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第1章
5 返事③
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「まあでも……俺が未成年な時点で、対象外なんですよね……」
「それは……そうだね、でも亮弥くんと私じゃ見た目が全然釣り合わないし、もっと同世代の綺麗な人とおつき合いしたほうがいいよ」
「優子さんより綺麗な人なんていないですよ」
「そう思ってくれるのは今だけだって。あと五年も経てば黒歴史になるよ~」
「それじゃ、五年経ってまだ好きだったら? 五年後なら俺も社会人になってますし」
「先のことは何とも言えないかな。だって、五年経ったら私も結婚してるかもしれないし」
「結婚……」
「あ、いや、今のところ微塵もそんな気持ち無いけど、わからないからさ、人の心は。でもそんなこと考えるより、若いんだしいろんな人と楽しく恋愛してほしい。せっかく美形に生まれたのに、私なんかに囚われたら、亮弥くんの人生、本当にもったいないから」
「どうしても、好きでいちゃダメですか……?」
「ダメとは言えないけど、お勧めしないです」
「友達にも、なれないですか?」
「私と繋がってたら、新しい出会いを逃すかもしれないから、申し訳ないけど……」
もちろん、この子がそこまで私を好きで居続けてくれるとは思ってない。
本当に一過性の、年上女性への憧れという気の迷いだろう。
だからこそ、キッパリ離れることで早く次に進んでほしいと私は考えたのだ。
「それじゃ、もう一つだけ教えてください。今日一日過ごしてみて、優子さんは、俺みたいな男は、嫌いですか?」
これは難しい質問が来たと思った。
実は私は、全く嘘をつけない性分なのだ。
嘘をつくという能力を奪われて生まれてきたのではと思うくらいだ。
私の口から出る言葉は全て本心。先ほどの話の"本心を封印する"とは、本心の一部を隠すことであって、本心とは別のことを言って繕うという意味ではない。
話すか、隠すか。私の選択肢はこれだけしかない。
「正直に言ってもらっていいんで!」
亮弥くんのことは当然嫌いではない。
というより、むしろ好印象だったから、嫌いなどと言えるわけがない。
それなら言葉を濁すより、本心をキチンと伝えるのが正解だし、真心というものだ。
私はじっくり考えて、上目遣いでこちらをじっと見つめて返事を待っている亮弥くんに言った。
「亮弥くんは、真っすぐでいい子だと思う。嫌いじゃないというより、好きです。たぶん気が合うだろうと思う。私なんかを好きになってくれて本当に嬉しい。でもね、恋愛となると、ちょっと現実的には考えられません。ごめんなさい」
「そうですか……。わかりました」
亮弥くんは目を伏せたけど、少しだけ満足そうに微笑んだように見えた。
「無理を言ってすみませんでした。優子さんが年下が苦手だってことも姉から聞いてたから、ダメ元だったんで」
「えっ、あ……、そんなことまで聞いてたの……」
「それでもこうして長い時間一緒に居てくれて、真剣に向き合ってもらえて、嬉しかったです。ありがとうございました」
どこか吹っ切れたように屈託のない笑顔を見せた亮弥くんを見て、ホッと胸を撫で下ろした。
「私も一日楽しかったよ、ありがとう」
「それは……そうだね、でも亮弥くんと私じゃ見た目が全然釣り合わないし、もっと同世代の綺麗な人とおつき合いしたほうがいいよ」
「優子さんより綺麗な人なんていないですよ」
「そう思ってくれるのは今だけだって。あと五年も経てば黒歴史になるよ~」
「それじゃ、五年経ってまだ好きだったら? 五年後なら俺も社会人になってますし」
「先のことは何とも言えないかな。だって、五年経ったら私も結婚してるかもしれないし」
「結婚……」
「あ、いや、今のところ微塵もそんな気持ち無いけど、わからないからさ、人の心は。でもそんなこと考えるより、若いんだしいろんな人と楽しく恋愛してほしい。せっかく美形に生まれたのに、私なんかに囚われたら、亮弥くんの人生、本当にもったいないから」
「どうしても、好きでいちゃダメですか……?」
「ダメとは言えないけど、お勧めしないです」
「友達にも、なれないですか?」
「私と繋がってたら、新しい出会いを逃すかもしれないから、申し訳ないけど……」
もちろん、この子がそこまで私を好きで居続けてくれるとは思ってない。
本当に一過性の、年上女性への憧れという気の迷いだろう。
だからこそ、キッパリ離れることで早く次に進んでほしいと私は考えたのだ。
「それじゃ、もう一つだけ教えてください。今日一日過ごしてみて、優子さんは、俺みたいな男は、嫌いですか?」
これは難しい質問が来たと思った。
実は私は、全く嘘をつけない性分なのだ。
嘘をつくという能力を奪われて生まれてきたのではと思うくらいだ。
私の口から出る言葉は全て本心。先ほどの話の"本心を封印する"とは、本心の一部を隠すことであって、本心とは別のことを言って繕うという意味ではない。
話すか、隠すか。私の選択肢はこれだけしかない。
「正直に言ってもらっていいんで!」
亮弥くんのことは当然嫌いではない。
というより、むしろ好印象だったから、嫌いなどと言えるわけがない。
それなら言葉を濁すより、本心をキチンと伝えるのが正解だし、真心というものだ。
私はじっくり考えて、上目遣いでこちらをじっと見つめて返事を待っている亮弥くんに言った。
「亮弥くんは、真っすぐでいい子だと思う。嫌いじゃないというより、好きです。たぶん気が合うだろうと思う。私なんかを好きになってくれて本当に嬉しい。でもね、恋愛となると、ちょっと現実的には考えられません。ごめんなさい」
「そうですか……。わかりました」
亮弥くんは目を伏せたけど、少しだけ満足そうに微笑んだように見えた。
「無理を言ってすみませんでした。優子さんが年下が苦手だってことも姉から聞いてたから、ダメ元だったんで」
「えっ、あ……、そんなことまで聞いてたの……」
「それでもこうして長い時間一緒に居てくれて、真剣に向き合ってもらえて、嬉しかったです。ありがとうございました」
どこか吹っ切れたように屈託のない笑顔を見せた亮弥くんを見て、ホッと胸を撫で下ろした。
「私も一日楽しかったよ、ありがとう」
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