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贈り物
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翌日、疲れが溜まっていたせいか、二人はぐっすりと眠ってしまい、目を覚ました時には昼になっていた。先に起きたシリウスの隣では彼女がまだ眠っている。無理もない、昨夜はあんなにも激しく愛し合ったのだから。
ベッドの上でシーツに包まり、幸せそうに眠るアステルの姿はまるで妖精のように美しい。彼女のそばにいつもいることが嬉しく思う反面、やはり、こんな自分が独占していてもいいのかと不安になる。起こさないようにベッドから抜け出すとシャワーを浴びてから朝食の準備に取り掛かった。
硬いパンを薄く切ってベーコンと卵を焼いて皿に盛り付け、ホットミルクをカップに入れてそれぞれをテーブルに置くとまだ夢の世界にいるアステルを起こしにかかった。
「アステル、起きろ」
「ふぁい……」
まだ完全に覚醒していないのか、アステルはぼんやりとした様子であくびを漏らした。その様子を見て思わず笑ってしまう。
「もうお昼だぞ」
「んぅ……お、お昼!?やだ、ごめんなさい。すぐにご飯を作るから……」
「俺が作ったから、すぐにシャワーを浴びてこい」
慌てて起き上がると自分が裸であることに気づき、アステルは顔を真っ赤にしてシーツで体を隠しながらバスルームへ駆け込んでいった。
そして二人は遅めの昼食を取り、食後に紅茶を飲みながら話を始めた。紅茶はアステルのお手製で、昨日の疲れを癒やす効果があるものを選んだ。
「今日は道具屋に行かなくても平気か?」
「ええ、今日は家で薬を作るわ。この前、採って来てもらった薬草を使って新しい薬を作ってみるつもりなの」
薬について話しているアステルの顔は輝いており、よほど楽しみにしていることが伺える。
「オーガゴートを倒した時の報酬だ。貰ってくれ」
そして頃合いを見て、シリウスは金貨の入った袋を差し出した。中身はかなりの額であり、初めて見る袋いっぱいの金貨の多さにアステルは目を丸くしてを彼の方に押し返した。
「これはシリウスのお金よ。あなたが使って……ほら、装備とか」
「……ならこっちは受け取ってくれ」
意地でも受け取ろうとしない彼女に対して今度は手のひらよりも少し大きめの綺麗な白い箱を渡すとアステルは不思議に思いながらもそれを開けたら、そこにはペンダントが入っていた。
「わぁ、綺麗……これ、どうしたの?」
「……プレゼントだ。いつも世話になってるからな」
もしかして迷惑だったのであろうかと不安になるシリウスだったが、アステルは笑顔を見せながら早速、身に着けてくれた。
「ありがとう。シリウスと同じ瞳の色……とっても素敵」
選んだペンダントの宝石はサファイアではなくルビーにした。彼女に似合うことよりも自分と同じ瞳の色を身に着けてほしい、と独占欲を優先してしまったのだが胸元に光る赤い宝石は白い肌によく映えており、その姿に見とれてしまうほどによく似合っているが、宝石よりも彼女の方がずっと美しく見えた。
◆
それから二人と一匹はこの集落で秘密が見つかることに怯えつつも平穏な日々を過ごしていくのであったが、そんな儚い幸せは長くは続かなかった。
アステルが体調を崩すことが増えてきたのだ。良くなったかと思えばまたすぐに体調を崩し、吐き気がある、腹痛がするといった症状が出ることが増えてきた。
そんな彼女を気遣い、シリウスが家のことを全部やるようになっていた。食材はできるだけ森で調達し、足りないものは森から出て近くの村や町まで買い出しに行く。どんなに不便でもアステルのためなら苦ではなかった。むしろ彼女のためならばなんでもするつもりだ。
「ごめんなさい……私のせいで……」
ある雨の日、ベッドで体を温めながら横になっているアステルは申し訳なさそうな顔をして謝ってきた。昨日は良くなったはずなのだが、今日はまた調子が悪いようで苦しそうな表情を浮かべている。
「気にしなくていい。それより何か食うか?なんでもいいから口にしてくれ」
「……じゃあ、果物……オレンジが食べたいな……」
シリウスが優しく声をかけるとアステルは小さく頷いた。具合が悪くなってからは果物をよく食べていたので常に家には多めに、種類も豊富にして置いている。シリウスは皮を剥いて食べやすく切り分けたオレンジをスプーンに乗せて口に入れてやると彼女は「美味しい」と言って笑顔を見せてくれた。その笑みを見てシリウスが一安心した、その時だった。
「アステル!アステル!」
「私、出てくる」
