大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

内容と受諾

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ねじ込んだ。
なにを?こちらの要求を。
学校長も情報漏洩云々だとかなんとか言って拒否しようとしてたけど、俺の回復が出来るのはアーネだけと理解してくれたらしく、万が一が起きた場合の保険として渋々ながら許可してくれた。
「さて、んでまぁ、依頼の内容は…なんだ、生徒の捜索、救援、保護だっけか」
昨日聞いた事だが、一応確認しておく。
「というか、その生徒はどうしてプクナイムに置き去りなんかにされたんだ?普通、中々ないと思うんだが」
プクナイムからなら、頑張ればこちらに来れるし、救援が必要な状況ってのがまた分からん。
「それは…ここでは言えません」
「ふーん。まぁ、なんか後ろめたいことでもなきゃ俺に依頼しねぇわなあ。んで、どんな生徒を探せと?」
名前と容姿、性別ぐらいは欲しいかなー、っと。
すると、学校長の返しはコレ。
「すいません、それも言えません」
「…はぁ?」
俺にどーしろと。
「その、こちらが守秘してるのではなく、知らないので言えないのです」
「知らねぇ生徒をこの学校の生徒って言い張って……うん?これって人攫いとかじゃねーよな?」
もしそうなら流石に拒否するぜ?
人攫いは重罪。数重ねたり、女子供を攫うとさらに重罪に。最悪死刑になる。
「いえ、そうではなく…………西の学校の事をご存知ですか?」
お?事情を喋れねぇんじゃなかったの?
「うん?確か去年だか今年だかに出来たっていううちの学校の分校…だっけ?まぁ中身は似たようなモンなんだろ?」
情報ソースはラウクムくん。アイツ物知りだよなー。
「えぇ、そこが非常に強力な生徒を《捕獲》した、との話を少し小耳に挟みまして。しかし、その生徒がどうやら問題児…らしく、どうしてもその生徒は西の学校では手に負えない、と我が校が…いえ、私が判断を下しました。しかし、都市の方もその生徒を持て余しているらしく、このままだと西の学校が早くも壊滅的ダメージを受ける可能性もあります。ならば、」
「西の学校も手に余ってこっちに譲った…ってか押し付けた、と言うより、秘密裏にこっちが先に確保しちまえって話?
んで、その保護を俺がしろ、と?ってーかそんなに話しちゃって大丈夫なの?」
「そういう事ですね。
事情については、出来れば黙っていたかったのですが、隠しきれる気がしませんでしたし、あなたを納得させた方がメリットがあると判断しました」
ふーん。
「まぁ、わかったよ。出発は?」
「明日の日が登る前に。大急ぎで出てくださいね」
…何でまたいつもこんな急に話を進めるのやら。
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