356 / 380
独逸帝国の内紛
ロンメロ将軍立つⅡ
しおりを挟む
ロンメロは陸軍基地へ帰った。
従卒に、「近衛連隊まで。」と伝える。
ロンメロ将軍のクルマは本来リムジンではない。
現在は戦闘指揮車である。
6輪駆動の独逸帝国自動車技術の粋を集めて作られた戦闘車である。
独逸帝国陸軍旗をたなびかせて車は進む。
戦闘指揮車であるから、とうぜん無線機は出力が、でかいものが装備されていた。
なんと、出力100ワットだ。
普通、無線車の無線機は出力10ワットあればいいほうだ。(パトカーなど、そんなものだ。)
いかに、すごいかだ。
近衛連隊の守衛が直立不動で敬礼するなかを、近衛連隊宿舎前に止まる。
バウム、と重厚な音でハッチが開いた。
ロンメロ将軍は遠慮なく宿舎に入る。
ちょうど、朝の点呼の時間だった。
ロンメロは点呼の指揮をとっていた連隊長へ、手で合図だ。
連隊長に耳打ちした。
「ただいまから、ロンメロ将軍の訓示がある、傾聴せよ。」と連隊長が冷や汗まじりに・・・
「ロンメロだ、我が、独逸帝国の復興はだれが?」
前にいた近衛の幹部が、「ゲッペルン総帥であらします。」 少しカンだ。
「うむ、そのとうりだ、しかしゲッペルン総帥は亡くなられた。」 空を見上げて涙ぐむロンメロだ。
「それが、暗殺だとしたら、どうする?」 近衛連隊全員がざわつく。
かりにも、将軍の言葉である、ウソなどではない。
「オレは仇を取る。」
ロンメロは右手を上げて、握りこぶしを作った。
「シュミットはいるか。」 「ハイ。」
シュミット少尉が前にでた。
「君と、その仲間は、オレの指揮下に入れ、他の者は指示あるまで待機。」
「1時間後に戒厳令をだす。」
「新聞社と放送局を押さえろ。」
「この、写真を複写して号外を出させろ。」
「海軍と飛行軍は、お前達が押さえろ。」
「陸軍第3軍は総帥府を囲め。」
「シュリーマン総帥はオレが押さえる。」 次々と指令が飛ぶ。
遅ければクーデターは失敗するのだ。
勢いがあるうちに、放送局や新聞社を押さえて、シュリーマンを確保すれば、なんとかなるやもしれん。
ロンメロは勝負に出たのだ。
躊躇していては、機会を逃すし、ゲッペルン総帥の仇なぞ取れない。
ロンメロはシュリーマンの秘書(ロンメロのスパイだ。)にも密かに連絡を取り、現在シュリーマンが居るところを把握していたのだ。
シュミットは、近衛連隊の仲間と、それぞれ班を作り、新聞社や放送局へ。
ロンメロは、「いいか、抵抗したとしても独逸帝国民だ、なるべく殺傷は控えるように、ただ自己防衛は別だ。」 と指令する。
そして、戦闘指揮車が司令塔となる。
日頃から訓練に明け暮れていたロンメロの部下にとり、クーデターなど容易なことであった。
それも、ゲッペルン総帥の仇を取るのだ、正義は我にありだ。
風は、ロンメロ将軍に吹いたのである。 (蛇足だが、警察や役所もロンメロの部下が押さえた。 つまりアサルトライフルを持った軍人が制圧するのである。)
従卒に、「近衛連隊まで。」と伝える。
ロンメロ将軍のクルマは本来リムジンではない。
現在は戦闘指揮車である。
6輪駆動の独逸帝国自動車技術の粋を集めて作られた戦闘車である。
独逸帝国陸軍旗をたなびかせて車は進む。
戦闘指揮車であるから、とうぜん無線機は出力が、でかいものが装備されていた。
なんと、出力100ワットだ。
普通、無線車の無線機は出力10ワットあればいいほうだ。(パトカーなど、そんなものだ。)
いかに、すごいかだ。
近衛連隊の守衛が直立不動で敬礼するなかを、近衛連隊宿舎前に止まる。
バウム、と重厚な音でハッチが開いた。
ロンメロ将軍は遠慮なく宿舎に入る。
ちょうど、朝の点呼の時間だった。
ロンメロは点呼の指揮をとっていた連隊長へ、手で合図だ。
