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第二章 育ったお花から採れた種
09.王妃派の抵抗とマクベス国王
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「王妃殿下は皇帝だけでなく、弟君の第二皇子殿下とも親しくしておられ、その縁で第二皇子殿下は、以前のように追加の支援をしてくださると仰せです。国の状況を少しでもお考えくださるならば、王妃殿下に頭を下げ、第二皇子殿下との縁を望まれるべき時でございます。
陛下がビルワーツに多額の支払いをされたいのであれば止めはしませんが、その資金調達のためにも⋯⋯すぐにでも王妃殿下に謝罪され、第二皇子殿下に資金援助を願われますよう」
「今は第二皇子という立ち位置に甘んじておられますが、いずれ皇帝となられると言う噂もあります」
「現皇帝よりも知力武力共に優れておられ、王妃殿下の事を非常に大切に思っておいでなのです」
「⋯⋯ふむ、其方らは王妃に願い第二皇子に助力を頼むべきだと考えておるのじゃな。第二皇子とはそれほどの人物か? 仮にそうだとしても皇太子が即位すれば、どうなるか⋯⋯」
「ご安心ください! 皇太子が即位する事はあり得ないのです。継承権が一位であった為に取り敢えず皇太子となられただけで、皇帝も帝国貴族の方々も、第二皇子の立太子に動きはじめておられます」
「皇帝の追加援助がなくなったのは、現皇太子の横槍なのです。第二皇子が皇太子⋯⋯皇帝に就任されれば、今以上の支援をして下さると約束してくださいました」
「我ら一同、その日を待ち望んでおります。我が国が困窮しているのをいいことに、支援のふりをしつつ、貸付金を増やし続けたビルワーツ侯爵家こそ獅子身中の虫。王妃殿下はそれを憂いて、今回の婚約を取り付けようとなさったのです」
「この度の騒動はビルワーツが再三の王命を無視した結果。この国の領土にある資源は差し出して当然なのです!」
「そうか? 余にはそれが間違いに思えてならんだのだ⋯⋯ビルワーツは建国以来、領主権を持つ正式な領主として認められておる。特別な契約をしてはおるが、我が国の法に照らし合わせて考えるに、資源や資産を差し出さねばならぬ理由は見当たらぬ」
「それこそがビルワーツの手なのです! 王妃殿下も第二皇子殿下もお気付きでいらっしゃいます!」
「ほう、ならば其方らも資産を国に差し出すのだな? 確か内務大臣の領地では林業「お、お待ちください! 今は帝国とビルワーツの話でございます。我が領地の話ではございません!!」」
ビルワーツの資産を吐き出させたいのは、自分達は甘い汁を吸いたいから。火の粉が降りかかりそうになった大臣達は慌てて口を噤んだ。
「余には決めきれんのでな、今ここで決を取りたい。王妃と第二皇子に支援を頼むべきだと思う者は、余の右手側に。王妃達の思惑に従うべきではないと思う者は、余の左手側に移動せよ」
左右に分かれた貴族達の顔は両極端に分かれた。右に並んだ者達は、意気揚々と余裕のある顔つきで顎を上げ、左に並んだ者達は、緊張し切った顔で背を不自然に伸ばしている。
