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引き寄せるのは、未来。 振り払うは、魔の手。
お仕事 初日…… (1)
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新しい週が始まり、軍装に身を包んで、初出仕。 そう王城外苑の錬金室にね。 護衛は第一班のプーイさん達ね。
ゾロゾロと、王城外苑に向かうの。 朝ごはんは、第四〇〇特務隊の皆と食堂で食べたわ。 プーイさん達は、第十五号棟で済ませたって。 本当は、担当護衛の班の皆とは、食堂で食べたかったんだけどね、そうは行かないみたい。
まぁ、おいおい、それは改善していくつもりなんだけどね。
でね、王城外苑の錬金室なんだけれどね、あの人が陣取っていたの。 確認の時に見た、あんまり関わりたくない感じの事務官さん。 まぁね、こんな人も居るよねって感じで応対してたのよ。
「本日より、王城外苑、錬金室勤務となりました、軍属薬師リーナに御座います。 どうぞよろしくお願い申し上げます」
「あぁ、聞いている。 せいぜい、壊れた錬金釜を相手に、やっている振りでもするんだな。 あの、バーバリン教会薬師様でも、どうにもする事が出来なかったんだ。 お前が何か出来るとは、思えないからな」
「左様に……」
「聖堂教会に問い合わせた。 薬師リーナ。 お前、聖堂教会に批判的なんだってな。 罪深い奴だ。 俺が一緒に教会まで行って、謝罪を手伝ってやろう。 聖堂教会の御威光に、きちんと帰依するべきだ」
「御威光…… 帰依…… あの、わたくしは、常に精霊様に祈りを捧げておりますわよ? 教会もまた、その様に有るべきなのですが…… 違いますの?」
「教会はッ!! 神の御宸襟を言葉をお伝えくださる唯一の場所だッ! そのお言葉を聴けるのは、枢機卿閣下なんだよッ!! 判らないのかッ!!」
「聖堂教会の教義に反するお考えに御座いますわね、それ。 あいにくと、わたくしは辺境の出。 もっとも古い教義を護る教会が幾つも点在する場所。 そんな所から参りました。 神様はただ、ただ、我らこの世界の者達の生き様をご覧になられているだけに御座います。 至高の階の上に存在される神様が、我らに直接言葉を使わされることは有り得ません。 次元が違いすぎます。 その間を取り持たれるのが精霊様。 精霊様も又、なかなかにはお言葉を交わせる事、叶いません。 ただ、ただ、祈りを捧げ、そして加護を乞う。 それが、この世界の在り方なのです」
冷たく相手を見詰めならが、彼に言葉を紡いであげるの。 この世界の真実は、貴方が思うほど、神様のお力は届いていないわ。 だから、私たちは真摯に祈るしかないの。 そう、祈りこそが、神の御力を頂く最善の方法なんだよ……
「神の声を聞く…… なんと罪深いことなのでしょうか。 神の声を僭称すれば…… いずれ、大きな禍を引き寄せましょう。 それが、わたくしの考えです。 今の聖堂教会には出向く気も御座いませんので、お計らいは不必要に御座います。 時間も時間ですので、「お仕事」を始めさせて頂くことに致します」
「お、おいッ!! なんと、不敬なッ!! それで、良いんだなっ!!」
「はい。 では、失礼致します」
「待てッ!! お前の連れている者達は、獣人じゃないかッ!! 奴隷を、王城外苑に入れるなんて、なんたる不見識ッ!! 入室罷りならん!!」
なんか云っている。 ほんとに、この人、第四軍の事務官なの? フゥゥゥ…… ちょっと、剣呑な雰囲気をかもし出したの。 私の嫌気に気が付いたのか、相手もまた、態度を硬化させるの。
「不遜な考えを持つ、愚かな女め!! この王城外苑にお前の様な者が入ること、許されないッ!! 早々に立ち去れ!!」
