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四人で学校に行くと、それぞれのクラスに別れていった。朝礼で芦谷先生が
「みんな怪我にだけは気を付けなさい。じゃあみんな、勝ちに行こう」
と言うと、クラス内の空気が変わり、ワッと盛り上がりみんなが
「頑張ろうぜ!」
と口々に励まし合った。
入場行進、開会式と問題なく終わり、瑛子は救護班だったので、競技に出ない間は救護テントから応援をした。応援団も学ランを着て力のこもった応援をしていて、高校の体育祭ってヤッパリ迫力あって、楽しいな。と、瑛子は思った。
みんな本気で激しく競いあっていたため、救護テントはそれなりに忙しかった。午前中ですでに薬剤が足りなくなり、城崎先生に、保健室の棚に入っている消毒液を取りに行って欲しいと頼まれた。瑛子はそれを了承して、テントからでた。するとそこで腕をつかまれる。振り向くと芦谷先生だった。
「櫤山、一人でどこに行く?」
と言うので
「保健室に消毒液を取りに行くように頼まれました」
と言うと、芦谷先生が
「あれほど一人で行動するなと言っただろう。私も一緒に行く」
と言って付き添ってくれた。瑛子は
「先生、いつもありがとうございます」
とお礼を言った。芦谷先生は
「君になにかあれば、親御さんに申し訳ないからな」
と言った。瑛子は
「わかってます。それでもありがとうございます」
と言って微笑んだ。芦谷先生は照れ臭そうに咳払いをすると
「いいから、用事を早くすませなさい」
と言った。保健室に着いて棚の中にあるはずのヒビテンを探す。
「ヒビテン、ヒビテン」
と、言いながら棚を覗き混んでいると、背後に立っている芦谷先生がガラスに反射して見えた。瑛子は、担任の先生が芦谷先生で良かった。と思いながら、少しガラス越しに芦谷先生を見つめた。
すると、芦谷先生がスッと瑛子の背後に立った。どうしたんだろう? と、思っていると、そっと瑛子のハチマキの端っこを持って、書いてあるイニシャルを確認していた。
もちろん今朝の問答があり、瑛子は自分のハチマキをしていたので、そこに書いてあるイニシャルは瑛子のものだ。芦谷先生はそれを確認すると、微笑んだ。瑛子はそれを見て思わずドキッとした。が、それを悟られないように、ヒビテンを探す作業に集中した。そして、ヒビテンを見つけると、瑛子はわざと大きな声で
「先生! ありました!」
と言って振り向いた。芦谷先生は何事もなかったかのように
「そうか、何本必要なんだ?」
と言って、ヒビテンを手に取った。瑛子は
「一本あれば十分足りると思います」
と答えた。芦谷先生は
「そうか、消毒液がなくて困ってる者もいるだろう。早くもどろう」
と、先を歩き始めた。瑛子はその背中を無言で追った。
救護テントにもどると、芦谷先生は
「頑張りなさい」
と言って戻っていった。瑛子は先ほどの芦谷先生の行動について、少し考えたが対応に追われ忙しくなり、そのうち考えている余裕がなくなった。
そんなことをしているうちに、いよいよ瑛子が出る二人三脚の順になり、校庭に出た。瑛子のペアは催馬楽学だった。瑛子は足を紐で固定している催馬楽学に向かって
「頑張ろうね!」
と言うと、催馬楽学は
「もちろん。でも無理はしないで、とにかくゴールできればいいよ。だからゆっくり行こう」
と言ってくれた。プレッシャーをかけないように気遣ってくれる催馬楽学に感謝しつつ、催馬楽学と肩を組んだ。瑛子は
「めっちゃ緊張してきました」
と催馬楽学に言うと、催馬楽学は
「僕も緊張してるよ。でも今最高の気分でもある」
と言った。瑛子は催馬楽学がそんなにも体育祭を楽しみにしていたのかと驚き、同時に頑張らなければと気を引き締めた。瑛子たちの順番になり、瑛子が