「ほう、右に並んだのが王妃一派というやつか。其方らには王妃の行いは正しく思えるのだな? 皇帝に似た考えの第二皇子が貴族達を集め、帝位簒奪を企てておるのは、お飾りの王である余の耳にまで入っておる。その旗持ちのひとりが王妃だと言うこともな。
王妃を支持し第二皇子に支援を願う其方らも、謀反の片棒を担いでおると見るべきじゃな」
「お、お待ち下さい! 我らは別に⋯⋯そのような大それたことなど考えておりません」
先程まで、マクベス国王に向けてせせら笑うような、陰湿な顔を浮かべていた軍務大臣が慌てはじめた。
「我々はただ⋯⋯以前までと同じ支援を第二皇子にお願いするべきだと考えているだけで、皇帝や帝国に対しては何ら思うことはありません」
先程まで気弱そうだったマクベスが、冷ややかな目で軍務大臣を睨みつけた時になって、漸く雲行きが怪しいと感じはじめた者達が顔を見合わせた。
「へ、陛下⋯⋯如何されましたか? あの⋯⋯」
「あの当時⋯⋯」
マクベスは右側に並んだ宰相達の顔を一人ずつ見ながら話しはじめた。
「あの当時、支援があれば国は立ち直るはずと我が国は欲を掻いたが、エロイーズはあれほど強引な手を使わなければ、どこにも輿入れさせる事が出来なかったのであろう。いずれにせよ、極貧国であったこの国では、帝国からの申し入れを断ることなど出来なんだがな。
その後、数えきれないほど支援金を送って貰いはしたが、国の為に使われたのは初めの2年程度。17年経った今でも王都の貴族街と主要な街道しか整備できておらず、その一部は既に老朽化しはじめておる。新しくなったと今でも言えるのは王宮のみ。
災害の起きた領地に予算を割り振ったことは? 大雨で氾濫した川の修繕費用は? 老朽化した橋の改修工事は? 森林火災が起きた時に国は何をした?
公共事業だ福祉だと議会で議論しておったが、その成果は?
何一つ⋯⋯結果は出ておらん。豪華な離宮が建設され、風光明媚な土地に温泉付きの別荘が建った。海のある国に行くには国を跨がねばならんと言うに、海岸近くに別荘を建て巨大な蒸気船を手に入れておるがな。
毎月王妃達が買い漁る品々、衣装や貴金属にどれほどの金が使われたか知っておる者は? 派手な夜会にどれだけの費用がかけられたか知っておるか?
国庫の金は架空の公共事業に支払われ、被災地域への支援に使ったとして、ゴーストカンパニーから架空請求が届き、王妃や宰相達、王妃派の懐に入っておる。
法務大臣は賭け事の補填、軍務大臣は金のかかる愛人がおる、内務大臣は他国に爵位と別荘を買うて溜め込んでおる。
騎士団団長達は名馬と武器、毎年他国の視察と言っては、競馬に注ぎ込んでおる。その他の者達も同じようにあれこれと⋯⋯。
皇帝が送り込んできた技術者や執政官達が何をしておるか、余が知らんと思うておるのであろう。悪質な接待を強要し平然と贈収賄を行い、脱税の手口は年々悪質化しておる。劣悪な商品を高値で押し付け利鞘を稼ぎ、密輸・人身売買⋯⋯。
それら全てが王妃と帝国の手の者のせいだとは言わぬ⋯⋯王国の貴族にも、それを見習う者達がゾロゾロと湧いておるのでな。
王妃や帝国に媚びへつらえば、これから先も甘い汁が吸えると思うておる者こそが、王国に巣食う獅子身中の虫に見えるのじゃが、其方らはどう思うかの?
