対する酒飲みたち。
　もはや褒めるしかない。
　結局、小さなコップ一杯の酒を犠牲にすることで、作戦は可決された。
　作戦名ヤマタノオロチ。
　しかし、この作戦に参加させられた（若い）ダンジョン一族たちは不安でしかなかった。
「あの怪獣相手に、上はあんな小さなコップ一杯の酒で通用すると本当に思っているのか？」
「しかも、酒一に対して水九十九で薄めた酒を酒というのか？」
「もはや、酒の香りがする水でしかないぞ！」
「こんな罠に引っ掛かる奴なんているのか？」
「普通に考えたら、反応すらしないだろうな！」
「「「「しないに決まっている!!」」」」
　だが、ブドラは毒入り酒（?）が入った小さなコップに向かって突撃し、飲んだ。
「「「「「そんな馬鹿な!!」」」」」
　自分達の想像をはるかに超える状況に（若い）ダンジョン一族たちは叫んだ。
「あの怪獣の鼻は警察犬もびっくりの嗅覚をもっているのか？」
「だが、毒も一緒に飲んだ！」
「これで、あの怪獣を倒すことができる！」
「我々の勝ちだ！」
　（若い）ダンジョン一族たちは作戦は成功したと確信した。