シークレットベイビー~エルフとダークエルフの狭間の子~【完結】

白滝春菊

文字の大きさ
上 下
16 / 104

帰還、そして副作用※

しおりを挟む
 少しでも早くアステルに会いたい気持ちを抑えきれず、自然と早足になった。家が見えてきた時には辺りは暗くなっており、家の中と玄関の前には導くように明かりがついている。深呼吸をしてから扉をノックすると、しばらくたってからゆっくりと扉が開かれた。

「はーい……シリウス!」

 アステルはとても嬉しそうに両手を広げて彼に抱きつく、いつもなら家の中に入ってから抱擁を交わすのだが、今日は我慢ができなかったらしい。彼女を抱きながら家の中に入り、鍵を閉めるとシリウスはアステルを抱きしめ返す。

 二人はお互いの存在を確かめあうように強く抱きしめあったが多端にシリウスがアステルをゆっくりと引き離すと彼女は首を傾げ、シリウスは目を逸らした。

「薬の副作用が今頃……」

 副作用と聞いてアステルが下を向くと彼の股間が膨らんでいるのが見えた。あの強壮剤には興奮作用のある木の実を使用しているためどうしてもこうなってしまうのだ。もちろんアステルはその効果を知っている為、顔を真っ赤にしてうつむいている。

「そうね……汚れてしまったしお風呂で綺麗にしないと……」

 アステルは困ったような笑みを浮かべ、彼の手を引いて浴室へと向かった。

 シリウスは浴槽に浸かりながら、背後にいるアステルの様子を窺う。彼女は嬉しそうにシリウスの背中を洗ってくれており、その手つきは非常に優しいものだった。彼女の柔らかい手の感触が敏感になった肌に伝わってきて、思わず声が出そうになるのを堪えるが、アステルはそんなシリウスの様子に気づいているのか、いないのか楽し気に鼻歌を歌いながら体を洗い続けた。

 やがて一部以外の全身を洗い終えるとアステルは彼の背中に豊かな胸を押し当てた。泡まみれになったアステルの体が密着してきて、二人の体の隙間が無くなり、そしてそのまま後ろから手が伸びるとシリウスの陰茎に触れた。

「んっ……大丈夫よ……出した方が楽になるからね……」

 優しく包み込むような柔らかな刺激に、シリウスの体はビクビクと跳ねるが、それでもアステルの手は止まらない。次第にシリウスの口から漏れ出る吐息が荒くなり、体中の熱が高まっていくのを感じる。

「シリウス、無理しなくていいのよ……」

 耳元で囁かれた甘い誘惑の言葉がシリウスの理性を溶かしていき、ついに限界が訪れる。勢いよく飛び出した精液がお湯の中に溶け込んでいった。しばらく放心状態になっていたシリウスだったが、ようやく正気を取り戻すも下半身の昂ぶりはまだ治まらない。それどころか先ほどよりも悪化しているような気がしてならない。

「あ……もっと出さないといけないみたいだから……立ってこっちを向いて?」

 言われるがままに立ち上がって振り返ると白い豊満な胸を両手で持ち上げているアステルがそこにいた。シリウスはごくりと喉を鳴らすと、その胸に吸い寄せられるように近づいていき、目の前にある谷間に勃起した陰茎を差し込んだ。

 アステルの柔らかく温かいものに包まれる感覚、そして彼女のような美しい女性が自分の汚い欲望を受け止めてくれているという背徳的な快感が混ざり合って快楽が押し寄せてくる。

「あっ……すごい……」

 乳房を左右から押し付け、上下左右に動かすと肉棒が擦れてどんどん大きくなっていき、アステルにもそれが伝わっているようで頬を赤く染めていた。

「ふふっ、知らなかったわ……胸でこんなことができるなんて……んっ……」

 石鹸のヌルッとした感触と、張りのある弾力が合わさって、手や膣とはまた違った心地よい快感を与えてくれる。俗臭いことは知らないはずのアステルがこの行為のやり方を思いついたことに驚きつつも、今はただひたすらに快楽を与えてもらうことだけを考えた。

「シリウスのすごく熱い……それにビクンって震えてるの……」

 シリウスの限界が近い事を悟ったアステルは更に激しく動かし、シリウスは耐えきれずに射精してしまうと彼女の胸の谷間に大量の白濁液が流れ込んできた。

「いっぱい出たね……気持ちよかった?」
「ああ……だが……」

 出したはずなのに、まだ収まる気配がない。少し困り気味なアステルを見て、申し訳ない気持ちになるが、やはり本能には逆らえず、彼女と目線を合わせてから唇を奪い、白濁まみれの胸をまるで塗りたくるかのように揉みしだくと、アステルは抵抗することなく、されるがままに身を委ねた。

