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どうして、ここで事故なんだ?
ドイツの潜水艦と英国の潜水艦の差。
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「ところで、マツモト中尉。」「ん、なんだ。」
「ドイツの潜水艦は、どうなんだ。」と、スツキ機長だ。
「うむ、潜水艦は外観は他国も似てくるものだが・・・」
「我が、英王立海軍の潜水艦はソナーが船首にあるだろう。」
「そうだな。」
「ところが、ドイツのソナーは船首ではないんだ。」
「どこに、あるんだよ。」
「それが、おそらく艦橋と船首の間じゃないかな。」
「それで、ハッチへ救助艇のスカートが完全につかなかったのだ。」
「あ、あ、それで別のハッチをさがしたんだな。」と、納得のスツキ機長だ。
「しかし、なんでだろう。」と、疑問のスツキ機長だ。
普通、潜水艦の聴音器(ソナー)は機関部のモーター音の影響を受けない船首が多いのだ。
「そうだな、おそらく魚雷発射装置の関係じゃないかな。」
「そういえば、ドイツは魚雷で苦労してたな。」と、思い出す。
「電気モーターの失敗したヤツとか・・・」「あの、どこへ行くかわからないヤツか。」
「米国のマーク1よりはマシだがな。」
米国の魚雷は進行方向が曖昧でテンデモシモシなのだ。
潜水艦から発射して、戻ってきて自分の艦へ命中したことがあるのだ。
これは、マジな話だぞ・・・
「ふむ、つまりドイツの潜水艦はソナーが欠点だな。」と、解析するマツモト中尉だ。
なんせ、雑音を拾うからだ。
日本も英国の潜水艦もソナーの位置では苦労した経験があるからだ。
それで、クリステーナ号はソナーを船首の四方4ヶ所に附けて、音の位置や方向を正確に測るようになってるほどなのだ。
マーガレット3号艦も、その改造が終わったばかりだ。
潜水艦にとり、ソナーは目や耳なのだ。
「そういえば、ドイツは機械工業は盛んだが・・・電気や電波や電子機械は不得意だそうだ。」と、マツモト君が聞いた話だ。
電気や、なぜか日本が進んでいる、そして英国も日本からの技術が入ってるから・・・
それなりの電気やソナーの電子技術が進歩しているのだ。
真空管の電極など、繊細で日本人しか作れないだろう・・・
機関員が、「そろそろ充電完了です。」と、報告だ。
「やっとか、では準備しょうか。」と、」マツモト艇長と部下が潜航艇へ乗り込んだ。
「電圧は。」「OKです。」「空気圧。」「正常です。」「では、モーター始動。」
「潜航だ。」「アイサー。」
「残りの16人を救助するそ。」と、潜航艇は海底を目指す。
やがて、ドイツの潜水艦がサーチライトに入る。
「よし、ハッチは後部だぞ。」「あ、あ、それでいい。」
「ガクン。」と、ハッチへスカート部が電磁石で喰っついた音がする。
さすがに、3回目だ。 慣れたものである。
そして、繰り返すこともう最後だ。
「これで、全員だな。」「ダンケ。」と、最後の乗員がいう。
「よし、ドイツの駆逐艦へ浮上だ。」と、海面を目指した。
やがて、救助活動は無事に終了した。
ドイツ駆逐艦とフランス海軍は紛争することなく、別れていった。
そして、救助飛行艇は母港へ・・・
「マツモト艦長は戻ったら、海軍本部へ・・・」と、無線が入る。
「たぶん、今回の件の報告かな・・・」である。
ところが、である。
「なんだって、ドイツの潜水艦をサルベージしろだと。」と、驚くマツモト中尉だ。
「理由を聞きたいが。」と、マツモト中尉だ。
相手は情報部の幹部だ、名前は聞いても答えないだろう・・・
「うむ、あの潜水艦はドイツの技術を知る機会だからだ。」
「ドイツは事故潜水艦をサルベージすることはないだろう。」
「あの、深度では潜水夫では無理だからだ。」
潜水夫とは、空気のパイプをつないで、潜水ヘルメットをかぶり潜水する作業員のことである。