それ程に王妃と第二皇子に心酔しておるならば、早々に帝国に行けば良かったものを⋯⋯」
諦めに似た溜め息を吐いたマクベスが、背筋を伸ばし低い声で宣言した。
「この者達は謁見の間で待機させよ。どのような理由があろうとも出ることは許さぬ。外出など許せば⋯⋯誰ぞの指示か本人の意思かは分からぬが、貴重品やら不正の証拠書類など、持ち出す輩がおるやもしれんでな。
カイル・デクスター、ビルワーツの兵が到着し次第この者達を拘束し牢に入れよ! ここから出ようとした者は、問答無用で打ち据える許可を与える。逃した者は此奴らと同罪と見做せ。
ビルワーツの兵を指揮し、宰相以下全員の執務室を徹底的に調べさせよ」
マクベスを支え続けた父の教えは⋯⋯。
『諦めるまでは可能性が残っておると言うことだから』
王宮には隠し通路が存在し、主だった部屋のほとんどに通じている。それを知っているのは今ではマクベスただ一人。
(部屋に篭っておった余があちこち調べ回っていたとは気付いておらんかったようじゃ⋯⋯鼠には鼠なりのやり方がある⋯⋯此奴らの驚く顔がようやく見れた。さて、次は⋯⋯いや、その前に余を鼓舞してくれた、聡明なる少女に礼をせねば)
「アメリア・ビルワーツ。其方の勇気と慧眼に心より感服し礼を言う」
「ありがたきお言葉、身に余る光栄でございます」
「ビルワーツよ、良い子を持ったな」
「はい、最高にして最愛の娘でございます」
レイモンドがうっかりアメリアの頭を撫でてしまい、睨まれたのを見たマクベスが吹き出した。
(こうして見ると年相応の娘に見える⋯⋯ああ、そうか。アメリアの真っ直ぐな目は、リディアとよく似ておる)
「ビルワーツ、これより国は大きく揺れるであろう。多くの犯罪者が摘発され、人手不足になるは必定。其方の手を望むのは強欲であろうか?」
「ビルワーツ侯爵家は、今も昔もアルムヘイル王国の忠実なる臣下でございます。微力ながら、誠心誠意努めさせていただきたいと存じます」
マクベス国王の不安そうな態度が、王妃一派を見分ける演技だったと気付いていたのは⋯⋯。
(気の弱いお飾りも、演技だったのかもしれませんな。なかなかの策士ぶりに少し驚きました)
王妃の部屋からは大量の貴金属だけでなく、危険な手紙の数々とそれに与する者35名の契約書が発見された。
『第二皇子殿下が即位する日をお待ち申し上げております』
『無能な皇太子を排除する為に、助力を惜しまないとお約束致します』
『エメラルド鉱山だけでなくダイヤモンド鉱山も手土産に』
エロイーズは北の塔に幽閉され、宰相以下の王妃派も牢へ収監された。
その日の内に、ビルワーツ侯爵家から関係各国に魔法郵便が届けられた。
『アルムヘイル王国エロイーズ王妃殿下幽閉、王宮内私室より犯罪の証拠多数発見。罪名、国家転覆罪・不敬罪・横領・贈収賄・恐喝・殺人教唆・帝位簒奪幇助他。
王妃派の宰相以下複数名も同罪にて牢に収監され、取り調べを待つ』
皇太子には、今回の会話の一部始終が記録された魔導具が追加で届けられた。
陛下がビルワーツに多額の支払いをされたいのであれば止めはしませんが、その資金調達のためにも⋯⋯すぐにでも王妃殿下に謝罪され、第二皇子殿下に資金援助を願われますよう」
「今は第二皇子という立ち位置に甘んじておられますが、いずれ皇帝となられると言う噂もあります」
「現皇帝よりも知力武力共に優れておられ、王妃殿下の事を非常に大切に思っておいでなのです」
「⋯⋯ふむ、其方らは王妃に願い第二皇子に助力を頼むべきだと考えておるのじゃな。第二皇子とはそれほどの人物か? 仮にそうだとしても皇太子が即位すれば、どうなるか⋯⋯」