「んぅ、ちゅ……」

 アステルの口内を舌で犯しながら、胸の感触を楽しむ。しかし、すぐに物足りなさを感じてしまい、彼女の下半身に手を伸ばした。

「あん、そこは……んっ……」

 シリウスは構わず指先で秘所に触れると、お湯の中だというのにぬるりとした愛液が絡みついてきた。

「もう準備できてるんだな……」
「だ、だって……」

 恥ずかしそうにするアステルが可愛くて仕方がなく、中をほぐしてから蜜壺に己の剛直を突きたて、ゆっくりと挿入していくと中はとても熱く狭く締め付けてくる。そのまま腰を動かし始めると、アステルは艶めかしい声で喘ぎ始め、その表情はとても幸せそうだ。

「あっ、気持ちいい……奥まで突かれるの好き……」

 アステルは甘えるようにシリウスにしがみつき、自らキスを求めてくる。二人はお互いの唾液を交換し合うように舌を絡ませ合いながらゆったりと交わり続けた。

「シリウス……んぁっ……」

 シリウスが突き上げる度にアステルは甘い声を上げ、蕩けた顔で彼を見つめた。風呂の中じゃなければもっと激しく動くことができるのだが、ここは耐えるしかない。

「そろそろ、出すぞ……」

 そう言ってからアステルを抱きしめると、彼女はこくりと小さく首を縦に振った。

「出して……私の中にいっぱい注いで……あ、ああっ……」

 アステルが絶頂を迎えると同時に、シリウスも限界を迎え、彼女の中に精を解き放った。


 副作用の影響なのか、それともアステルとの行為によるものかはわからないが、体が妙に火照っており、下半身に血液が集中しているのがわかる。

「あっ、あっ、あんっ」

 風呂場から出て体を拭いてそのままベッドの上で四つん這いにさせたアステルを後ろから貫き、何度も激しく出し入れを繰り返していた。

「シリウス、激しい……壊れちゃう……」

 シリウスの責めは激しさを増していき、アステルはシーツを強く握りしめて快楽に耐えていたが、もう何度も果ててしまっている状況だった。それでもなお、シリウスは容赦なく動き続け、アステルの尻を掴みながら欲望をぶつけている。

「ま、またイク、イッちゃう……ああっ、ダメ、今イってるの、お願いだから休ませてぇ……」

 絶頂を迎えた直後もシリウスは動きを止めず、再び抽挿を始める。アステルが懇願するがシリウスは聞く耳を持たず、獣のように荒々しく彼女を貪っていく。

「そこ、だめっ……」
「ここが好きなんだよな」

 シリウスが彼女の弱い部分を集中的に狙って責め立てるとアステルは弱々しく声を上げた。弱点を執拗に攻め立てられるたびにアステルの体はびくんと跳ね上がり、膣内は痙攣するように収縮し、シリウスのものをしっかりと締め付ける。

「そんなにされたら……ひゃうんっ」

 アステルがひときわ大きな反応を見せた瞬間、彼女の膣は今までで一番強く締まり、精を搾り取ろうとするかのようにまた陰茎を締め上げた。

「くっ……出る……」

 シリウスはアステルの子宮口に亀頭を押し付けるようにして射精すると、その刺激で彼女もまた達してしまったようで全身を震わせていた。

「ま、また……っ……」

 アステルの言葉通り、シリウスの射精は長く続き、その間ずっとアステルは悶え続けていた。

 ようやく昂ぶりが収まった頃には既に体力の限界に達していたようで、やっと萎えた陰茎を引き抜くとアステルはそのまま崩れ落ちてしまい、シリウスが彼女を抱き起こすと肩を上下させていた。

「アステル……すまない……」
「だ、大丈夫……でもちょっと副作用が強すぎるみたいだからも少し改善しないと駄目かも……」

 そう言いながらシリウスを抱き寄せ、頭を抱えて胸に引き寄せた。柔らかい感触に包まれ、心地よい気分になりながらもシリウスは申し訳なさそうな顔をしている。アステルはそんなシリウスに優しく微笑みかけ、頭を撫でながら言った。

「んー……眠くなってきちゃったから……また明日、お話しましょう……」

 そう言うとアステルはシリウスに抱きついたまま寝息を立て始めたので彼女が風邪をひかないよう毛布をかけ、自身も温もりを逃さないように抱きしめながら眠りについた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~

tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。 番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。 ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。 そして安定のヤンデレさん☆ ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。 別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています

水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。 森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。 公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。 ◇画像はGirly Drop様からお借りしました ◆エール送ってくれた方ありがとうございます!

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす

まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。  彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。  しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。  彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。  他掌編七作品収録。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します 「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」  某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。 【収録作品】 ①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」 ②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」 ③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」 ④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」 ⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」 ⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」 ⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」 ⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

ずっと好きだった獣人のあなたに別れを告げて

木佐木りの
恋愛
女性騎士イヴリンは、騎士団団長で黒豹の獣人アーサーに密かに想いを寄せてきた。しかし獣人には番という運命の相手がいることを知る彼女は想いを伝えることなく、自身の除隊と実家から届いた縁談の話をきっかけに、アーサーとの別れを決意する。 前半は回想多めです。恋愛っぽい話が出てくるのは後半の方です。よくある話&書きたいことだけ詰まっているので設定も話もゆるゆるです(-人-)

処理中です...