アクアラングが発明される前は、潜水夫が海中の作業をしたものだ。
あまりの深海だと、水圧で空気のパイプが潰れて使えないからだ。
「ドイツが知ったら、タダでは済まないだろう。」と、マツモト君が危惧する。
「いいや、おそこは公海だから海底の沈没船の扱いだから、問題はないぞ。」と、幹部がいう。
「それは、そうだが・・・」「まあ、ドイツに知られるとマズいぞ。」
「だから、君に頼むんだ。」「あの潜航艇なら機械の腕があるからな。」と、言う幹部だ。
「ふむ、ではマーガレツト王女様の許可があれば、やろう。」と、マツモト君がいう。
「わかった、では後日に連絡する。」「あ、そしてアランには内緒で頼むぞ。」と、加える幹部だ。
「アラン君の妻はドイツ貴族だから、知らない方がいいだろう。」「わかった。」
アランはマツモト君のレツだ。
「聞かれたら、言うからな。」と、いうマツモト君だ。
「まあ、そこはそこだ、君に任せるよ。」
数日後に、マーガレツト王女様の認める確約書が届いた。
連名で大叔母様のサインまである。
これでは、文句が言えないマツモト君だ。
作業は夜間に隠密理にである。
護衛の駆逐艦とサルベージしたあとに曳くタグ・ボートが居る。
救助飛行艇が現場へ飛来する。
まだ、ブイは付いたままで場所は判明している。
「とりあえず、ドイツ潜水艦を見てきますよ。」「うむ。」
「潜航だ。」「アイサー。」
「これで、ここで潜航するのは9回目だな。」と、うんざりした顔のマツモト艇長だ。
サートライトが潜水艦を照らす。
あのときの、ままだ。
「よし、牽引ワイヤーを付けるぞ。」
機械の腕を操作して、事故潜水艦へワイヤーを廻す。
30分ほどで完了だ。
「よし、浮上だ。」「アイサー。」
やがて、タグ・ボートがワイヤーを廻して引揚げる。
2隻のタグ・ボートの間に事故潜水艦の艦橋があがってきた。
「よし、そのまま曳いていくぞ。」と、2隻のタグ・ボートでドイツ軍の事故潜水艦をポーツマス軍港沖まで曳いていくようだ。
やがて、夜が明ける・・・ドイツ製の潜水艦が姿を現した・・・
「ドイツの潜水艦は、どうなんだ。」と、スツキ機長だ。
「うむ、潜水艦は外観は他国も似てくるものだが・・・」
「我が、英王立海軍の潜水艦はソナーが船首にあるだろう。」
「そうだな。」
「ところが、ドイツのソナーは船首ではないんだ。」
「どこに、あるんだよ。」
「それが、おそらく艦橋と船首の間じゃないかな。」
「それで、ハッチへ救助艇のスカートが完全につかなかったのだ。」
「あ、あ、それで別のハッチをさがしたんだな。」と、納得のスツキ機長だ。
「しかし、なんでだろう。」と、疑問のスツキ機長だ。
普通、潜水艦の聴音器(ソナー)は機関部のモーター音の影響を受けない船首が多いのだ。
「そうだな、おそらく魚雷発射装置の関係じゃないかな。」
「そういえば、ドイツは魚雷で苦労してたな。」と、思い出す。
「電気モーターの失敗したヤツとか・・・」「あの、どこへ行くかわからないヤツか。」
「米国のマーク1よりはマシだがな。」
米国の魚雷は進行方向が曖昧でテンデモシモシなのだ。
潜水艦から発射して、戻ってきて自分の艦へ命中したことがあるのだ。
これは、マジな話だぞ・・・
「ふむ、つまりドイツの潜水艦はソナーが欠点だな。」と、解析するマツモト中尉だ。
なんせ、雑音を拾うからだ。
日本も英国の潜水艦もソナーの位置では苦労した経験があるからだ。
それで、クリステーナ号はソナーを船首の四方4ヶ所に附けて、音の位置や方向を正確に測るようになってるほどなのだ。
マーガレット3号艦も、その改造が終わったばかりだ。
潜水艦にとり、ソナーは目や耳なのだ。
「そういえば、ドイツは機械工業は盛んだが・・・電気や電波や電子機械は不得意だそうだ。」と、マツモト君が聞いた話だ。
電気や、なぜか日本が進んでいる、そして英国も日本からの技術が入ってるから・・・
