大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

先生と出禁

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ほんとーに来やがった。
何が?ってか誰が?もちろん、学校長殿である。
今日は午後の訓練を見学にして、アーネと一緒に部屋に戻ったら静かにテーブルについてた。
ついてやがった。めっちゃ怖かった。
だって、部屋入ったら夕日を受けて影作りながら一ミリたりとも動かず、俺達が入ると「レィアさん、お待ちしていました」って言ってこっち見るんだぜ?
ホラーかよ。
てか、これ夜中だったらホラーだよ。
それはさておき。
「なな、なんで学校長先生が私達の部屋に!?」
「さぁ?不法侵入じゃね?」
しまった、アーネに話すの忘れてた。
「そ!う!い!う!事じゃなくて!!学校長先生が貴女の名前を呼んでいたのは分かってるんですのよ!」
「わ、わかったわかった!わかったから、首絞めながら前後に振るのはやめぇぇぇぇぇ」
と、言うわけでアーネに説明を終えて、学校長の話を聞いてやることになった。
けどその前に。
「なぁ、俺は結局プクナイムに入れる…んだよな?」
やけに話が通るのが早すぎると思うんだが。
だって、ここからプクナイムまで往復すると丸一日以上かかるぞ?
「はい、私の特殊矢文でこちらの用件を伝えると、即座に返事が返ってきました。むしろ相手は快諾してくれた様ですよ?謝罪文すら載っていました。これがその証拠です」
そう言って学校長が懐から一枚の手紙を出す。
…ってあれ?馬で半日以上の距離に矢文を飛ばしたって言った?この人、実はヤバイ人?
それはともかく、書いてある内容を見てみると、確かに俺に対しての出禁令を解禁するって事と、前に出した出禁令は何やらだったとか何とか。その為、今回の宿泊費とか全部は領主殿が持ってくれるらしい…って、いやいや、その辺りはどうでもいいんだが。
…手違い?
「…学校長センセ、手違いって何?俺知らねぇんだけど」
「さぁ…私はここに書いてある以上のことは知りませんので」
まぁ、そりゃそうだわなぁ…。
…仕方ない、どうも学校長も知らねぇっぽいから話を進めようか。
「で、内容は?これで俺が受けない理由は無いしな」
「ちょっとちょっと!待ってくださいまし!まさか、東の都市に行くとでも言うんですの!?」
「あん?アーネ何言ってんだ?当然だろ。コッチとしては断る理由が無いしな」
「しかし身体は!」
「身体の方なら問題ないかと。昨日、八メートル上から投げても見事に身体を捻り着地、その後も特にどこか痛めた様子もありませんでしたし」
あぁ、昨日の天井からポーイはそんな意味があったのか。
「まぁ、そんな訳だ。内容もそんなに負担がかかるもんじゃない…と思うから」
「内容を漏らさないでください。いくらまだあなたが持っている情報が少ないからと言って、漏らしていい情報という訳では無いので」
おっと、叱られちまったか。
「そんな!それでも…」
まだ言い募るアーネ。…しゃーねぇ。
「学校長センセ、少し変則的だが、報酬を少し先払いしてもらえねぇ?」
「はい?まぁ内容によりますが…何でしょう」
「アーネを連れてプクナイムに行く、って事でどうよ?」
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