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「我ら一同、その日を待ち望んでおります。我が国が困窮しているのをいいことに、支援のふりをしつつ、貸付金を増やし続けたビルワーツ侯爵家こそ獅子身中の虫。王妃殿下はそれを憂いて、今回の婚約を取り付けようとなさったのです」
「この度の騒動はビルワーツが再三の王命を無視した結果。この国の領土にある資源は差し出して当然なのです!」
「そうか? 余にはそれが間違いに思えてならんだのだ⋯⋯ビルワーツは建国以来、領主権を持つ正式な領主として認められておる。特別な契約をしてはおるが、我が国の法に照らし合わせて考えるに、資源や資産を差し出さねばならぬ理由は見当たらぬ」
「それこそがビルワーツの手なのです! 王妃殿下も第二皇子殿下もお気付きでいらっしゃいます!」
「ほう、ならば其方らも資産を国に差し出すのだな? 確か内務大臣の領地では林業「お、お待ちください! 今は帝国とビルワーツの話でございます。我が領地の話ではございません!!」」
ビルワーツの資産を吐き出させたいのは、自分達は甘い汁を吸いたいから。火の粉が降りかかりそうになった大臣達は慌てて口を噤んだ。
「余には決めきれんのでな、今ここで決を取りたい。王妃と第二皇子に支援を頼むべきだと思う者は、余の右手側に。王妃達の思惑に従うべきではないと思う者は、余の左手側に移動せよ」
左右に分かれた貴族達の顔は両極端に分かれた。右に並んだ者達は、意気揚々と余裕のある顔つきで顎を上げ、左に並んだ者達は、緊張し切った顔で背を不自然に伸ばしている。
「ほう、右に並んだのが王妃一派というやつか。其方らには王妃の行いは正しく思えるのだな? 皇帝に似た考えの第二皇子が貴族達を集め、帝位簒奪を企てておるのは、お飾りの王である余の耳にまで入っておる。その旗持ちのひとりが王妃だと言うこともな。
王妃を支持し第二皇子に支援を願う其方らも、謀反の片棒を担いでおると見るべきじゃな」
「お、お待ち下さい! 我らは別に⋯⋯そのような大それたことなど考えておりません」
先程まで、マクベス国王に向けてせせら笑うような、陰湿な顔を浮かべていた軍務大臣が慌てはじめた。
「我々はただ⋯⋯以前までと同じ支援を第二皇子にお願いするべきだと考えているだけで、皇帝や帝国に対しては何ら思うことはありません」
先程まで気弱そうだったマクベスが、冷ややかな目で軍務大臣を睨みつけた時になって、漸く雲行きが怪しいと感じはじめた者達が顔を見合わせた。
「へ、陛下⋯⋯如何されましたか? あの⋯⋯」
「あの当時⋯⋯」
マクベスは右側に並んだ宰相達の顔を一人ずつ見ながら話しはじめた。
「あの当時、支援があれば国は立ち直るはずと我が国は欲を掻いたが、エロイーズはあれほど強引な手を使わなければ、どこにも輿入れさせる事が出来なかったのであろう。いずれにせよ、極貧国であったこの国では、帝国からの申し入れを断ることなど出来なんだがな。
その後、数えきれないほど支援金を送って貰いはしたが、国の為に使われたのは初めの2年程度。17年経った今でも王都の貴族街と主要な街道しか整備できておらず、その一部は既に老朽化しはじめておる。新しくなったと今でも言えるのは王宮のみ。
災害の起きた領地に予算を割り振ったことは? 大雨で氾濫した川の修繕費用は? 老朽化した橋の改修工事は? 森林火災が起きた時に国は何をした?
公共事業だ福祉だと議会で議論しておったが、その成果は?
何一つ⋯⋯結果は出ておらん。豪華な離宮が建設され、風光明媚な土地に温泉付きの別荘が建った。海のある国に行くには国を跨がねばならんと言うに、海岸近くに別荘を建て巨大な蒸気船を手に入れておるがな。
毎月王妃達が買い漁る品々、衣装や貴金属にどれほどの金が使われたか知っておる者は? 派手な夜会にどれだけの費用がかけられたか知っておるか?
