異世界親父騒動記

第五章 親父たちと砂漠

親父たち、DIYする！

前回までのあらすじ
紅海の小島に漂着した親父たち。
つかの間の休息と教授の問題発言（？）を回避した。

　親父たちは木を切っていた。
　一見すれば、切った木からイカダを作って、この小島を脱出しようとしているように見えるが、親父たちが作っているのはイカダではなく、ツリーハウスだった。
　なぜ？ツリーハウスを作っているのかと言うと、その場のノリと勢いで親父たちの失われた「少年心」が目覚めてしまったからである。
　体は親父で、心は少年。
　こうして五人の大きな子供たちは夢中になってツリーハウスを建設していた。
　夕方。
　親父たちは落ち込んでいた。
　自分達は一体何をしていたんだ？
　いい年して、はしゃぎまくって何を作っていたんだ？
　親父たちの目の前にはツリーハウス。
　だが、ただのツリーハウスではない。
　少年心が満載のツリーハウスになっていた。
「なぜ？拙者はブランコなんて作ったんだ？」
「わしも、なぜ？滑り台を作ったんだ？」
「隠し扉を作ってしまったでござる！」
「うむ、我々は完全に子供たちの秘密基地を作ってしまったようだね！」
「肯定であります！」
　沈みゆく夕日を見つめながら、親父たちは浜辺で途方に暮れていた。
　そして、全員が心の中で思った。
（（（（（このままじゃ、この島から脱出できない（でござる）！）））））
　そう思った親父たちが最初に取った行動は…………食事を取ることだった。
　どこまでも己の本能に忠実に行動してい事に気づかない親父たちであった。