大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

飯と予約

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馬鹿共が帰ってきたのは思ったよりかは早く、朝食が冷え切る前には帰ってきた。
「許しは得たか?」
「はい!『また嬢ちゃんか…』で済みました!」
いやそれ済んだってか諦めじゃね?諦念じゃね?お前毎度何やらかしてんだよ。プクナイムでの数少ない牧場だろうが。
「まぁ、向こうがいいってんなら仕方ないか…んじゃ、次は俺の報告か?」
「そうですね!それじゃぁお願いします!」
「おう。……あとアーネ、なんでずっと黙ってんの?」
「お、お腹が空きましたわ…」
『あー、まぁ、今代のはともかく、アーネとニケは朝イチで走って謝って、だからな…そりゃ腹もへるでしょ』
それもそうか。
「チッ、飯食いながら聞け。それでいいな?」
「了解ですわ!ご主人!おかわりですわ!」
「早ッ!」
ちなみにこの宿、おかわりは無制限(ちなみに朝食は宿泊料に含まれているが、夕飯は別途料金がかかる)だが、そのために宿泊料は少し高めとなっている。…まぁ、今回は都市が払ってくれるって話らしいから俺達の腹は一切痛まんのだが。
「…報告、いいか?」
「はい!どうぞ!」「もちろんですわ!(モグモグ)」
ニケは一応報告が終わるまで飯は食わんらしいが、アーネは結構食ってるね。ってか、おかわり三回目よ。
「とりあえず、昨日の時点で報告した事は『都市に入った』って事『都市の使者と合流した』って事、あとは『まだ捜索中で情報が足りねぇからもっと寄越せ』、『もしくは時間を伸ばせ』って事かな」
「半分ほど、報告と言うより要求じゃないですの!」
「まぁな。っつーのも」
俺が懐から一枚の紙切れを取り出す。矢文についていた手紙である。
内容は。
「学校からの情報と他に何か欲しいものは無いか、って事が書かれてる。だからそんだけの情報じゃ足りねぇ、もっと寄越せって意味と時間を伸ばせって話書いて返したんだよ」
そう言ってアーネにその手紙を手渡し、そのまま話を続ける。
「んで、そこに書かれてる事ってのが、ここの領主…ってか都市長って言うのか?まぁ、そこのお偉いさんとこにアポ取ったんだと。ニケでも知らないってのに都市から《問題児》扱いってのはなんか引っかかるが…まぁ、流石に都市長なら知ってるだろ」
と、いう訳で今日の予定は決まった。
「まずはそこに行ってから決めようか」
「それはいいのですけど…」
「レィアさん、時間の所、見ました?」
「うん?なんだ?」
ひょいと覗き込むと────。
「ふむ、予定時刻まであと…三十分か……三十分!?」
「…多分、指定の場所まで馬を走らせてギリギリ…かと」
なんで!?時間は結構余ってただろ!?
『………あぁ、アーネちゃん達待ってたから?』
それだ!
「おら、ニケ、アーネ!行くぞ!」
「え、まだおかわり──」
「僕まだ食べてすら──」
「いつまで食ってやがる!あと、ニケには馬車の飯少しやる!」
手を引っ掴んで宿を飛び出た。
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