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Grand battement ♡
しおりを挟む「——あのさ、正直言って……おれにはどこがきみのコンプレックスなのか、全然わからないんだけど」
彼の口調が急に砕けて若返った。今までは言葉遣いだけは「壮年男性」だったのに。
——へっ?
わたしは目をぱっちりと開けた。
「み、見てくださいっ!ここです、ここっ!ほら、乳首の色っ‼︎」
「乳首の……色?」
彼が顔を近づけて、わたしの乳房の先端を凝視する。
「黒くないですか?黒いですよね?……未だに処女なのに……でも、高校生くらいから、もうこの色なんです」
「うん、まぁ……確かに『薄い』って言えばウソになる色だけどさ」
——ほら、やっぱりっ!
わたしの目に、じわり、と涙が込み上げてきた。
「高校生のとき、そんなに仲の良くなかったクラスの女子に修学旅行でわたしの胸を見られたんだけど、『乳首が黒いのは相当遊んでる証拠だ』ってウワサされて……それがクラスを越えて学年中に広まっちゃって……」
同学年の女子の中ではちょっと大人っぽい外見だったのも仇となった。
今でもすごく呑めそうな雰囲気を醸し出してるそうだが、思いっきり下戸である。
だから、ベリーマッチを飲んでいるのである。
あの頃は『遊んでる斎藤であれば、いつでもヤらしてもらえる』と勘違いした男子から、待ち伏せされて襲われかけたのも、一度や二度ではない。
そのうち男性不信になってしまって、大学はとうとう女子大へと進んだ。
今は仕事でならまったく怖いとは思えないし、このような店にまで出入りするまでに「回復」したとは思っているんだけど……
(ちなみに、この店を紹介してくれた職場の依頼人は、バリバリのキャリアウーマンだ。)
——相変わらず、年齢と彼氏いない歴が同じ年数なんだよなぁ……
「……なぁ、食べていいか?」
「はい?」
「いや、もう食べる!目の前にこんな美味しそうに熟れたベリーのような実があるのに、食えねえなんてどんな罰ゲームだよっ⁉︎」
そう言うと同時に、彼はわたしをソファの上に押し倒した。
すぐさま、ぱくり、とわたしの「実」が彼の口に含まれる。
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