大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

話し合いと説明

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「で、なんで貴方がここにいるんですの?」
「そりゃこっちのセリフだ。なんでせ…あー、アリスがここにいる」
場所は変わってゼランバの公園、その一角にあるちょっとした休憩スペースのような空間に移動して、丸テーブルを囲んで座る。実際は移動していると言うより、連れてこられたの方が正しいのだが。
「俺の方は単純に、予定より早くこっちに着いただけだ。北第一都市が思ったより狭かった」
「貴方が王都で何かしている間、彼女はこちらに避難していたんですわよ。内容は聞かせて貰えませんでしたけれど」
なるほど、去年も同じ理由でこちらに来ていたな。
「ならアンタは早急に王都に戻るべきだな。アレはひと段落ついた。多分心配は要らん」
「え?もうですか?」
「当たり前だ。じゃなきゃこっちに俺が来る事が出来ないだろ。メッセージも送っ…」
あ、そうか。まだ三日経ってないから届いてないのか。この辺は長距離メッセージの面倒な所だな。
「…まぁなんだ。明日、急いで戻れば王都での仕事に戻れるんじゃないか。二日目は星祭のメインだし、去年もこっちにいたから、さすがに今年は王都でやらんなんだろ」
「え、えぇそうなのですが…何の報告も無かったですし、今回はかなり長期になると思っていましたので、少し驚いてます。大怪我をしたとアーネさんから聞いていましたし、戻ってくるのも療養のためだと…」
「確かに俺の身体はアーネぐらいじゃないと治療出来んしな。ただまぁ、これぐらい治ってれば死にゃしないし、剣も握れるからまだやるけど」
「…次にこういう事があったら、ギリギリ動けない程度に治しますわね」
適当に笑って流す。…冗談、だよな?
「家には行きましたの?」
「いんや、まだだ。ついさっきここに着いて、用意とかまだ終わってないだろうし、明日行くつもりだった」
「それぐらい構いませんわよ。ついさっきでしたらまだ宿は取っていませんわね?そのまま家に来ればいいですわ」
「そうか?じゃあそうさせてもらうか」
「シエルも待ってますわよ」
「………そうか」
流石に少し、リアクションに困る。
まだ待ってんのか。あいつ。
「聖女サマはいつ出るんだ?」
「門は既に閉じているでしょう?明日の朝早くに出るしかないですね」
「ふーん…なら後で俺の部屋に来てくれるか?報告せにゃならんことがある。今回の件、色々とあったもんでな」
「わかりました。解決してくださってありがとうございます」
「構わんさ。正直に言えば完全に解決した訳じゃねぇし」
「…はい?」
「…大丈夫なんですの?それ…」
「ま、その辺は悪いがアーネにゃ聞かせらんねぇ話になる。絶対に来んなよ。必要なら俺が少しぐらいは教えるから」
さて、真面目話はこれぐらいにするか。
立ち上がり、軽く背伸びをする。
「そんじゃ、少しぐらいは祭りを楽しんでこようかね」
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