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領海のギリか、少し入ってるかも・・・
微妙な場所だな。
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海の上に領海の線なんて無い。 人間が勝手に決めたことわりだ。
当然、誤差もある。
ドイツの駆逐艦が計測すれば、領海外だろうし・・・フランス側が計測すれば領海内となるものだ。
星が見える夜間ならば六分儀で、それなりに測れるだろうが・・・夜間では無い、現在のようなGPSで、誤差は2メートル程度は無理だ。 まして、レーザー測定器なんて・・・それで、三角測量で計算するか・・・光学距離計で測る程度である。
そして、潜水艦が事故で海底に鎮座している場所はドイツ駆逐艦からフランスよりなのだ。
しかし、救助活動である。
余計な一言だ。 そう、フランス側がチャチャを入れてくるから・・・
ボルドーはワインの産地だが・・・フランス海軍の軍港もあるのだ。
「たぶん、ドイツの試験偵察だろうよ。」と、推察するスツキ機長である。
「では、再度の潜航に移ります。」「あ、あ、了解だ。」
蓄電池を交換して、満タン充電した救助艇は潜航を開始する。
2回目だからか、すんなり事故潜水艦を発見する。
「艦橋の前は、まだ見てなかったな。」と、救助潜水艇4号がサーチライトでハッチを探しながら船体を照らす。
「我がクリステーナより大きな潜水艦だな。」と、思うマツモト中尉だ。
「艇長、ありましたよ。」と、操縦士が示す。
「ふむ、今度は大きさはどうだ。」と、機械の腕を近づける。
「よし、なんとかなりそうだな。」と、機械の腕で、「トン、トン。」と、ハッチを叩いた。
すると、待ってたかのように反応だ。
「よし、救助ハッチのスカートを接続するぞ。」と、機械の腕を操作するマツモト中尉だ。
「ガッシャン。」と、電磁石でスカート部がハッチの外側へ・・・
「ポンプ始動。」「ポンプ始動します。」
「カン、カン、カン。」と、真空ポンプのような音がしてスカート内の海水が排出される。
「よし、開けるぞ。」と、救助潜水艇の救助ハッチを開けるマツモト中尉だ。
「うん、海水は入ってこないな。」と、確認して・・・事故潜水艦のハッチをモールス信号で叩く。
(--- ー・ー)と、英語でOKと叩いた。
すぐに反応があった。 そして、ドイツ側のハッチが開く。
「ダンケ、ダンケ。」と、感謝の言葉だ。
指で、4本を示す。 つまり、4名を最初に救出するということだ。
ドイツ側は、「ウン、ウン。」と、うなづいて・・・
救助区画へ4名のドイツ軍人を乗せる。
「よし、浮上だ。」「アイサー。」
4号救助潜水艇は海面を目指す。
「よし、ドイツの駆逐艦の側だぞ。」と、操縦士へ・・・
飛行艇では、収容人数が限られるからだ。
「潜水艦だ、少なくても50名は乗ってるだろう」と、予想するマツモト中尉である。
つまり、あと約12回は往復しないと・・・
「蓄電池が持つかな?」と、心配になる。
なんせ、充電には時間がかかるからだ。
交換の蓄電池は重いから、1セットしかないのだ。
「1回の救助活動に30分はかかる。」「とても、蓄電池がもたないですね。」と、機関員がいう。
「まあ、仕方がないが、オレ達はできることをするだけだ。」と、マツモト艇長だ。
「艇長、そろそろ交換したほうが。」と、機関員が進言する。
「うむ、わかった、この4人を降ろしてからだな。」と、4回目の救助活動でいう艇長だ。
マツモト君でも、わかるほどモーターの出力が落ちてきたからだ。
「そろそろ、蓄電池を交換したいですが。」と、機長へ・・・
「スツキだ、まだ半分しか充電できてないぞ。」と、飛行艇から音通だ。
潜水母艦で運ぶなら、重い船体でもOKだ。
しかし、飛行艇で運ぶ潜水艇だ。
