大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

朝と学長室

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朝起きると、右腕に違和感。
まさか、また折れたかと思って、慌てて見ると、単にアーネが俺の腕を枕にして寝ていただけで、安堵の息を漏らした。
時刻はおそらく朝六時頃。そろそろ支度しないと。
特に、今日は学校長から呼ばれてるから尚更な。
ちなみに、昨晩は特にあの後何もなく、普通に風呂入って寝た。
「おい、アーネ、起きろ」
「うぅん…あと五分…」
などというアーネの頬を軽く叩き、起こしてやる。
身支度を済ませ、朝食を食べた後、いつもより早めに学校へと向かう。
「アーネ、俺は今から学校長に呼ばれてるから、ちょっと先行っててくれねぇ?」
「あら、私も呼ばれてますので、一緒に行きましょうか」
なんだ、こいつも呼ばれてたのか。
「…お前、俺が知らない間に何やらかしたんだ…?」
「待ってくださいまし!何故私が何か事件を起こした事前提なんですの!?」
まぁ、九分九厘俺と同じ理由…今回の失踪関係だとは思うけどな。
などと言いながら二人して学長室の扉を叩き、返事を待たずに開け…ようとしてやめた。
「…ふむ」
「あら?どうしましたの?」
「いやぁ?ちょっとばかし、意趣返しを」
そういいながら、一歩下がり、金剣を取り出す。
「ちょっと!一体何を!」
「ふっ!」
何時ぞやの貴賓室と負けず劣らずの豪華な扉を、回し蹴りでぶち開けてやる。
金剣の効果で羽毛のように軽い身体は、凄まじい勢いで回転、爆音と共に踵が扉に衝突、扉が爆散する。
「何事ですか!」
「よう学校長先生!呼ばれた通り来てやったぞ!」
もちろん、金剣は既に片付けてある。
「な、何故こんな事を!」
「嫌がらせに決まってんじゃん」
だって俺、アンタ嫌いだし。
アーネの捜索を打ち切るってわざわざ俺に嫌味ったらしく言ったのは一生忘れる気は無いぜ?
「全く…とにかく、早く入って下さい」
「おう。アーネ、入ろうぜ」
「…え、えぇ…」
アーネが少し…結構ビクつきながら学長室へと入る。ちなみに俺はいつも通り堂々と。
「どうぞ、そちらへ腰掛けてください」
言われた通りに座り、俺の隣にアーネが座り、これまた豪華なテーブルを挟んだ向こう側に学校長が座る。
「さて、話の内容ですが…何を聞きたいですか?今ならほぼ全てに於いて応えましょう。それが私の義務ですから」
座ったと同時に学校長が口を開いた。
「んじゃあ、まず最初に。なんで俺が讃えられてんの?」
昨日も聞いたこの質問。
学校長はゆっくりと口を開き、答えを出していく。
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