「右、左、右、左」
と声を出すとそれにあわせて、催馬楽学と足を動かす。思いの外息がピッタリで、気が付けは一位になっていた。そのままゴールすると、瑛子と催馬楽学は大喜びして抱きあった。催馬楽学があまりにもギュッと瑛子を抱き締めるので、瑛子は、催馬楽君そんなに嬉しかったんだ、可愛いな。と思いつつ
「催馬楽君、苦しい、離して」
と、離れた。催馬楽学は恥ずかしそうに
「すまない、思わず思い切り抱き締めてしまった」
と言った。瑛子は普段クールな催馬楽学が、こんなにも我を忘れることがあるのかと、驚きながら
「催馬楽君、本当に勝ちたかったんですね。勝てて良かったですね」
と微笑んだ。催馬楽学は
「そう言うことじゃないんだけど」
と、苦笑した。
「催馬楽君またあとで、お昼一緒に食べましょうね」
と言って瑛子は救護テントに戻った。しばらくすると今度は借り物競争が始まった。神成緑が出ているはずだった。神成緑はスポーツ万能なので、人が足りないところに駆り出されていて、これもその競技の一つだった。
神成緑はスタートし、一番最初にメモの入っている封筒のところにたどり着いた。慌てて封筒を拾い、中のメモを見て、一直線にこちらに走ってくる。あれ? もしかして、絆創膏とか消毒液とかなのかな? と、思っていると瑛子の目の前に立ち、手を引っ張り立たせ、抱き抱えてゴールに向かって走り出した。瑛子は驚いて
「神成君? なに?」
と言うと、神成緑は
「口を閉じていないと、舌を噛むよ」
と言ったので、瑛子は口を閉じた。神成緑はゴールまで駆け抜けた。係の生徒にメモを見せる。そこには『キラキラしたもの』と、書いてある。神成緑は
「俺にとってキラキラした者は瑛子しかいない」
と、答えた。係の生徒はニヤニヤしながら
「オッケーです!」
と言った。神成緑がちょっとキザなのは知っていたが、流石に瑛子は恥ずかしくなった。
「神成君、流石にふざけすぎ。私、恥ずかしいです」
と言うと、神成緑は
「瑛子にそんな顔させることができて、俺は満足。恥ずかしがってる瑛子は、可愛いよ」
と微笑んだ。瑛子は神成緑にからかわれてたと気づき
「もう! 神成君は悪趣味です」
と言って、振り向くとそこには、はでなキラキラしたヘアピンをつけたヒロインが立っていた。そしてヒロインは
「せっかく、こんな子供っぽいヘアピンまでつけて待ってたのに。またあんたが………」
と、瑛子を睨み付け、どこかに行ってしまった。神成緑は
「瑛子、彼女のことは無視した方がいい。ただ、変なことされないように気をつけよう」
と言った。瑛子は頷くと救護テントにもどった。しばらく救護テントでの対応に追われていると、あっという間にお昼休みになった。瑛子は来ているはずの両親を探した。
「瑛子、こっちだ!」
と言う勝の声に振り向くと、冴子と勝が校庭の隅の木陰に、レジャーシートを広げていた。瑛子は勝のところに行き
「お父さん、みんなに声かけてくるね」
と言って、みんなを呼びに言った。みんなも親が来ているかも知れなかったので、その時はしょうがないと思いつつ、教室を覗くと三人ともそこに集まっていた。瑛子が
「みんな、ここにいたんですね」
と言うと、逆に神成緑に
「瑛子、探した。良かった見つかって」
と言われて
「ごめんなさい、お父さんのところに少し行ってました」
と謝った。催馬楽学は
「怒ってる訳じゃなくて、一人で行動しないで声かけて欲しいだけだよ」
と微笑んだ。栗花落先輩が
「そうそう、あの丹家とか言う変な子にまた絡まれたんだろ? 危ないよ」
と、頭を撫でた。神成緑が
「さて、瑛子も無事だったし、瑛子のお父さんの手料理食べに行こう」
と、瑛子の背中に手をあてて、歩くように促した。瑛子が
