大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

市長と問題児

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「申し訳ありませぬ。本日、都市長はどうしても外せぬ用事がありまして。ですので代わりに私がお話を承ることになっております」
馬を飛ばして丁度三十分。
なんとか時間には間に合った…ってかジャスト。
指定された場所は街の中心より少し西に寄った場所にある…何?ここ。えっと…何かの会館か?とりあえず立派で広い建物。
そこについてからやけに豪華な…そう、うちの学校の学長室ぐらい豪華な部屋に通され、テーブルを挟んで向こう側にやや老けた男性が座ってる。
ちなみに、アーネが隣でニケが扉の所で立ってる。
で、そこで言われた第一声がさっきの。
「あん?何でまた。一応、アポは取ってあるはずなんだが」
俺じゃなくて学校長が。
しかも、どんな手段か知らねぇけど。…まぁ、ロクな手段じゃねぇだろうってのは確か。
「申し訳ありませぬ。何分、急に入った上にどうしても外せなかったものでして。ですので、代わって私がお話を承ります」
…ふーん。
なーんかなー。
「ちなみにその用事ってのは?」
「申し訳ありませぬ。何分、機密情報を含みますので、失礼ながら部外者のあなた様に漏らす訳にはいかないのです」
…ほーん。
『一番、本当に緊急の内容かつ都市の機密情報が関わってくる、そんな話で市長がいない。二番、元からすっぽかすつもりで許可した。三番、人に言えない、会えないレベルで腹下してトイレで歯ァ食いしばってる。さて、どれだと思う?個人的に三番だったら面白いんだが』
馬鹿抜かせ。多分二番だろ。じゃなきゃ……三番で。一番は…まず無いだろうし。
そんな話ならニケの耳にも入るだろうし。
『だよなぁ…嫌われてんな?今代の』
そりゃま、元指名手配犯ですから。市長がどのぐらい話を知ってるか知らんがな。
「まぁ、わかったよ。んで、だ。こっちはいくつか質問したいだけなんだが…アンタに聞いたら答えが返ってくるって思ってていい?」
「はい。ただ、もしかすると私と都市長に認識の齟齬そごがある可能性がありますので、万が一がありますので、その辺りはどうかご了承下さい」
………うーん。
『ほぼ確定で二番だな』
だよなぁ…。
アーネも微妙な表情になってるのが横目で見える。
「まぁ、それならそれでいいや。…ひとまず、最初の質問」
「はい、どうぞ。私が答えられる範囲で答えましょう」
真っ直ぐ彼の目を見つめ、最初の質問。
「今現在、この都市に《問題児》とかって言われてる人とかいる?」
すると、彼は見つめ返してこう答えた。
「います…というか彼女です」
と言ってニケを指差した。
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