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記憶
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なんとヘロヘロが空中に浮かんでいる。
だらりと手足をたらし、その目はうつろで意識があるのかないのか、ミリィが見つめていてもその表情は変わらない。
ラングがミリィの傍に立ち、厳しい表情のまま、説明を始めた。
「いま、あやつは夢うつつの状態にある。われらの魔法で、あやつの心を開かせ、もっとも古い記憶を掘り起こそうと思う。つまり、あやつの心の中に潜り込むということだな。ミリィよ、お前があやつを改心させると言うなら、あやつのすべてを知る必要がある」
ミリィは震えながらうなずいた。
ラングはやさしくミリィの肩を抱いた。
「いいかしっかりするのだぞ! お前が経験することは人間にはなしえないことだ。だが自分をしっかり掴んでいる限り、心配はない。自分が自分であるという意識を保っているのだ。できるかな?」
はい……と、ミリィはうなずいた。
よろしい、とラングは顎をひいた。
「それでは始める──いまより、このヘロヘロと名乗る存在の意識に潜り込む……」
そう言うや否や、ラングは目を閉じなにかを一心に祈り始めた。
背後のケイもまたラングにならい、目を閉じた。
広間のエルフたちも目を閉じ、祈りをささげた。
ラングの、ミリィの肩を掴むその手にちからがこめられる。
宙に浮かんだヘロヘロの顔が恐怖に歪んだ。
「やめろ……おれから出て行け……おれの心から出て行け……!」
弱々しくうめく。
ミリィもまた目を閉じていた。
頭の芯がじーん、と痺れるようで身体もまた他人のようだ。
閉じた目の奥に、ぼんやりとした映像が浮かんできた。
それは古い記憶だった。
だらりと手足をたらし、その目はうつろで意識があるのかないのか、ミリィが見つめていてもその表情は変わらない。
ラングがミリィの傍に立ち、厳しい表情のまま、説明を始めた。
「いま、あやつは夢うつつの状態にある。われらの魔法で、あやつの心を開かせ、もっとも古い記憶を掘り起こそうと思う。つまり、あやつの心の中に潜り込むということだな。ミリィよ、お前があやつを改心させると言うなら、あやつのすべてを知る必要がある」
ミリィは震えながらうなずいた。
ラングはやさしくミリィの肩を抱いた。
「いいかしっかりするのだぞ! お前が経験することは人間にはなしえないことだ。だが自分をしっかり掴んでいる限り、心配はない。自分が自分であるという意識を保っているのだ。できるかな?」
はい……と、ミリィはうなずいた。
よろしい、とラングは顎をひいた。
「それでは始める──いまより、このヘロヘロと名乗る存在の意識に潜り込む……」
そう言うや否や、ラングは目を閉じなにかを一心に祈り始めた。
背後のケイもまたラングにならい、目を閉じた。
広間のエルフたちも目を閉じ、祈りをささげた。
ラングの、ミリィの肩を掴むその手にちからがこめられる。
宙に浮かんだヘロヘロの顔が恐怖に歪んだ。
「やめろ……おれから出て行け……おれの心から出て行け……!」
弱々しくうめく。
ミリィもまた目を閉じていた。
頭の芯がじーん、と痺れるようで身体もまた他人のようだ。
閉じた目の奥に、ぼんやりとした映像が浮かんできた。
それは古い記憶だった。
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