外からドアを叩くヒステリックな女の声が聞こえ、シリウスは居留守を使った方がいいと判断をしてアステルの耳を塞いだが彼女はシリウスの手をどけて玄関の方へと向かってしまった。人前に出ることのできない歯痒さに堪えながらシリウスはアステルが戻ってくるのを待つことしかできなかった。
ケープを羽織り、扉を開けた先には雨でずぶ濡れになったエルフ女性がいた。酷く焦って走って来たのか、息を切らせながらアステルを睨み付けると泣きながら彼女に掴みかかる。
「レイア!レイアはここに来てなかった!?」
レイアとはこの前、家の前でアステルと仲良く会話をしていた幼いエルフの少女だ。彼女がどうしたというのだろうか。
「レイアは来てないけど……何かあったの?」
「今朝からレイアが家に帰ってこないの!」
嫌な予感が頭を過り、アステルは戸惑いながらも事情を聞くとレイアの母は涙をこぼしながら叫ぶ。こんな雨が強い日に外に出れば風邪を引いてしまうだろう。それにまだ小さい子供だ。もしも森になんか入ってしまえば迷子になってしまうかもしれない。
「アステルが最近元気がないからお花をあげるって言っていたのよ!?あの子に何かあったらアンタのせいだから!!」
母親の悲痛な叫びを聞きながらアステルは頭を強くぶたれたような感覚に襲われた。自分のせいだと、自分が悪いんだと思い込んでしまい、思わずその場に崩れ落ちそうになるがなんとか扉を支えにして耐えきった。
「ごめんなさい……私も探しに行きます」
「そんな体の人に何ができるというの?余計な事をしないでちょうだい」
そう睨みつけながら言い捨ててレイアの母は足早に去って娘を探しに行った。残されたアステルは呆然と立ち尽くしていたが、後ろから来たシリウスが扉を閉めるとハッとして顔を上げる。
「……俺が行く」
「ダ、ダメ。他のエルフみんなレイアを探しているからあなたの存在が知られたら……」
動揺をする彼女を支え歩いて椅子にそっと座らせるとシリウスは立ち上がった。
「大丈夫だ」
「お願い……行かないで」
アステルは必死にシリウスの腕を掴み引き留めようとするが彼は首を横に振ってそれをやんわりと振り払う。
「レイアは俺が必ず見つける。お前は何も心配するな」
「……絶対にシリウスもレイアも無事に帰って来て……ごめんなさい……」
観念したように俯く彼女の言葉を聞いてシリウスは力強く頷くと、頭を撫でてから森へ行く準備をするために部屋に戻った。森の中で目立たない深緑色のフード付き外套を身に着け、槍を片手に持ち、腰には薬が入った小型のバッグを身に着け、準備を終えたシリウスは辺りを気にしながらフードを深く被って急いで家を飛び出して行った。
その後ろ姿をアステルは窓から寂しそうに見送っていた。それが最後になるとは知らずに
ベッドの上でシーツに包まり、幸せそうに眠るアステルの姿はまるで妖精のように美しい。彼女のそばにいつもいることが嬉しく思う反面、やはり、こんな自分が独占していてもいいのかと不安になる。起こさないようにベッドから抜け出すとシャワーを浴びてから朝食の準備に取り掛かった。
硬いパンを薄く切ってベーコンと卵を焼いて皿に盛り付け、ホットミルクをカップに入れてそれぞれをテーブルに置くとまだ夢の世界にいるアステルを起こしにかかった。
「アステル、起きろ」
「ふぁい……」
まだ完全に覚醒していないのか、アステルはぼんやりとした様子であくびを漏らした。その様子を見て思わず笑ってしまう。
「もうお昼だぞ」
「んぅ……お、お昼!?やだ、ごめんなさい。すぐにご飯を作るから……」
「俺が作ったから、すぐにシャワーを浴びてこい」
慌てて起き上がると自分が裸であることに気づき、アステルは顔を真っ赤にしてシーツで体を隠しながらバスルームへ駆け込んでいった。
そして二人は遅めの昼食を取り、食後に紅茶を飲みながら話を始めた。紅茶はアステルのお手製で、昨日の疲れを癒やす効果があるものを選んだ。
「今日は道具屋に行かなくても平気か?」
「ええ、今日は家で薬を作るわ。この前、採って来てもらった薬草を使って新しい薬を作ってみるつもりなの」
薬について話しているアステルの顔は輝いており、よほど楽しみにしていることが伺える。
「オーガゴートを倒した時の報酬だ。貰ってくれ」
そして頃合いを見て、シリウスは金貨の入った袋を差し出した。中身はかなりの額であり、初めて見る袋いっぱいの金貨の多さにアステルは目を丸くしてを彼の方に押し返した。
「これはシリウスのお金よ。あなたが使って……ほら、装備とか」
「……ならこっちは受け取ってくれ」
意地でも受け取ろうとしない彼女に対して今度は手のひらよりも少し大きめの綺麗な白い箱を渡すとアステルは不思議に思いながらもそれを開けたら、そこにはペンダントが入っていた。
「わぁ、綺麗……これ、どうしたの?」
「……プレゼントだ。いつも世話になってるからな」