「…………宜しいのですか?」
「誰に泣きつこうと、結果は変わらないッ!!」
「軍務にて規定されている、職場に来て、その場を取り仕切る『 指揮官 』を差し置き、軍の文官職の事務官様がそう仰るのですね。 判りました。 では、その旨を上級指揮官様にお伝えし、厳正に処分していただきましょう。 事務官様。 ココは、軍です。 一旦、その御口から出た言葉は、取り返せません。 ” 零した水は、カップには戻らない ” のですよ? ……暫しお待ちを。 一度、お伺いを立てます」
くるりと踵を返し、第四軍司令部に向かうの。 後ろで叫ぶ、声が聞こえているけれど…… 無視しちゃったわ。
……もう、面倒ね。 自分でアノ人になんか言ってもいいんだけど、それじゃぁ、とっても目立っちゃうしね。 なるだけ、穏便に済ませようと思うの。 だから、上層部にご相談が必要なのよね。 でも…… 本当に面倒なのよ。
護衛隊の方々も堂々と随伴してくださっている。 良いわよね。 その調子よ! 朝日の中、第四軍司令部に到着。 向かう先は、四軍 主計参謀 ミッドバース=リフターズ様の足下よ。
突然の訪問に許しを貰い、主計課の執務室にお邪魔するの。 まだ、朝だったから、そこまでは忙しそうにされていないわ。 開け放たれた執務室の扉を四回ノックするの。 そして、いらした従卒の方に、突然のご訪問を詫び、リフターズ様への取次ぎをお願いしたわ。
ややあって、執務室の中に通されたの。 大きな執務机の向こう側から柔和な笑顔で、お出迎えされた。
「突然のご訪問、誠に申し訳御座いません。 王城外苑、錬金室の事務官様に入室を断れました。 お仕事が出来かねます。 如何致しましょうか?」
「えっ? なんだって? どうして?」
笑顔が驚愕の表情に変わる。 事情を説明して行くうちに、見る見るその表情が憤怒に変わる。 顔色がどす黒く変化し、額に青筋が立ち上がる。 あぁぁ…… なんか、かなり怒ってらっしゃるのね。 これは、私の対応が不味かったのかしら…… 謝るべきことなのかしら……
「…………と云う事にございます。 わたくしの様な一介の辺境の薬師には、やはり、王城外苑の錬金室でのお勤めは、無理なので御座いましょうね。 任地の変更を…… 具申いたします」
「それは、無理だ。 君の処遇はすでに決められている。 それを云うならば、一介の事務官が君の入室を拒むなど、軍令上あってはならない事だ。 理由も聞いた。 ゆえにコレに対処せねばならない。 暫し待て。 従卒!! 法務参謀殿、および、副参謀長 エルグリット=ラウサット=スパーダ伯爵に連絡を取れ。 お時間を頂くと、そう申し上げろ」
「ハッ!!」
敬礼を捧げ、早々に執務室を出て行く従卒の方。 執務室に緊張が走っているのが判るわ。 普段、温厚で優しげなリフターズ様が、怒りを顕にされているんだものね。 私だって、ちょっと怖いもの。 腕を組んで、目を瞑り、何かを考えてらっしゃる。
法務参謀様と、副参謀長様が、足早に執務室に参られたのは、それから幾許もしないうちだったわ。
「どうした、ミッドバース。 なにか…… おお、薬師リーナ殿! おや、何ゆえ、四軍司令部に? 王城外苑、錬金室に出仕ではなかったのですかな?」
お言葉を頂けたのが、副参謀長のスパーダ伯爵。 その問いに応えのたのが、リフターズ様。
「四軍の人事は副参謀長の職務の一つでしたな、スパーダ伯」
とても、冷たく、重い、地を這うようなお声だった。 ギギギギって感じで、スパーダ伯爵様がリフターズ様に顔を向けたの。 そうね、普段とは全く違う、リフターズ様のご様子に、スパーダ伯爵様が驚いているって感じかしら……