「みなさんは、ご両親はいらしてないんですか?」
と、尋ねると神成緑が
「来てないよ、恥ずかしいから来るなって言った」
と言い、催馬楽学も頷き
「だよな。なんか、恥ずかしいよな」
と言った。栗花落先輩は
「家は忙しいから、来れないって」
と苦笑した。瑛子はまぁ、このぐらいの年齢だと、そんなもんなのかも。親の有り難みをあとになって気づくのよね~。と、しみじみしながらも
「そうなんですね? うちの両親物凄い量のお弁当作ってたんで、たくさん食べて下さい」
と微笑んだ。神成緑が
「瑛子があれだけ料理上手いってことは、瑛子のお父さんの料理も期待できそうだよね。楽しみだな」
と言うので、瑛子は
「今日は、母もお弁当作るの手伝ってくれたみたいなんで、期待しててください。母は料理凄く上手なんですよ」
と言って両親のいる場所まで案内した。
冴子と勝はレジャーシートの上に弁当を広げて待っていた。神成緑が
「美味しそうですね、本当にご馳走になっていいんですか?」
と訊いた、冴子は
「もちろんよ。みんなに食べてもらうために作ったんですから。ねぇパパ?」
と、勝に言うと、勝は頷き
「そうだね、みんな遠慮しないで食べなさい」
と言うと、座るように促し、おしぼりを配った。そして、両手を合わせて全員で
「いただきます!」
と言いうと、一斉に食べ始める。勝は瑛子に向き直り
「それにしても、瑛子は今日は大活躍だったね」
と言うと、冴子も頷き
「本当にこの子ったら、私たちトンビが鷹を生んじゃったみたいね」
と微笑んだ。瑛子はあまりの親バカっプリに恥ずかしくなり
「もう、いいから二人も食べなよ」
と、おにぎりを手渡した。と、そこにヒロインがやって来た。
「あれ? みんなここにいたんですね!」
と、当たり前のように、神成緑の隣にすわろうとした。勝が
「お嬢さんは、瑛子のお友達?」
と訊くと、ヒロインは笑顔で
「はい、丹家栞奈って言います」
と答えた。
「みんな怪我にだけは気を付けなさい。じゃあみんな、勝ちに行こう」
と言うと、クラス内の空気が変わり、ワッと盛り上がりみんなが
「頑張ろうぜ!」
と口々に励まし合った。
入場行進、開会式と問題なく終わり、瑛子は救護班だったので、競技に出ない間は救護テントから応援をした。応援団も学ランを着て力のこもった応援をしていて、高校の体育祭ってヤッパリ迫力あって、楽しいな。と、瑛子は思った。
みんな本気で激しく競いあっていたため、救護テントはそれなりに忙しかった。午前中ですでに薬剤が足りなくなり、城崎先生に、保健室の棚に入っている消毒液を取りに行って欲しいと頼まれた。瑛子はそれを了承して、テントからでた。するとそこで腕をつかまれる。振り向くと芦谷先生だった。
「櫤山、一人でどこに行く?」
と言うので
「保健室に消毒液を取りに行くように頼まれました」
と言うと、芦谷先生が
「あれほど一人で行動するなと言っただろう。私も一緒に行く」
と言って付き添ってくれた。瑛子は
「先生、いつもありがとうございます」
とお礼を言った。芦谷先生は
「君になにかあれば、親御さんに申し訳ないからな」
と言った。瑛子は
「わかってます。それでもありがとうございます」
と言って微笑んだ。芦谷先生は照れ臭そうに咳払いをすると
「いいから、用事を早くすませなさい」
と言った。保健室に着いて棚の中にあるはずのヒビテンを探す。
「ヒビテン、ヒビテン」
と、言いながら棚を覗き混んでいると、背後に立っている芦谷先生がガラスに反射して見えた。瑛子は、担任の先生が芦谷先生で良かった。と思いながら、少しガラス越しに芦谷先生を見つめた。
すると、芦谷先生がスッと瑛子の背後に立った。どうしたんだろう? と、思っていると、そっと瑛子のハチマキの端っこを持って、書いてあるイニシャルを確認していた。
