大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

星祭りと聖女

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いつの間にか聖女サマに試験されてたり、新作の鎧の確認したり、オッサンに絡まれたあの日から丁度一週間経った。
その間、何度かベルに呼び出されて確認しに行ったり、いくつかのパーツを繋いだりして過ごした。
右手の調子もかなり良くなって、外見上は完治している。
ただ、未だぎこちないところもあり、スキルの補助がないと戦闘出来ないような様子。
まぁそれも、何日かすれば治るだろうと予想している。
夏季休暇もそろそろ『終わり』の三文字が見えてきた一方、聖女サマが言っていた謎の集団については一切分からないでいた。
このまま何もなく過ぎれば俺とアーネは聖学の寮に戻り、護衛の契約も打ち切りとなる。
そうなった場合は、エルストイが一応後を継いで護衛をしてくれるらしい。
王都の方はかなり苦戦しているらしく、滞在日数が伸びるかもしれないと、聖女サマがすまなさそうにアーネの父親に言っているのを見かけた。
さて、そんな中、アーネの父親が朝食の際にこんな事を言ってきた。
「…星祭り?」
「そう、星祭りだ。レィアくんはもしかして初めてかい?」
「まぁそうだけど…で、なにそれ?」
「何、明日は初代聖女様が正式に教会に認められた日でね。今日、明日、明後日の三日間を盛大に祝うお祭りの事だよ」
思わず視線が隣で上品に朝食を食べている聖女サマに向かう。
「……な、何か?」
「いや別に…」
恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてる聖女サマってレアだなー、って思っただけ。…口には出さないぞ?
「今頃王都では、聖女様が色んなところを訪問したり、お披露目したりしていると思うよ。私も昔、妻と一緒に見に行ったことがあったがね、それは見事なパレードだった。流石に王都や他の第一都市には多少劣るかもしれないけど、第二都市ここだって負けちゃいないよ。アーネやシエルちゃんと一緒に見て回ってきたらどうだい?色んな店が出店していたりするから、いい刺激になると思うよ」
ふむ、そんなに凄いものなのか。
興味が湧いてきた。
シエルも俺の膝元からキラキラした視線を俺に飛ばしている。
喋ってはいないが、視線が物凄く雄弁に「いこ?いこ!」って言ってる。多分、尻尾とかあったらブンブン振ってる。
「………そういや、まだアーネにアクセサリー買ってなかったな」
ぽろりと口からこぼれた。
すっかり失念していたが、いつぞやの服屋の謝罪として、そういったものを寄越せと言われていたんだっけか。
丁度いい。
「んじゃ、今日行くか…アーネ、いいか?」
「ふぁいっ!?へ、あの、い、いいですわよ?」
よし、決まった。
みんなで遊んできますか。
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