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しおりを挟む「きみは、こんな店で初めて会った相手と本気で初体験しようと思ってるのか?」
——そうおっしゃってるわりには、なぜかまだ、わたしはあなたの腕の中にすっぽりと収まっているんですけれども。
「でも……もう二十八歳になりますし、後生大事に持っていても……」
「だが、それこそその歳まで、後生大事に守り続けてきたんだろう?」
——わたし自身は別に三〇歳まで守って「妖精さん」になるつもりはさらさらないので、とっとと喪いたいんですけどねっ。
「まさか……身体に大きな傷痕があるとか?例えば、事故で大怪我した痕とか、病気で手術した痕とか、それで……」
——あ、まずい。なんだか妄想が爆走しだしたぞ。
「あ、そんな傷痕はまったくありません」
「だったら、なぜ……」
——仕方ない。「あのこと」を話すか……
「えっと……身体の『ある部分』に非常にコンプレックスを抱いておりまして……多感だった時分にちょっとイヤな思い出があって……」
「なにがあったんだ?」
「あのう、話す前に……ちょっと、見てもらえませんか?」
彼の腕の力がようやく緩んだ。その隙に身を離すことに成功した。
わたしは白いシルクのスリップドレスの肩紐をすとん、と落とした。スリップドレスがはらり、と下へ落ちる。
それから、中から現れたストラップレスブラを外すために、後ろのホックに手を回すと……
「ここから先は、私がやろう」
そう言って、彼がぷちっと外してくれた。
とたんにブラがぷかりと素肌から離れ、その下から二つの乳房が姿を見せる。
わたしは恥ずかしくて、反射的にブラの上部を片手で押さえた。でも、下乳はしっかり見える。
「……忌憚なく言わせてもらえれば、確かに小ぶりのおっぱいだとは思うけど、すごく形の良い美乳だよ」
一応、Bカップなので、そこまで小さくはない。形もそう悪くないことだって、わかっいる。
——だけど……わたしが今まで永らく思い悩んできたのは「そこ」ではないのよっ!
「全部見せてくれないとわからないな。じゃあ、取るよ?」
わたしはこくり、と肯いて、ぎゅーっと目を瞑った。
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