それなりの電気やソナーの電子技術が進歩しているのだ。
真空管の電極など、繊細で日本人しか作れないだろう・・・
機関員が、「そろそろ充電完了です。」と、報告だ。
「やっとか、では準備しょうか。」と、」マツモト艇長と部下が潜航艇へ乗り込んだ。
「電圧は。」「OKです。」「空気圧。」「正常です。」「では、モーター始動。」
「潜航だ。」「アイサー。」
「残りの16人を救助するそ。」と、潜航艇は海底を目指す。
やがて、ドイツの潜水艦がサーチライトに入る。
「よし、ハッチは後部だぞ。」「あ、あ、それでいい。」
「ガクン。」と、ハッチへスカート部が電磁石で喰っついた音がする。
さすがに、3回目だ。 慣れたものである。
そして、繰り返すこともう最後だ。
「これで、全員だな。」「ダンケ。」と、最後の乗員がいう。
「よし、ドイツの駆逐艦へ浮上だ。」と、海面を目指した。
やがて、救助活動は無事に終了した。
ドイツ駆逐艦とフランス海軍は紛争することなく、別れていった。
そして、救助飛行艇は母港へ・・・
「マツモト艦長は戻ったら、海軍本部へ・・・」と、無線が入る。
「たぶん、今回の件の報告かな・・・」である。
ところが、である。
「なんだって、ドイツの潜水艦をサルベージしろだと。」と、驚くマツモト中尉だ。
「理由を聞きたいが。」と、マツモト中尉だ。
相手は情報部の幹部だ、名前は聞いても答えないだろう・・・
「うむ、あの潜水艦はドイツの技術を知る機会だからだ。」
「ドイツは事故潜水艦をサルベージすることはないだろう。」
「あの、深度では潜水夫では無理だからだ。」
潜水夫とは、空気のパイプをつないで、潜水ヘルメットをかぶり潜水する作業員のことである。
アクアラングが発明される前は、潜水夫が海中の作業をしたものだ。
あまりの深海だと、水圧で空気のパイプが潰れて使えないからだ。
「ドイツが知ったら、タダでは済まないだろう。」と、マツモト君が危惧する。
「いいや、おそこは公海だから海底の沈没船の扱いだから、問題はないぞ。」と、幹部がいう。
「それは、そうだが・・・」「まあ、ドイツに知られるとマズいぞ。」
「だから、君に頼むんだ。」「あの潜航艇なら機械の腕があるからな。」と、言う幹部だ。
「ふむ、ではマーガレツト王女様の許可があれば、やろう。」と、マツモト君がいう。
「わかった、では後日に連絡する。」「あ、そしてアランには内緒で頼むぞ。」と、加える幹部だ。
「アラン君の妻はドイツ貴族だから、知らない方がいいだろう。」「わかった。」
アランはマツモト君のレツだ。
「聞かれたら、言うからな。」と、いうマツモト君だ。
「まあ、そこはそこだ、君に任せるよ。」
数日後に、マーガレツト王女様の認める確約書が届いた。
連名で大叔母様のサインまである。
これでは、文句が言えないマツモト君だ。
作業は夜間に隠密理にである。
護衛の駆逐艦とサルベージしたあとに曳くタグ・ボートが居る。
救助飛行艇が現場へ飛来する。
まだ、ブイは付いたままで場所は判明している。
「とりあえず、ドイツ潜水艦を見てきますよ。」「うむ。」
「潜航だ。」「アイサー。」
「これで、ここで潜航するのは9回目だな。」と、うんざりした顔のマツモト艇長だ。
サートライトが潜水艦を照らす。
あのときの、ままだ。
「よし、牽引ワイヤーを付けるぞ。」
機械の腕を操作して、事故潜水艦へワイヤーを廻す。
30分ほどで完了だ。
「よし、浮上だ。」「アイサー。」
やがて、タグ・ボートがワイヤーを廻して引揚げる。
2隻のタグ・ボートの間に事故潜水艦の艦橋があがってきた。
「よし、そのまま曳いていくぞ。」と、2隻のタグ・ボートでドイツ軍の事故潜水艦をポーツマス軍港沖まで曳いていくようだ。
やがて、夜が明ける・・・ドイツ製の潜水艦が姿を現した・・・
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