蓄電池の量が少なくなるのは・・・なんとも、できないのである。
「あと、何人だ?」と、マツモト中尉が聞いた。
ドイツ海軍士官と思しきヤツが、「16人だ。」と、答える。
「あと、4回だ。」「なんとしても充電を急いでくれ。」
「蓄電池に無理な充電は・・・そうだ。」
スツキ機長が無線でドイツ海軍駆逐艦へ・・・
「酸素ボンベが無いか。」と、問い合わせる。
しかし、そんな都合がイイものなんか・・・無いのだ。
「どうするんだ。」と、充電に時間がかかることが、救助人数へ関係してくるとは・・・
「やはり、潜水母艦との連携が。」と、日本との潜水艦会議を思い出すスツキ機長だ。
「いまさら、悔やんでも仕方がないが・・・」と、救助活動がうまく進まないことを懸念するのだ。
「しかし、救助の最中に電池が切れたら・・・ミイラ盗りがミイラだぞ。」
「そうなんだが・・・鉛蓄電池の充電時間は無理はできないからな。」
そうなのだ、過充電は禁物なのだ。
水素が発生するから、充電は火気厳禁だ。
飛行艇は8発のエンジンをアイドル運転して、救助潜水艇の蓄電池を充電しているのである。
鉛造電池は充電しながらでも使える、スグレ物なのだが・・・
あまりの過充電は危険だからである。
「まだ、水温が低くないから。」
「これが、冬季なら寒いから蓄電池の性能が落ちるからな。」
と、マツモト艇長がいう。
EV(電気自動車)の走行距離が冬季は半分ほどに・・・なるらしい。
充電電池は、寒さに弱いのだ。(乾電池もそうだ。)
マツモト君は潜水艦の艦長だが、そのおかげで充電電池に関してはかなりの知識を得ているのである。
「そうだ、ドイツ側へ救助艇の蓄電池の充電中だから救助活動が遅れると・・・」
「そうだな、言っておいた方がいいようだ。」と、無線をドイツ海軍の駆逐艦へ入れるスツキ機長だ。
「まあ、ある程度は救助したから、その分の酸素は浮くから残りの16人には待機してもらうさ。」と、マツモト艇長がいう。
「まあ、あわてても・・・なんともならんからな。」と、結論だ。
当然、誤差もある。
ドイツの駆逐艦が計測すれば、領海外だろうし・・・フランス側が計測すれば領海内となるものだ。
星が見える夜間ならば六分儀で、それなりに測れるだろうが・・・夜間では無い、現在のようなGPSで、誤差は2メートル程度は無理だ。 まして、レーザー測定器なんて・・・それで、三角測量で計算するか・・・光学距離計で測る程度である。
そして、潜水艦が事故で海底に鎮座している場所はドイツ駆逐艦からフランスよりなのだ。
しかし、救助活動である。
余計な一言だ。 そう、フランス側がチャチャを入れてくるから・・・
ボルドーはワインの産地だが・・・フランス海軍の軍港もあるのだ。
「たぶん、ドイツの試験偵察だろうよ。」と、推察するスツキ機長である。
「では、再度の潜航に移ります。」「あ、あ、了解だ。」
蓄電池を交換して、満タン充電した救助艇は潜航を開始する。
2回目だからか、すんなり事故潜水艦を発見する。
「艦橋の前は、まだ見てなかったな。」と、救助潜水艇4号がサーチライトでハッチを探しながら船体を照らす。
「我がクリステーナより大きな潜水艦だな。」と、思うマツモト中尉だ。
「艇長、ありましたよ。」と、操縦士が示す。
「ふむ、今度は大きさはどうだ。」と、機械の腕を近づける。
「よし、なんとかなりそうだな。」と、機械の腕で、「トン、トン。」と、ハッチを叩いた。
すると、待ってたかのように反応だ。
「よし、救助ハッチのスカートを接続するぞ。」と、機械の腕を操作するマツモト中尉だ。
「ガッシャン。」と、電磁石でスカート部がハッチの外側へ・・・
「ポンプ始動。」「ポンプ始動します。」
「カン、カン、カン。」と、真空ポンプのような音がしてスカート内の海水が排出される。
