大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

文字の大きさ
上 下
312 / 2,022
本編

その後と来客

しおりを挟む
アーネから聞いた話を大雑把に纏めると。
そんな訳でお姫様抱っこでキャッチされた俺をアーネが応急処置していく中、ユーリアがぐったりしているルトの襟元を引っ掴んでズリズリとそのまま退出。
ひとまず観客席にいた小便女と一緒に訓練所に常備されている担架で俺を部屋まで運び、寝かせてそのままアーネは看病、小便女は即座に部屋から出ていったらしい。
で、俺は。
「え、何。俺って五日間も気絶してたの?」
「気絶というか、昏睡というか…まぁ、意識がなかったのは確かですわね」
その間、かなり危険な状態だった俺を学校から許可をもらってずっと看ていてくれたんだとか。
「そりゃなんと言うか…助かった。ありがとう」
「……」
「なんだ?」
「い、いえ、なんでもありませんわ」
まぁいいか。話を続けよう。
で、俺が眠りこけてた間に何人か客が来ていたらしい。
誰かってーとラウクムくんとかクアイちゃんとかリーザとか、班のメンバーのお見舞いに、《不動荒野》の二人組とかが来たらしい。
後は。
「え?マジで?」
「えぇ、マジですわ」
二日ほど前に、ユーリアがルトの耳を引っぱりながらこの部屋へ来たらしい。
だが、俺がまだ寝ていると知ると「起きて体調が整ったら伝えてほしい。話があるからな」と言って出ていったらしいが。
さらに。
「学校長まで来ましたわ」
「はぁ?あのケバいババァ直々にィ?」
「ケバ…えぇ、本人が。これはつい昨日の事ですわね」
…うーん。
流石になんと言うか、俺の予想した事が絡んでるなら、早すぎる気がしないでもないが…まぁ、内容が分からないからなんとも言えないか。
「そん時に何か言ってなかったか?」
「こちらも快復したら来るようにとのことでしたので私にはわかりませんわ」
本人が来るぐらいの話なのに快復してから来い、か…。
ヤな予感しかしねぇんだが…。
「ふーん、なら取り敢えず学校行かなき──」
「ダメですわ」
「え?」
「貴女の身体のことは、今なら貴女以上に分かってるつもりですわ。肋骨三本がまだ折れたまま、内臓数箇所が未だ破けたまま、血も若干足りないので治癒力もさらに低下してますの。暫くベッドに固定…そうですわね、最低三日間、面会も謝絶ですわ」
「うん?なんか…」
「どうかしましたの?」
「…なんかお前、回復魔法の力量、上がってねぇ?」
肋骨二本と内臓の位置、その傷を五日間で治せるほど熟練してたっけ?
すると、アーネは再びキッ!と俺を睨みつけた。
「貴女がポンポンぽんぽん怪我してばかりだから嫌でも上がるって話ですわ!!…まぁ、今回はユーリアさんに少し手伝って頂いたのですけど」
「へぇ、アイツ回復魔法使えたのか。万能だな…しかも俺の体質破ってでだろ?」
「そこは私の『圧縮』を使いましたわ。本当は他人の魔法を圧縮するのはかなり危険なんですけれど…」
それぐらいしなきゃヤバかったって事か。
「あと、彼女は回復魔法じゃなくて治癒魔法の使い手ですわよ」
ユーリアさん、マジ万能っすね。
しおりを挟む
1 / 2

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

種族統合 ~宝玉編~

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:481

まほカン

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:32

【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:94

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:127pt お気に入り:666

処理中です...