もしかして迷惑だったのであろうかと不安になるシリウスだったが、アステルは笑顔を見せながら早速、身に着けてくれた。
「ありがとう。シリウスと同じ瞳の色……とっても素敵」
選んだペンダントの宝石はサファイアではなくルビーにした。彼女に似合うことよりも自分と同じ瞳の色を身に着けてほしい、と独占欲を優先してしまったのだが胸元に光る赤い宝石は白い肌によく映えており、その姿に見とれてしまうほどによく似合っているが、宝石よりも彼女の方がずっと美しく見えた。
◆
それから二人と一匹はこの集落で秘密が見つかることに怯えつつも平穏な日々を過ごしていくのであったが、そんな儚い幸せは長くは続かなかった。
アステルが体調を崩すことが増えてきたのだ。良くなったかと思えばまたすぐに体調を崩し、吐き気がある、腹痛がするといった症状が出ることが増えてきた。
そんな彼女を気遣い、シリウスが家のことを全部やるようになっていた。食材はできるだけ森で調達し、足りないものは森から出て近くの村や町まで買い出しに行く。どんなに不便でもアステルのためなら苦ではなかった。むしろ彼女のためならばなんでもするつもりだ。
「ごめんなさい……私のせいで……」
ある雨の日、ベッドで体を温めながら横になっているアステルは申し訳なさそうな顔をして謝ってきた。昨日は良くなったはずなのだが、今日はまた調子が悪いようで苦しそうな表情を浮かべている。
「気にしなくていい。それより何か食うか?なんでもいいから口にしてくれ」
「……じゃあ、果物……オレンジが食べたいな……」
シリウスが優しく声をかけるとアステルは小さく頷いた。具合が悪くなってからは果物をよく食べていたので常に家には多めに、種類も豊富にして置いている。シリウスは皮を剥いて食べやすく切り分けたオレンジをスプーンに乗せて口に入れてやると彼女は「美味しい」と言って笑顔を見せてくれた。その笑みを見てシリウスが一安心した、その時だった。
「アステル!アステル!」
「私、出てくる」
外からドアを叩くヒステリックな女の声が聞こえ、シリウスは居留守を使った方がいいと判断をしてアステルの耳を塞いだが彼女はシリウスの手をどけて玄関の方へと向かってしまった。人前に出ることのできない歯痒さに堪えながらシリウスはアステルが戻ってくるのを待つことしかできなかった。
ケープを羽織り、扉を開けた先には雨でずぶ濡れになったエルフ女性がいた。酷く焦って走って来たのか、息を切らせながらアステルを睨み付けると泣きながら彼女に掴みかかる。
「レイア!レイアはここに来てなかった!?」
レイアとはこの前、家の前でアステルと仲良く会話をしていた幼いエルフの少女だ。彼女がどうしたというのだろうか。
「レイアは来てないけど……何かあったの?」
「今朝からレイアが家に帰ってこないの!」
嫌な予感が頭を過り、アステルは戸惑いながらも事情を聞くとレイアの母は涙をこぼしながら叫ぶ。こんな雨が強い日に外に出れば風邪を引いてしまうだろう。それにまだ小さい子供だ。もしも森になんか入ってしまえば迷子になってしまうかもしれない。
「アステルが最近元気がないからお花をあげるって言っていたのよ!?あの子に何かあったらアンタのせいだから!!」
母親の悲痛な叫びを聞きながらアステルは頭を強くぶたれたような感覚に襲われた。自分のせいだと、自分が悪いんだと思い込んでしまい、思わずその場に崩れ落ちそうになるがなんとか扉を支えにして耐えきった。
「ごめんなさい……私も探しに行きます」
「そんな体の人に何ができるというの?余計な事をしないでちょうだい」
そう睨みつけながら言い捨ててレイアの母は足早に去って娘を探しに行った。残されたアステルは呆然と立ち尽くしていたが、後ろから来たシリウスが扉を閉めるとハッとして顔を上げる。
「……俺が行く」
「ダ、ダメ。他のエルフみんなレイアを探しているからあなたの存在が知られたら……」
動揺をする彼女を支え歩いて椅子にそっと座らせるとシリウスは立ち上がった。
「大丈夫だ」
「お願い……行かないで」
アステルは必死にシリウスの腕を掴み引き留めようとするが彼は首を横に振ってそれをやんわりと振り払う。
「レイアは俺が必ず見つける。お前は何も心配するな」
「……絶対にシリウスもレイアも無事に帰って来て……ごめんなさい……」
観念したように俯く彼女の言葉を聞いてシリウスは力強く頷くと、頭を撫でてから森へ行く準備をするために部屋に戻った。森の中で目立たない深緑色のフード付き外套を身に着け、槍を片手に持ち、腰には薬が入った小型のバッグを身に着け、準備を終えたシリウスは辺りを気にしながらフードを深く被って急いで家を飛び出して行った。
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