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侮りがたし独逸帝国
独逸帝国ミサイル潜水艦の性能
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海軍工廠から、総理に連絡だ。 独逸帝国ミサイル潜水艦が修理されて、運用可となったらしい。 「うむ、時間を都合して検分には立ち会おう。」 「了解です、では基地でお持ちしています。」 電話が切れた。 本日の午後からの会議を先延ばしして時間を作った総理だ。(会議は野党からの軍事費の削減要求だ、先延ばしする案件だ。) 人間、年を取ると腹黒くなるもんだ。 米、英国に兵器を売って、かなり軍事費は減らしてきたのだ。 まだ、お代わりを要求する特亜みたいな、野党だ。 シナが軍備を増強するから、増える日本の軍事予算だ。 長期政権で駆け引きに慣れた総理だった。 さて、海底軍艦ドックから独逸潜水艦が試験航行に出た。 水没した電子機器は同じ性能で作りなおした。 さらにミサイルも深海で海水に浸ったので、固形燃料など入れ替えたのだ。 テストは無線操縦の月光を使った。 無人機だ。 まだ対ミサイル装備の無い旧型機体と対ミサイル装備つき新型機体で試した。 駆逐艦から検分の総理らと技術者達だ。 実験はとうぜん、非公開で極秘実験だ。 まわりは哨戒艇で警戒する。 ミサイル潜水艦に旧型月光が数キロに近づく。 すると追尾レーダーが廻りだした。 背中のコブが開く。 ミサイル発射だ。 ミサイルは対ミサイル装備ない旧型月光の胴体に命中した。 爆散する月光だ。 さて、次のミサイルをカタパルトに補充する。 これは、人力だ。 今度は対ミサイル装備の新型月光だ。 とうぜん、無線操縦だ。 今度もミサイルは自動で発射だ。 今度はチャフ(細かい金属箔で、追尾レーダーをだます。)と閃光弾(フレア、赤外線探知をだます。)で、ミサイルが翻弄されて爆発した。 月光はミサイルを回避できた。 実際、赤外線感知ミサイルは電波など出しているわけではない。 探知が不可能に近い。 で、攻撃されそうなら、事前にフレアを出しながら爆弾投下することが多い。 フレアは金属のマグネシュウムのカタマリで燃えやすい、赤外線を出しながら燃える。 1個ではなく数個、放出するのだ。 ダマしは多いほうが効果はあるのだ。 しかし、完全にミサイルを防げるものでも無い。 これは、現在の現実の戦闘でもそうだ。 あとは、潜航性能とかデーゼル機関の性能、艦の潜航限界の性能など検分した。 結果は、脅威なのはミサイルと、その電子装置であり、相手を特定するレーダーも優秀である。 また、艦の潜航限界深度も270メートルと侮りがたい。 速度は海中8ノットで連続90分と電池の性能も悪くない。3ノットでゆっくり使うと3日間もつのだ。 シナに渡したのがこの性能としたら、独逸帝国の最新型は十分に脅威となりうる、との技術者連中の意見であった。 このミサイル潜水艦が大量生産されれば油断できない相手だ。 海底軍艦は大量生産は無理だ。(3隻が、せいいっぱいだ。) 独逸帝国は通商破壊作戦で潜水艦を使うのが日本軍、軍令部の予想であった。 このミサイル潜水艦が大量に大西洋に繰り出せば英国や米国に脅威を十分与えられるだろう。 しかし、それは絶対に防がねばならない。 米国や英国に対ミサイル潜水艦の作戦や駆逐艦の運用方法、 物資を運ぶ輸送船を守る兵器を開発せねばなるまい。 独逸帝国に抑止力となる兵器が必要だ。
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