大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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24 / 2,022
本編

制服受け取りと誤認識

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朝からヒヤヒヤしたけど、なんとか間に合った。
走れば何とかなるもんなのね。
オードラル先生を待つことしばし。
あ、来やがった。
「よぉ!みんな、元気してた?」
たかが一日だろうが。
「今日の日程言うぞー!今日は…」
…。
……話なげぇな。簡潔にまとめよう。
今日の日程は、入学式したあと、班確認してあとは自由に解散なんだそうな。 
ちなみに、自分とアーネが午前中にきたら、入学式は昨日のうちに済んでたらしい。
なんかスマン…。
「まぁ、そのおかげで、今年はスペシャルゲストがいるけどな!」
はて、誰だろ?
「あ、その前に、制服渡しとくな!」
遅ぇよ!本来なら昨日渡しとけよ!
今から着替えるのか!?
とか思ってたけど違った。渡されたのは謎の銀プレート。サイズは手のひらより少し大きいぐらい。
まさか、これが制服とか言わないよな?
「よし!全員に行き渡ったな!これがお前達の制服だ!」
言い切りやがった!これのどこがだよ!
「それを、自分の体のどこかにくっつければ、着てる服が制服として認識されるから!ちなみに、形は変わるから、好きな形にしてくれ!」
え、マジ?なにそれ、メッチャ便利じゃん。
というか、認識されるってどういうこと?
なんで普通に用意しないのかとか思わないでもなかったけど、取り敢えずこれが制服らしい。
ふむ、どこでもってことは…。
「…こう?かな?」
自分の髪をまとめて、うなじの上へ持っていく。そして、髪にくっつけた状態でリングをイメージすると…。
「おぉ、こりゃ便利だな」
いい感じにまとめられた。金属製の髪留めは、髪に挟まると特に痛いけど、これなら挟む心配なくていいや。
とか思ってたら、いきなり光に包まれた。
「うお!なにこれ!?」
少し焦っていると、すぐに収まった。
周りを見てみると、みんなの服が同じような服になってる。
あ、制服に認識されるってこういうことか。
男子は、黒を基調としたブレザーで、ところどころに、下品にならない程度に金の刺繍が入ってる。
女子は逆に、白を基調としたもの。同じく、金の刺繍が入っているが、それを際立たせるように数カ所青が入っている。
おぉ、中々凄いな…。凄いけど…。
「オイコラ先生ぇぇぇぇ?」
「ん?どうしたリーア?」
…サラッと名前間違われたが、それよりも。
「なんで自分のは女子と同じなんだ?」
自分が着ているのは、ラウクム達、男子とは違う女子のもの。
実際着ているのは自分の私服だとはいえ、スカート穿くのは絶対嫌!男としての沽券に関わる!
…ちなみに、悲しい話だが、スカートを穿くのはこれが初めてじゃない。
「……ぶふっ!」
「笑ってないで何とか言えよ!」
流石に剣を構えた。
「ちょ!ちょっと待て!それは流石に…!ふぅ、よし収まった」
「弁解の余地があるならどうぞ?なかったら死ね」
そろそろこのド腐れ教師、一旦死んだ方がいいのではないだろうか?
「その制服な?実は男子用、女子用とかないのよ」
「?それがどうかしたか?」
見たところ、単なるプレートだし。先生も無造作に配ってたしな。
「でも、男女しっかり分けられてるだろ?」
だな。自分以外しっかりと着られてるし。
「で、だ。その制服、中に特殊魔法陣が組み込まれてて、男女を勝手に区別して、制服を反映させるんだよ。つまり…」
………ちょっと待て。
「つまりはなんだ?魔法にすら『女』って判断されたわけか?」
「そう言うことになるな。…ぶふっ!」
二度も笑いやがったな?
ブッ殺ス
「あ、ちょ!ま!アァーーーーーーーーーー!」
入学式前だろうと関係ないな。全力で殺らせてもらう…!
ちなみにあとから、しっかりと(クードラル)先生から『男に女服を、女に男服を着させる』風にカスタムして貰ったのを頂いたのは、しっかり言わせてもらう。
…ラウクムくんと、ほか数名の生徒が、『なんで女子が男子の服着てるんだ?』みたいな顔してた。
アイツらもいつかシメる!
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