異世界親父騒動記

マサカド

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第五章 親父たちと砂漠

親父たちと、ダンジョン一族の徹底抗戦6!

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前回までのあらすじ
抵抗するダンジョン一族たちの策にはまって、毒入り酒(?)を飲んでしまった酒飲怪獣ブドラ。
ダンジョン一族視点です。

 勝利を確信した(若い)ダンジョン一族たちは……。
 毒入り酒を飲んでしまった酒飲怪獣ブドラに……。
 吹き飛ばされた。
「なぜだーー!なぜ毒を飲んだのにあんなに暴れることができるんだ!」
「あの毒!速攻性じゃなかったのか?」
「毒を入れ忘れたんじゃないのか?」
「間違いなく入れた!」
 そう言って、空になった毒のケースを見せた。
 ケースにはご丁寧に「速攻」と書かれていた。
「「「じゃあ、何で効いていないんだ!」」」
 毒が効いていないのか、ブドラは元気に暴れていた。
(若い)ダンジョン一族たちは気づいていなかった。
怪獣化したブドウを含め、親父たちには毒が効かなくなっていることを。
理由はダンジョン内で魔物の肉を食べたことによる副作用によるもの。
魔物の肉を食べれば、普通は腹痛、下痢、脱水症状などになるにだが、親父たちの場合は言葉がカタコトになり、原住民のような格好になったが、それは肉体の外側だけで、肉体の内側では、毒などに抵抗する為の抗体が急速に作られていた結果、毒などの異常状態に対して無効化する体になっていた。
毒という切り札を失った(若い)ダンジョン一族たちに勝ち目はなく、各個撃破された。
 ヤマタノオロチ作戦は失敗したが、話はそこで終わりではなかった。
 酒飲怪獣ブドラはある場所を目指していた。
 目指す場所の名は酒が保存されている倉庫またの名を酒蔵。
「さ……け……シャケ……酒――――!!」
 遅い歩みだが、確実に酒へと近づいてゆくブドラ。
 だが、ブドラの歩みを阻む者がいた。
 ダンジョン一族の酒飲みたち。
 彼らはスクラムを組み、酒を死守しようと扉の前で待ち構えていた。
「酒は絶対に死守する!」
「侵略者の魔の手から酒を救う!」
「そして勝利の美酒を飲む!」
「酒は我々のものだーー!」
 酒を飲む口実が作りたい酒飲みたち。
 だが、酒に関しての執念はブドラの方が圧倒的に上だった。

※ヤマタノオロチ
日本神話に登場する伝説の生物。最後は酒を飲んで酔っ払って、寝ている所を切られた。
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