もちろん今朝の問答があり、瑛子は自分のハチマキをしていたので、そこに書いてあるイニシャルは瑛子のものだ。芦谷先生はそれを確認すると、微笑んだ。瑛子はそれを見て思わずドキッとした。が、それを悟られないように、ヒビテンを探す作業に集中した。そして、ヒビテンを見つけると、瑛子はわざと大きな声で
「先生! ありました!」
と言って振り向いた。芦谷先生は何事もなかったかのように
「そうか、何本必要なんだ?」
と言って、ヒビテンを手に取った。瑛子は
「一本あれば十分足りると思います」
と答えた。芦谷先生は
「そうか、消毒液がなくて困ってる者もいるだろう。早くもどろう」
と、先を歩き始めた。瑛子はその背中を無言で追った。
救護テントにもどると、芦谷先生は
「頑張りなさい」
と言って戻っていった。瑛子は先ほどの芦谷先生の行動について、少し考えたが対応に追われ忙しくなり、そのうち考えている余裕がなくなった。
そんなことをしているうちに、いよいよ瑛子が出る二人三脚の順になり、校庭に出た。瑛子のペアは催馬楽学だった。瑛子は足を紐で固定している催馬楽学に向かって
「頑張ろうね!」
と言うと、催馬楽学は
「もちろん。でも無理はしないで、とにかくゴールできればいいよ。だからゆっくり行こう」
と言ってくれた。プレッシャーをかけないように気遣ってくれる催馬楽学に感謝しつつ、催馬楽学と肩を組んだ。瑛子は
「めっちゃ緊張してきました」
と催馬楽学に言うと、催馬楽学は
「僕も緊張してるよ。でも今最高の気分でもある」
と言った。瑛子は催馬楽学がそんなにも体育祭を楽しみにしていたのかと驚き、同時に頑張らなければと気を引き締めた。瑛子たちの順番になり、瑛子が
「右、左、右、左」
と声を出すとそれにあわせて、催馬楽学と足を動かす。思いの外息がピッタリで、気が付けは一位になっていた。そのままゴールすると、瑛子と催馬楽学は大喜びして抱きあった。催馬楽学があまりにもギュッと瑛子を抱き締めるので、瑛子は、催馬楽君そんなに嬉しかったんだ、可愛いな。と思いつつ
「催馬楽君、苦しい、離して」
と、離れた。催馬楽学は恥ずかしそうに
「すまない、思わず思い切り抱き締めてしまった」
と言った。瑛子は普段クールな催馬楽学が、こんなにも我を忘れることがあるのかと、驚きながら
「催馬楽君、本当に勝ちたかったんですね。勝てて良かったですね」
と微笑んだ。催馬楽学は
「そう言うことじゃないんだけど」
と、苦笑した。
「催馬楽君またあとで、お昼一緒に食べましょうね」
と言って瑛子は救護テントに戻った。しばらくすると今度は借り物競争が始まった。神成緑が出ているはずだった。神成緑はスポーツ万能なので、人が足りないところに駆り出されていて、これもその競技の一つだった。
神成緑はスタートし、一番最初にメモの入っている封筒のところにたどり着いた。慌てて封筒を拾い、中のメモを見て、一直線にこちらに走ってくる。あれ? もしかして、絆創膏とか消毒液とかなのかな? と、思っていると瑛子の目の前に立ち、手を引っ張り立たせ、抱き抱えてゴールに向かって走り出した。瑛子は驚いて
「神成君? なに?」
と言うと、神成緑は
「口を閉じていないと、舌を噛むよ」
と言ったので、瑛子は口を閉じた。神成緑はゴールまで駆け抜けた。係の生徒にメモを見せる。そこには『キラキラしたもの』と、書いてある。神成緑は
「俺にとってキラキラした者は瑛子しかいない」
と、答えた。係の生徒はニヤニヤしながら
「オッケーです!」
と言った。神成緑がちょっとキザなのは知っていたが、流石に瑛子は恥ずかしくなった。
「神成君、流石にふざけすぎ。私、恥ずかしいです」
と言うと、神成緑は