国庫の金は架空の公共事業に支払われ、被災地域への支援に使ったとして、ゴーストカンパニーから架空請求が届き、王妃や宰相達、王妃派の懐に入っておる。
法務大臣は賭け事の補填、軍務大臣は金のかかる愛人がおる、内務大臣は他国に爵位と別荘を買うて溜め込んでおる。
騎士団団長達は名馬と武器、毎年他国の視察と言っては、競馬に注ぎ込んでおる。その他の者達も同じようにあれこれと⋯⋯。
皇帝が送り込んできた技術者や執政官達が何をしておるか、余が知らんと思うておるのであろう。悪質な接待を強要し平然と贈収賄を行い、脱税の手口は年々悪質化しておる。劣悪な商品を高値で押し付け利鞘を稼ぎ、密輸・人身売買⋯⋯。
それら全てが王妃と帝国の手の者のせいだとは言わぬ⋯⋯王国の貴族にも、それを見習う者達がゾロゾロと湧いておるのでな。
王妃や帝国に媚びへつらえば、これから先も甘い汁が吸えると思うておる者こそが、王国に巣食う獅子身中の虫に見えるのじゃが、其方らはどう思うかの?
それ程に王妃と第二皇子に心酔しておるならば、早々に帝国に行けば良かったものを⋯⋯」
諦めに似た溜め息を吐いたマクベスが、背筋を伸ばし低い声で宣言した。
「この者達は謁見の間で待機させよ。どのような理由があろうとも出ることは許さぬ。外出など許せば⋯⋯誰ぞの指示か本人の意思かは分からぬが、貴重品やら不正の証拠書類など、持ち出す輩がおるやもしれんでな。
カイル・デクスター、ビルワーツの兵が到着し次第この者達を拘束し牢に入れよ! ここから出ようとした者は、問答無用で打ち据える許可を与える。逃した者は此奴らと同罪と見做せ。
ビルワーツの兵を指揮し、宰相以下全員の執務室を徹底的に調べさせよ」
マクベスを支え続けた父の教えは⋯⋯。
『諦めるまでは可能性が残っておると言うことだから』
王宮には隠し通路が存在し、主だった部屋のほとんどに通じている。それを知っているのは今ではマクベスただ一人。
(部屋に篭っておった余があちこち調べ回っていたとは気付いておらんかったようじゃ⋯⋯鼠には鼠なりのやり方がある⋯⋯此奴らの驚く顔がようやく見れた。さて、次は⋯⋯いや、その前に余を鼓舞してくれた、聡明なる少女に礼をせねば)
「アメリア・ビルワーツ。其方の勇気と慧眼に心より感服し礼を言う」
「ありがたきお言葉、身に余る光栄でございます」
「ビルワーツよ、良い子を持ったな」
「はい、最高にして最愛の娘でございます」
レイモンドがうっかりアメリアの頭を撫でてしまい、睨まれたのを見たマクベスが吹き出した。
(こうして見ると年相応の娘に見える⋯⋯ああ、そうか。アメリアの真っ直ぐな目は、リディアとよく似ておる)
「ビルワーツ、これより国は大きく揺れるであろう。多くの犯罪者が摘発され、人手不足になるは必定。其方の手を望むのは強欲であろうか?」
「ビルワーツ侯爵家は、今も昔もアルムヘイル王国の忠実なる臣下でございます。微力ながら、誠心誠意努めさせていただきたいと存じます」
マクベス国王の不安そうな態度が、王妃一派を見分ける演技だったと気付いていたのは⋯⋯。
(気の弱いお飾りも、演技だったのかもしれませんな。なかなかの策士ぶりに少し驚きました)
王妃の部屋からは大量の貴金属だけでなく、危険な手紙の数々とそれに与する者35名の契約書が発見された。
『第二皇子殿下が即位する日をお待ち申し上げております』
『無能な皇太子を排除する為に、助力を惜しまないとお約束致します』
『エメラルド鉱山だけでなくダイヤモンド鉱山も手土産に』
エロイーズは北の塔に幽閉され、宰相以下の王妃派も牢へ収監された。
その日の内に、ビルワーツ侯爵家から関係各国に魔法郵便が届けられた。
『アルムヘイル王国エロイーズ王妃殿下幽閉、王宮内私室より犯罪の証拠多数発見。罪名、国家転覆罪・不敬罪・横領・贈収賄・恐喝・殺人教唆・帝位簒奪幇助他。
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