「よし、開けるぞ。」と、救助潜水艇の救助ハッチを開けるマツモト中尉だ。
「うん、海水は入ってこないな。」と、確認して・・・事故潜水艦のハッチをモールス信号で叩く。
(--- ー・ー)と、英語でOKと叩いた。
すぐに反応があった。 そして、ドイツ側のハッチが開く。
「ダンケ、ダンケ。」と、感謝の言葉だ。
指で、4本を示す。 つまり、4名を最初に救出するということだ。
ドイツ側は、「ウン、ウン。」と、うなづいて・・・
救助区画へ4名のドイツ軍人を乗せる。
「よし、浮上だ。」「アイサー。」
4号救助潜水艇は海面を目指す。
「よし、ドイツの駆逐艦の側だぞ。」と、操縦士へ・・・
飛行艇では、収容人数が限られるからだ。
「潜水艦だ、少なくても50名は乗ってるだろう」と、予想するマツモト中尉である。
つまり、あと約12回は往復しないと・・・
「蓄電池が持つかな?」と、心配になる。
なんせ、充電には時間がかかるからだ。
交換の蓄電池は重いから、1セットしかないのだ。
「1回の救助活動に30分はかかる。」「とても、蓄電池がもたないですね。」と、機関員がいう。
「まあ、仕方がないが、オレ達はできることをするだけだ。」と、マツモト艇長だ。
「艇長、そろそろ交換したほうが。」と、機関員が進言する。
「うむ、わかった、この4人を降ろしてからだな。」と、4回目の救助活動でいう艇長だ。
マツモト君でも、わかるほどモーターの出力が落ちてきたからだ。
「そろそろ、蓄電池を交換したいですが。」と、機長へ・・・
「スツキだ、まだ半分しか充電できてないぞ。」と、飛行艇から音通だ。
潜水母艦で運ぶなら、重い船体でもOKだ。
しかし、飛行艇で運ぶ潜水艇だ。
蓄電池の量が少なくなるのは・・・なんとも、できないのである。
「あと、何人だ?」と、マツモト中尉が聞いた。
ドイツ海軍士官と思しきヤツが、「16人だ。」と、答える。
「あと、4回だ。」「なんとしても充電を急いでくれ。」
「蓄電池に無理な充電は・・・そうだ。」
スツキ機長が無線でドイツ海軍駆逐艦へ・・・
「酸素ボンベが無いか。」と、問い合わせる。
しかし、そんな都合がイイものなんか・・・無いのだ。
「どうするんだ。」と、充電に時間がかかることが、救助人数へ関係してくるとは・・・
「やはり、潜水母艦との連携が。」と、日本との潜水艦会議を思い出すスツキ機長だ。
「いまさら、悔やんでも仕方がないが・・・」と、救助活動がうまく進まないことを懸念するのだ。
「しかし、救助の最中に電池が切れたら・・・ミイラ盗りがミイラだぞ。」
「そうなんだが・・・鉛蓄電池の充電時間は無理はできないからな。」
そうなのだ、過充電は禁物なのだ。
水素が発生するから、充電は火気厳禁だ。
飛行艇は8発のエンジンをアイドル運転して、救助潜水艇の蓄電池を充電しているのである。
鉛造電池は充電しながらでも使える、スグレ物なのだが・・・
あまりの過充電は危険だからである。
「まだ、水温が低くないから。」
「これが、冬季なら寒いから蓄電池の性能が落ちるからな。」
と、マツモト艇長がいう。
EV(電気自動車)の走行距離が冬季は半分ほどに・・・なるらしい。
充電電池は、寒さに弱いのだ。(乾電池もそうだ。)
マツモト君は潜水艦の艦長だが、そのおかげで充電電池に関してはかなりの知識を得ているのである。
「そうだ、ドイツ側へ救助艇の蓄電池の充電中だから救助活動が遅れると・・・」
「そうだな、言っておいた方がいいようだ。」と、無線をドイツ海軍の駆逐艦へ入れるスツキ機長だ。
「まあ、ある程度は救助したから、その分の酸素は浮くから残りの16人には待機してもらうさ。」と、マツモト艇長がいう。
「まあ、あわてても・・・なんともならんからな。」と、結論だ。
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