「瑛子にそんな顔させることができて、俺は満足。恥ずかしがってる瑛子は、可愛いよ」
と微笑んだ。瑛子は神成緑にからかわれてたと気づき
「もう! 神成君は悪趣味です」
と言って、振り向くとそこには、はでなキラキラしたヘアピンをつけたヒロインが立っていた。そしてヒロインは
「せっかく、こんな子供っぽいヘアピンまでつけて待ってたのに。またあんたが………」
と、瑛子を睨み付け、どこかに行ってしまった。神成緑は
「瑛子、彼女のことは無視した方がいい。ただ、変なことされないように気をつけよう」
と言った。瑛子は頷くと救護テントにもどった。しばらく救護テントでの対応に追われていると、あっという間にお昼休みになった。瑛子は来ているはずの両親を探した。
「瑛子、こっちだ!」
と言う勝の声に振り向くと、冴子と勝が校庭の隅の木陰に、レジャーシートを広げていた。瑛子は勝のところに行き
「お父さん、みんなに声かけてくるね」
と言って、みんなを呼びに言った。みんなも親が来ているかも知れなかったので、その時はしょうがないと思いつつ、教室を覗くと三人ともそこに集まっていた。瑛子が
「みんな、ここにいたんですね」
と言うと、逆に神成緑に
「瑛子、探した。良かった見つかって」
と言われて
「ごめんなさい、お父さんのところに少し行ってました」
と謝った。催馬楽学は
「怒ってる訳じゃなくて、一人で行動しないで声かけて欲しいだけだよ」
と微笑んだ。栗花落先輩が
「そうそう、あの丹家とか言う変な子にまた絡まれたんだろ? 危ないよ」
と、頭を撫でた。神成緑が
「さて、瑛子も無事だったし、瑛子のお父さんの手料理食べに行こう」
と、瑛子の背中に手をあてて、歩くように促した。瑛子が
「みなさんは、ご両親はいらしてないんですか?」
と、尋ねると神成緑が
「来てないよ、恥ずかしいから来るなって言った」
と言い、催馬楽学も頷き
「だよな。なんか、恥ずかしいよな」
と言った。栗花落先輩は
「家は忙しいから、来れないって」
と苦笑した。瑛子はまぁ、このぐらいの年齢だと、そんなもんなのかも。親の有り難みをあとになって気づくのよね~。と、しみじみしながらも
「そうなんですね? うちの両親物凄い量のお弁当作ってたんで、たくさん食べて下さい」
と微笑んだ。神成緑が
「瑛子があれだけ料理上手いってことは、瑛子のお父さんの料理も期待できそうだよね。楽しみだな」
と言うので、瑛子は
「今日は、母もお弁当作るの手伝ってくれたみたいなんで、期待しててください。母は料理凄く上手なんですよ」
と言って両親のいる場所まで案内した。
冴子と勝はレジャーシートの上に弁当を広げて待っていた。神成緑が
「美味しそうですね、本当にご馳走になっていいんですか?」
と訊いた、冴子は
「もちろんよ。みんなに食べてもらうために作ったんですから。ねぇパパ?」
と、勝に言うと、勝は頷き
「そうだね、みんな遠慮しないで食べなさい」
と言うと、座るように促し、おしぼりを配った。そして、両手を合わせて全員で
「いただきます!」
と言いうと、一斉に食べ始める。勝は瑛子に向き直り
「それにしても、瑛子は今日は大活躍だったね」
と言うと、冴子も頷き
「本当にこの子ったら、私たちトンビが鷹を生んじゃったみたいね」
と微笑んだ。瑛子はあまりの親バカっプリに恥ずかしくなり
「もう、いいから二人も食べなよ」
と、おにぎりを手渡した。と、そこにヒロインがやって来た。
「あれ? みんなここにいたんですね!」
と、当たり前のように、神成緑の隣にすわろうとした。勝が
「お嬢さんは、瑛子のお友達?」
と訊くと、ヒロインは笑顔で
「はい、丹家栞奈って言います」
と答えた。
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