「なんだ、どう云うことなんだ。 お前が、俺のことをスパーダ伯と云うのは…… なにか、不味いことでもあったのか? 薬師リーナがこの場に居ると云う事は…… ハッ!! 王城外苑で何かあったのかッ!!」
「説明する。 王城外苑の他の者達は、どうでもいい。 通達が回っているはずだから、問題も無い。 問題は、スパーダ伯が管轄している、四軍の事務官達にある。 さて、どう云うことか、説明を願おうか」
周囲を威圧するかのような、そんな気を撒き散らしながら、状況を説明され始めた、リフターズ様。 話が進むうちに、顔色を無くし、そして、どす黒く変化したのはスパーダ伯爵。 一緒にいらした法務参謀様もまた、同様にその顔色を変えられていたわ。
えっと…… やっぱり、職場放棄って、取られちゃうのかしら? 敵前逃亡って取られたら、どうしよう…… 一応ほら、護衛隊の方々もいらしたし、” 帰れ ” って、そう云われたから、それに従ったって事は…… ご説明もしたんだけどなぁ…… なんか、とても危険な感じがするわ……
「リフターズ主計参謀。 貴殿の話、誠であろうな」
「第四〇〇特務隊、指揮官 薬師リーナの報告と、第四〇〇〇護衛隊、プーイ殿の報告が合致する。 一方的な報告とは言え、複数の証人もいる。 どうか」
「あちらに行って、確かめたい」
「そうであろうな。 法務参謀を伴われよ。 わたしも行く」
「最初に、私だけで話をさせてもらえないだろうか」
「御随意に。 法務参謀殿もそれで宜しかろうか?」
「はい。 両者の発言を受けねば成りません。 片方の意見だけでは、厳密な裁定は下せませぬ故」
「……だろうな。 判った。 薬師リーナ、事は重大と成りました。 御一緒に来られますこと、お願い申し上げます」
「はい、勿論です。 任地は、王城外苑、錬金室ですもの。 ご同行いたします」
私の事だもの。 うん、私も一緒に行くのは必然よね。 それに、私から一方的に聞いた話だもの、裏取りは必要ね。 だから、私には何の文句もない。
全て事実なんだからね。
さて…… なにが起こるのか……
だれも、《 命 》 を、失わないと……
いいんだけどな。
ゾロゾロと、王城外苑に向かうの。 朝ごはんは、第四〇〇特務隊の皆と食堂で食べたわ。 プーイさん達は、第十五号棟で済ませたって。 本当は、担当護衛の班の皆とは、食堂で食べたかったんだけどね、そうは行かないみたい。
まぁ、おいおい、それは改善していくつもりなんだけどね。
でね、王城外苑の錬金室なんだけれどね、あの人が陣取っていたの。 確認の時に見た、あんまり関わりたくない感じの事務官さん。 まぁね、こんな人も居るよねって感じで応対してたのよ。
「本日より、王城外苑、錬金室勤務となりました、軍属薬師リーナに御座います。 どうぞよろしくお願い申し上げます」
「あぁ、聞いている。 せいぜい、壊れた錬金釜を相手に、やっている振りでもするんだな。 あの、バーバリン教会薬師様でも、どうにもする事が出来なかったんだ。 お前が何か出来るとは、思えないからな」
「左様に……」
「聖堂教会に問い合わせた。 薬師リーナ。 お前、聖堂教会に批判的なんだってな。 罪深い奴だ。 俺が一緒に教会まで行って、謝罪を手伝ってやろう。 聖堂教会の御威光に、きちんと帰依するべきだ」
「御威光…… 帰依…… あの、わたくしは、常に精霊様に祈りを捧げておりますわよ? 教会もまた、その様に有るべきなのですが…… 違いますの?」
「教会はッ!! 神の御宸襟を言葉をお伝えくださる唯一の場所だッ! そのお言葉を聴けるのは、枢機卿閣下なんだよッ!! 判らないのかッ!!」
