大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
357 / 380
シュリーマンの抵抗

どこに、逃げたのだ。

しおりを挟む
 独逸帝国の首都ベルリンの今日の朝は、晴れていた。 
鳥がチュン、チュン、と鳴き(朝チュンではない。)少しつづ、毎日の動きが始まる。 
 今日も・・・・と突然、空襲警報か・サイレンが立て続けに鳴る。 
すわ、敵の空襲か、市民は自宅のラジオや、最近売り出したテレビを点ける。 
 街灯の広報拡声器も、しゃべりだした。 
「市民の皆さん、我が帝国のロンメロ将軍は戒厳令を発令しました、それぞれ自宅か、しかるべき場所で待機してください。 繰り返します・・・・」 
 ラジオやテレビからも、同じ文面をアナウンサーが読み上げる。 
独逸帝国内で、その戒厳令を聞いて、一番・驚いたのは ゲシュタポの連中だ。 
 シュリーマン総帥は熟睡だ。昨夜は遅くまで起きてたからか、熟睡していたのである。 (寝るとき秘書がミルクを・・・)それには、熟睡する睡眠薬入りである。 
 昨夜、遅くにロンメロから指令を受けたシュリーマンの秘書(フローラだ。)のしわざだ。 
そして、ロンメロはまずゲシュタポ司令部に足を運んだ。 
 ゲシュタポ司令部は、いつの間にかロンメロ軍団のV型戦車に囲まれていた。 
いかに、ゲシュタポが粛清などの威力があっても、それはヒト相手であり、軍隊の新型戦車では、歯が立たないのだ。 
 蟻の這い出るスキマもないほどV型戦車75ミリ砲に囲まれては、いかにゲシュタポといえども・・・・だ。 
ロンメロはゲシュタポ司令官に、ゲッペルン総帥暗殺の証拠を突きつける。 
 「まさか、あなたまで、カンではいないでしょうな。」 
「私は知らない、聞いてはいない、本当だ、ロンメロ信じてくれ。」 
 もう、必死のゲシュタポ司令だ。 
ロンメロは本気だ。 
 ゲシュタポ司令は悟る。 
否なら、ここで殺される。 
 だれも命は惜しい、特に今まで散々暗殺などやってきたヤツほど、自身の命が惜しいのだ。 
ロンメロはゲシュタポ司令官の糾弾は、ある程度でヤメにしたのだ。 
 こちらを裏切れないほど脅せばいいのである。 
敵はシュリーマンひとりだ。 
 取り巻きは、かんたんに裏切るだろうから敵は少ないほうがいいのである。 
ゲシュタポを黙らせたロンメロは総帥官邸へ急ぐ。 
 玄関にはフローラが待っていた。 
 「こちらです、見張りをドアに張りつけてあります。」 
「でかしたぞ。」 ロンメロは総帥寝所へいぞぐ。 
シュリーマンを確保すれば・・・・・ 
 ドアには数人の憲兵が、ロンメロを確認すると、敬礼する。 
「ごくろう。」とロンメロ将軍、 憲兵が合鍵でドアを開ける。 
 拳銃片手にロンメロは部屋に飛び込んだ。 
「いないぞ。」とロンメロ。 「そんなはずは・・・・」フローラが驚いた、先ほど確認したらシュリーマンは熟睡したいたはずだ。  
 フローラが、「あっ、・・・」と、暖炉を指差した。 
暖炉の奥に穴が開いている。 
 「非常脱出口か。」 ロンメロは確認する。 
敵もサルもの、ひっかくものだ。 
 秘書である、フローラも知らない、脱出口を作っていたのだ。 
ロンメロは、甘かったと仇を逃がしたことを悔しがる。 
 しかし、悔しがっていても始まらないのだ。 
脱出口は中の坑道が崩されて、追跡できないようになっていた。 
 「非常線を張れ。」 憲兵らにロンメロは指令する。 
もう、うかうかできない、ソ連へシュリーマンは必ず逃げるだろう。 
 そこまでの、非常線で必ずやシュリーマンを確保するのだ・・・ロンメロは部下に非常線の位置など指令して、猫の子一匹、這い出るスキも作らせなかったのだ。 
 シュリーマンVSロンメロは・・・果たして確保できるか、逃走されるのか。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ
歴史・時代
 大東亜戦争よ有利にの2期創作のつもりです。 時代は昭和20年ころです。 開戦を回避してからのラノベです。

満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ
歴史・時代
 満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。 

B29を撃墜する方法。

ゆみすけ
歴史・時代
 いかに、空の要塞を撃ち落とすか、これは、帝都防空隊の血と汗の物語である。

零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ
歴史・時代
 ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・

出撃!特殊戦略潜水艦隊

ノデミチ
歴史・時代
海の狩人、潜水艦。 大国アメリカと短期決戦を挑む為に、連合艦隊司令山本五十六の肝入りで創設された秘匿潜水艦。 戦略潜水戦艦 伊号第500型潜水艦〜2隻。 潜水空母   伊号第400型潜水艦〜4隻。 広大な太平洋を舞台に大暴れする連合艦隊の秘密兵器。 一度書いてみたかったIF戦記物。 この機会に挑戦してみます。

土方歳三ら、西南戦争に参戦す

山家
歴史・時代
 榎本艦隊北上せず。  それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。  生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。  また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。  そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。  土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。  そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。 (「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です) 

西涼女侠伝

水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超  舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。  役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。  家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。  ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。  荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。  主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。  三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)  涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。

日本が危機に?第二次日露戦争

歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。 なろう、カクヨムでも連載しています。

処理中です...