大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

練習と再会

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あの後、なんとか誤解(?)を解いて、解散しようとしたら…。
「レィア、このあたりってほとんど何も無いよな?」
「うん?何も無かったはずだが?」
ナタリさんに声かけられた。
ちなみに、何も無いってのは事実。本当に何も無い。
理由として、ここが王都から限りなく南に降りた僻地であること、これよりもう数キロ南に降りると、妖魔族の領地になること、だろうか。
ついでだから解説しておくか。
ヒト種の国は、ほぼ円形をしていて、そのド真ん中に王都がある。ちなみに最北端は海に面していて、魚とかはそこからしかほとんど取れない。
で、それ以外の大地はすべてが妖魔族達の領土ってことになってる。
妖魔族達の領土がどこまで広がっているのか、はほとんどわからない。ただ、昔はヒト種の領土はもっと広くて、栄えていたそうな。
で、このあたりには当然何も無い。いつ戦争になってもおかしくないからね。
「ならさ、フィールドは直ってなくとも練習ぐらいならできるんじゃない?」
「あー、うん、それは考えなくもなかったんだけどさ、自分とアーネの火力が…」
フィールドをぶち抜く威力の技を外で撃つとかホントに戦争みたくなるからね。
「いやさ、アタイとしてはアンタらはどうでもいいのよ」
しれっと酷いこと今言ったよね。
「ということは、ナタリ、ラウクム、クアイの戦力チェックということですの?」
あ、アーネが復帰した。
「そういうことになるね。アンタらはド派手にやってたから、みんな知ってるけど、アタイらは互いに知らないし、ちょうどいいかと思ってさ」
それなら自分も気になる。でもそれってさ。
「そういうの、先生とかの監督必要だよ」
あ、ラウクムくんいいところに。そしてナイスな返事。思った通りのことを言ってくれた!
「バレなきゃいいじゃん!」
「バレたらやばいじゃん!」
うーむ、いい切り返しだ。
「他にだれか監督にできないの?」
一応聞いてみるけど、ダメだろうなぁ…オードラル先生、『面倒』とかいって拒否しそう…。
「んーと、二つ名持ちの上級生に見てもらうこともいいらしいけど、二つ名持ってる上級生とか五人しかいないし、まず無理だよ」
二つ名って言うとあれか。
「《不動》と」「《荒野》じゃ」「足りない?」「贅沢者?」
そうそう、この二人…。は?
「うぇえ!?なんでいるの!?」
ラウクムくん、いいリアクションだな。
多分、理由は昼飯だと思うけど。
「ご飯食べてて、」「面白そうなお話聞こえたから」「聞き耳立ててたから!」「ちょうどよかったね!」「ね!」
自由な先輩方である。
「先輩、お願いしてもいい?」
「もちろん!」「かわりに、二人も参加してね!」
それぐらいならいいんだけど、二人にやられそうな気がするな…。
「あ、アタイ、クアイ呼んでくるね!」
「あれ?そういえばクアイは?」
「貴女、今更気づいたですの?とっくの昔に『お昼寝してきます…』と言って部屋にもどってましたわよ?」
全く気づかんだ…。
とりあえず、クアイちゃんが着き次第、先輩の監督の元、戦闘チェックかな?
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