「聖堂教会の教義に反するお考えに御座いますわね、それ。 あいにくと、わたくしは辺境の出。 もっとも古い教義を護る教会が幾つも点在する場所。 そんな所から参りました。 神様はただ、ただ、我らこの世界の者達の生き様をご覧になられているだけに御座います。 至高の階の上に存在される神様が、我らに直接言葉を使わされることは有り得ません。 次元が違いすぎます。 その間を取り持たれるのが精霊様。 精霊様も又、なかなかにはお言葉を交わせる事、叶いません。 ただ、ただ、祈りを捧げ、そして加護を乞う。 それが、この世界の在り方なのです」
冷たく相手を見詰めならが、彼に言葉を紡いであげるの。 この世界の真実は、貴方が思うほど、神様のお力は届いていないわ。 だから、私たちは真摯に祈るしかないの。 そう、祈りこそが、神の御力を頂く最善の方法なんだよ……
「神の声を聞く…… なんと罪深いことなのでしょうか。 神の声を僭称すれば…… いずれ、大きな禍を引き寄せましょう。 それが、わたくしの考えです。 今の聖堂教会には出向く気も御座いませんので、お計らいは不必要に御座います。 時間も時間ですので、「お仕事」を始めさせて頂くことに致します」
「お、おいッ!! なんと、不敬なッ!! それで、良いんだなっ!!」
「はい。 では、失礼致します」
「待てッ!! お前の連れている者達は、獣人じゃないかッ!! 奴隷を、王城外苑に入れるなんて、なんたる不見識ッ!! 入室罷りならん!!」
なんか云っている。 ほんとに、この人、第四軍の事務官なの? フゥゥゥ…… ちょっと、剣呑な雰囲気をかもし出したの。 私の嫌気に気が付いたのか、相手もまた、態度を硬化させるの。
「不遜な考えを持つ、愚かな女め!! この王城外苑にお前の様な者が入ること、許されないッ!! 早々に立ち去れ!!」
「…………宜しいのですか?」
「誰に泣きつこうと、結果は変わらないッ!!」
「軍務にて規定されている、職場に来て、その場を取り仕切る『 指揮官 』を差し置き、軍の文官職の事務官様がそう仰るのですね。 判りました。 では、その旨を上級指揮官様にお伝えし、厳正に処分していただきましょう。 事務官様。 ココは、軍です。 一旦、その御口から出た言葉は、取り返せません。 ” 零した水は、カップには戻らない ” のですよ? ……暫しお待ちを。 一度、お伺いを立てます」
くるりと踵を返し、第四軍司令部に向かうの。 後ろで叫ぶ、声が聞こえているけれど…… 無視しちゃったわ。
……もう、面倒ね。 自分でアノ人になんか言ってもいいんだけど、それじゃぁ、とっても目立っちゃうしね。 なるだけ、穏便に済ませようと思うの。 だから、上層部にご相談が必要なのよね。 でも…… 本当に面倒なのよ。
護衛隊の方々も堂々と随伴してくださっている。 良いわよね。 その調子よ! 朝日の中、第四軍司令部に到着。 向かう先は、四軍 主計参謀 ミッドバース=リフターズ様の足下よ。
突然の訪問に許しを貰い、主計課の執務室にお邪魔するの。 まだ、朝だったから、そこまでは忙しそうにされていないわ。 開け放たれた執務室の扉を四回ノックするの。 そして、いらした従卒の方に、突然のご訪問を詫び、リフターズ様への取次ぎをお願いしたわ。
ややあって、執務室の中に通されたの。 大きな執務机の向こう側から柔和な笑顔で、お出迎えされた。
「突然のご訪問、誠に申し訳御座いません。 王城外苑、錬金室の事務官様に入室を断れました。 お仕事が出来かねます。 如何致しましょうか?」
「えっ? なんだって? どうして?」
笑顔が驚愕の表情に変わる。 事情を説明して行くうちに、見る見るその表情が憤怒に変わる。 顔色がどす黒く変化し、額に青筋が立ち上がる。 あぁぁ…… なんか、かなり怒ってらっしゃるのね。 これは、私の対応が不味かったのかしら…… 謝るべきことなのかしら……
「…………と云う事にございます。 わたくしの様な一介の辺境の薬師には、やはり、王城外苑の錬金室でのお勤めは、無理なので御座いましょうね。 任地の変更を…… 具申いたします」
