大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

緋眼騎士と超巨人

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金剣と白剣を強く握り、その能力を引き出す。
それだけで傷だらけの身体が軽くなり、身体を包む熱が少しだけ落ち着く。
狙うは奴の胸、そのド真ん中に狙いを定める。
『行くぜ……!』
と、とっ、とっ──スリーステップを踏み、加速。
さらに。
『使うぜ』
『構わねぇ』
一度ギリリと奥歯を噛み締め、再び口を開く。
『《血呪》』
途端に背中の《勇者紋》が熱を持ち、そこから黒い紋様が身体を覆う。
鎧の下を這い回り、肌の上を蠢き、皮膚の中に定着する。
それを文字通り肌で感じた瞬間、俺の身体はより強靭なものになる。
『マスター・標的が動き始めました』
知るか。
『ッガアアアアアアアアアアアアアアアア!!』
初撃と同様に叫びながら大跳躍。
白剣を突き立ったままの銀剣のすぐ横に突き刺し、それと同時に真横に薙ぐ。
『ッラア!!』
鋭く水を切ったような音とともに赤い血が吹き出し、黄土色の肌を赤く染める。
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
流石にこれは痛かったのか、ギガースの拳が勢いを伴って俺を叩き落とそうとする。
俺は薙いだ白剣を真上に放り投げ、空いた右手で銀剣の柄を握る。
金剣の力をさらに引き出しつつギガースの胸板を強く蹴ると、一瞬の抵抗感の後、血に濡れた銀剣が引き抜かれる。
さらに空中で金剣と銀剣を構え、戦技アーツ断金たつがね》を発動。
下と上、交差するように剣を振り、閉じた腕を横に開くように剣をさらに振る。
「+」の形に繰り出された剣撃はギガースの拳を叩き潰し、指を数本飛ばした。
『ギ、グアアアアアアアアアアアアアア!!』
ギガースは地団駄を踏みながら痛みに叫び、しっちゃかめっちゃかに拳を振り下ろす。
『!!』
その拳を全て剣や髪で逸らし、地面に無事着地。
周りには──誰もいない。
『マキナ、周りに誰か?』
『半径十メートル以内には・誰もいません』
逃げたか。
それでいい。
落ちてきた白剣を掴み、金剣と共に地に刺す。
その途端に身体が重くなるが、《血呪》でそれをカバーする。
『蓄えは?』
『使わねぇ』
短くそう返し、銀剣を構える。
位置はギガースの真下、奴がデタラメに振り下ろす拳を避けつつ、一瞬の隙を縫って剣を振り抜く。
これでも喰らいやがれ──!!
『《煌覇》!!』
真上に向かって撃ち放った煌覇は赤い光と共にギガースへと飛び──激突の寸前、その手に叩き落とされた。
『────っ』
代わりに、と振り下ろされる拳がマキナの反応さえ許さずに俺に落ちてきた。
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