異世界親父騒動記

マサカド

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第五章 親父たちと砂漠

親父たち、脱出……できるかな?

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前回までのあらすじ
紅海の小島から脱出する為に木を切る親父たち。
だが、少年心がうずいてツリーハウスを製作してしまった。

 親父たちがツリーハウスを作って十日が経った。
 無人島の砂浜。
 親父たちの目の前には五人で作ったイカダ。
 このイカダを使って親父たちは島を脱出する。
「ようやく、脱出できるな!本当はすぐに脱出するつもりが海水浴をしたり……」
「日光浴をしたり……」
「砂で安土城を作ったもしたでござる!」
「うむ、ターザンごっこもしたね!」
「肯定であります!」
「「「「「…………………」」」」」
 親父たちは頭を抱えたまま沈黙した。
 そして…………。
「拙者たち!一体何をやっていたんだ!」
「イカダを作る作業よりも遊んでいる時間の方があきらかに長いでござる!」
「夏休みの子供か!わしらは!」
「うむ、完全に島から脱出することを忘れて遊んでいたね!」
「肯定であります!」
 砂浜でのた打ち回る親父。
 のた打ち回る暇があるなら、島から脱出すればいいのにと言ってくれる人がいなかったため、親父たちが島からの脱出したのは、一時間後だった。
 一時間後。
 親父たちは海の上にいた。
「しかし、食料も水も用意せずに海に出て良かったのか?」
「わしも気になっていた!」
「うむ、その心配はいらないよ!」
「目視できる距離に陸があるから心配いらないでござる!」
「肯定であります!」
 教授、影、軍曹の発言に一末の不安を覚える村正とブドウ。
 そんな二人の不安は的中する。
 夕方。
 親父たちは陸に到着した。
「うむ、やっと次の陸地に到着したね!」
「思ったより時間かかったでござる!」
「肯定であります!」
「しかし、ここ見慣れた島のような気があるんだが?」
「拙者も同じ意見だ!」
 ブドウと村正の判断は正しかった。
 なぜなら、元いた島に戻って来たからだ。
 親父たちは方向音痴である事を忘れていた。
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