「それは、無理だ。 君の処遇はすでに決められている。 それを云うならば、一介の事務官が君の入室を拒むなど、軍令上あってはならない事だ。 理由も聞いた。 ゆえにコレに対処せねばならない。 暫し待て。 従卒!! 法務参謀殿、および、副参謀長 エルグリット=ラウサット=スパーダ伯爵に連絡を取れ。 お時間を頂くと、そう申し上げろ」
「ハッ!!」
敬礼を捧げ、早々に執務室を出て行く従卒の方。 執務室に緊張が走っているのが判るわ。 普段、温厚で優しげなリフターズ様が、怒りを顕にされているんだものね。 私だって、ちょっと怖いもの。 腕を組んで、目を瞑り、何かを考えてらっしゃる。
法務参謀様と、副参謀長様が、足早に執務室に参られたのは、それから幾許もしないうちだったわ。
「どうした、ミッドバース。 なにか…… おお、薬師リーナ殿! おや、何ゆえ、四軍司令部に? 王城外苑、錬金室に出仕ではなかったのですかな?」
お言葉を頂けたのが、副参謀長のスパーダ伯爵。 その問いに応えのたのが、リフターズ様。
「四軍の人事は副参謀長の職務の一つでしたな、スパーダ伯」
とても、冷たく、重い、地を這うようなお声だった。 ギギギギって感じで、スパーダ伯爵様がリフターズ様に顔を向けたの。 そうね、普段とは全く違う、リフターズ様のご様子に、スパーダ伯爵様が驚いているって感じかしら……
「なんだ、どう云うことなんだ。 お前が、俺のことをスパーダ伯と云うのは…… なにか、不味いことでもあったのか? 薬師リーナがこの場に居ると云う事は…… ハッ!! 王城外苑で何かあったのかッ!!」
「説明する。 王城外苑の他の者達は、どうでもいい。 通達が回っているはずだから、問題も無い。 問題は、スパーダ伯が管轄している、四軍の事務官達にある。 さて、どう云うことか、説明を願おうか」
周囲を威圧するかのような、そんな気を撒き散らしながら、状況を説明され始めた、リフターズ様。 話が進むうちに、顔色を無くし、そして、どす黒く変化したのはスパーダ伯爵。 一緒にいらした法務参謀様もまた、同様にその顔色を変えられていたわ。
えっと…… やっぱり、職場放棄って、取られちゃうのかしら? 敵前逃亡って取られたら、どうしよう…… 一応ほら、護衛隊の方々もいらしたし、” 帰れ ” って、そう云われたから、それに従ったって事は…… ご説明もしたんだけどなぁ…… なんか、とても危険な感じがするわ……
「リフターズ主計参謀。 貴殿の話、誠であろうな」
「第四〇〇特務隊、指揮官 薬師リーナの報告と、第四〇〇〇護衛隊、プーイ殿の報告が合致する。 一方的な報告とは言え、複数の証人もいる。 どうか」
「あちらに行って、確かめたい」
「そうであろうな。 法務参謀を伴われよ。 わたしも行く」
「最初に、私だけで話をさせてもらえないだろうか」
「御随意に。 法務参謀殿もそれで宜しかろうか?」
「はい。 両者の発言を受けねば成りません。 片方の意見だけでは、厳密な裁定は下せませぬ故」
「……だろうな。 判った。 薬師リーナ、事は重大と成りました。 御一緒に来られますこと、お願い申し上げます」
「はい、勿論です。 任地は、王城外苑、錬金室ですもの。 ご同行いたします」
私の事だもの。 うん、私も一緒に行くのは必然よね。 それに、私から一方的に聞いた話だもの、裏取りは必要ね。 だから、私には何の文句もない。
全て事実なんだからね。
さて…… なにが起こるのか……
だれも、《 命 》 を、失わないと……
いいんだけどな。
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