連隊長に耳打ちした。
「ただいまから、ロンメロ将軍の訓示がある、傾聴せよ。」と連隊長が冷や汗まじりに・・・
「ロンメロだ、我が、独逸帝国の復興はだれが?」
前にいた近衛の幹部が、「ゲッペルン総帥であらします。」 少しカンだ。
「うむ、そのとうりだ、しかしゲッペルン総帥は亡くなられた。」 空を見上げて涙ぐむロンメロだ。
「それが、暗殺だとしたら、どうする?」 近衛連隊全員がざわつく。
かりにも、将軍の言葉である、ウソなどではない。
「オレは仇を取る。」
ロンメロは右手を上げて、握りこぶしを作った。
「シュミットはいるか。」 「ハイ。」
シュミット少尉が前にでた。
「君と、その仲間は、オレの指揮下に入れ、他の者は指示あるまで待機。」
「1時間後に戒厳令をだす。」
「新聞社と放送局を押さえろ。」
「この、写真を複写して号外を出させろ。」
「海軍と飛行軍は、お前達が押さえろ。」
「陸軍第3軍は総帥府を囲め。」
「シュリーマン総帥はオレが押さえる。」 次々と指令が飛ぶ。
遅ければクーデターは失敗するのだ。
勢いがあるうちに、放送局や新聞社を押さえて、シュリーマンを確保すれば、なんとかなるやもしれん。
ロンメロは勝負に出たのだ。
躊躇していては、機会を逃すし、ゲッペルン総帥の仇なぞ取れない。
ロンメロはシュリーマンの秘書(ロンメロのスパイだ。)にも密かに連絡を取り、現在シュリーマンが居るところを把握していたのだ。
シュミットは、近衛連隊の仲間と、それぞれ班を作り、新聞社や放送局へ。
ロンメロは、「いいか、抵抗したとしても独逸帝国民だ、なるべく殺傷は控えるように、ただ自己防衛は別だ。」 と指令する。
そして、戦闘指揮車が司令塔となる。
日頃から訓練に明け暮れていたロンメロの部下にとり、クーデターなど容易なことであった。
それも、ゲッペルン総帥の仇を取るのだ、正義は我にありだ。
風は、ロンメロ将軍に吹いたのである。 (蛇足だが、警察や役所もロンメロの部下が押さえた。 つまりアサルトライフルを持った軍人が制圧するのである。)
0
お気に入りに追加
299
あなたにおすすめの小説
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
零式輸送機、満州の空を飛ぶ。
ゆみすけ
歴史・時代
ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・
出撃!特殊戦略潜水艦隊
ノデミチ
歴史・時代
海の狩人、潜水艦。
大国アメリカと短期決戦を挑む為に、連合艦隊司令山本五十六の肝入りで創設された秘匿潜水艦。
戦略潜水戦艦 伊号第500型潜水艦〜2隻。
潜水空母 伊号第400型潜水艦〜4隻。
広大な太平洋を舞台に大暴れする連合艦隊の秘密兵器。
一度書いてみたかったIF戦記物。
この機会に挑戦してみます。
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
日本が危機に?第二次日露戦争
杏
歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。
なろう、カクヨムでも連載しています。
架空戦記 旭日旗の元に
葉山宗次郎
歴史・時代
国力で遙かに勝るアメリカを相手にするべく日本は様々な手を打ってきた。各地で善戦してきたが、国力の差の前には敗退を重ねる。
そして決戦と挑んだマリアナ沖海戦に敗北。日本は終わりかと思われた。
だが、それでも起死回生のチャンスを、日本を存続させるために男達は奮闘する。
カクヨムでも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる