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第二章 育ったお花から採れた種
04.戦闘準備完了のアメリアが本気で潰しにきた!
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「盛大な夢物語を描いて酔いしれてた分、荒れ狂うと思うぞ? アレが何を考えどんな方法を取るつもりでも、そんな時間などやらんがな」
「ですね。話し合いの場であの方を確実に仕留めるので、遠くの方が動かないようにお願いします」
「ああ、長男がもう少し頑張っていれば良かったんだが⋯⋯恩を着せるのにちょうどいいと思う事にするか」
皇帝の権力はかなり翳りを見せているが、第二皇子がその穴をせっせと埋めているのが現状。
皇太子になった第一皇子は、他国の政府・議会関係者・学識経験者とのネットワークを作り連携を深めている。属国に主権を戻し、友好国や同盟国を増やすのが目的のようだが、他国に目が向いている隙を第二皇子派に狙われている。
「足元が疎かになった方の典型例ですね。お父様にお母様や執事のジョーンズがいるように、あちらの方も良い参謀を迎えられたらいいと思います」
領地の全てを差配するのは勿論レイモンドだが、セレナは家政の取り仕切りだけでなく、レイモンドの補佐のような仕事もしている。まさに琴瑟相和の見本のような夫婦。
「仕事の漏れや不足はセレナが気付いて指摘してくれるから、妻で参謀なのは間違いないな。ジョーンズくらい真顔でディスってくる奴がいれば、怖すぎて真面目に働きたくなるし」
(アメリアには、セレナの綿密に計画を練る慎重さと、ジョーンズの先を読んで手を打つ腹黒さが備わって⋯⋯俺でも勝てる気がせん)
(アメリアは、レイの大胆すぎる行動力と、周りを引き込むカリスマ性を受け継いでるわ。昔から、一度決めたら絶対に意見を変えなかったけど、そう言うところまで父親にそっくりだわ)
「皇太子には既に脅しをかけてある。来週やる話し合いの状況を全部記録して、奴等が裏工作を思いつく前に各国に一斉に流してやる。皇太子がそれを上手く利用できれば、クソ親父も調子づいた弟も抑え込めるだろう」
レイモンドが皇太子に送った、非常に丁寧な書状の内容を要約すると⋯⋯。
『脳筋と二枚舌を大人しくさせとけ! でなきゃこっちにも考えがあるからな!』
「そうなれば本当に恩を売れて、二度と手を出される事がなりますね」
「だが、アレの子分は国のあちこちに蔓延してるから、取りっぱぐれは確実に出る。十分に気を付けておかないとな」
「ビルワーツを皆殺しにすれば王領にできると考えそうですから、あの方が使える全ての戦力でかかってきそうですね。
それについてはお父様にお願いします。私では兵への指示は上手くいかないと思います」
「ああ、すでに手は打ってある。そっちが上手く動けば、話し合いの当日は面白いことになるだろう」
夜会の半月前、マーチャント伯爵に依頼して密かに国王の許可をもぎ取ったレイモンドは、多くの兵を呼び寄せた。
『我が友は王国に対し謀反を企てる予定はございませんが、あの方達から愛する娘を守る術をお許し願いたく⋯⋯とのことでございます』
国王が今まで通りに日和る⋯⋯エロイーズ達の暴走を放置するなら、武力で対抗する事も辞さないと言うビルワーツ侯爵からの最終通告。
マクベス国王は元々無能だったわけではない。運が悪すぎて足掻くことさえ許されず、哀れな傀儡になるしかなかった、この国で最も不運な男だろう。
(陛下がこれをどう利用するか⋯⋯14歳の少女でさえ立ち向かおうとしてるのに、お飾りを続けるなら見限るしかあるまい)
結婚間近の婚約者がいたにも関わらず、ジュリエッタ嬢はその夜から王宮に留まり続け、ランドルフ王太子と二人で部屋に籠る毎日を過ごしていた。
社交界は勿論のこと、開かれた緊急議会も紛糾したが、本人達は何も気にしていないらしく、部屋から出てくる様子もない。
「他国の賓客を前にあのような騒ぎを起こすなど、一体何を考えておられるのですか!?」
「調べてみれば、貧乏子爵家ではありませんか! 今の王国に、金のない低位貴族の妃を受け入れる余裕などありませんぞ」
ジュリエッタ嬢は猫の額ほどの領地を持ち、質素倹約をモットーに生きるダンビール子爵家の令嬢で、持参金を準備する余裕などかけらもなかった。
「馬鹿馬鹿しい! 紛い物の小娘が真実の愛に負けただけじゃない」
「ならば、この責任は王妃殿下が引き受けてくださるのですな」
エロイーズの腰巾着達が、大騒ぎして詰め寄っているのは、王妃と共に『あれもこれも、ビルワーツの払いだぁぁ!』と、高級品を買い漁ったからだろう。
(あの時の支払いを、こっちに回されてはかなわん!)
「あの小娘にランドルフを引き留められる魅力がなかっただけじゃない! 資産しか取り柄のない、惨めな娘だって言ってやれば、恥ずかしすぎて領地に逃げ帰るわ!」
夜会から一週間後、謁見の間に集められたのは王侯貴族一同。ただし、呼び出しに応じなかった当事者二人は、今も部屋で愛の確認作業中。
二代続く王家の不祥事で傷を負ったのは、またもやビルワーツ侯爵家で、ここまでくると呪われているのではないかと噂されるほどの状況だが、今日もビルワーツ一家は平然としている。
「此度はランドルフ王太子が申し訳なかった。王命を出してまでビルワーツ侯爵家に命じた婚約が、このような結果になるとは⋯⋯」
マクベス国王が謝罪したのが気に入らないエロイーズが、鼻を鳴らしアメリア達を睨みつけた。
「婚約式の前であったことが、唯一の救いと言えるやも知れぬが⋯⋯この詫びにビルワーツ侯爵家は何を望む? 国を離反することだけは叶えてやれぬが⋯⋯できる限りの望みを叶えたいと思うておる」
エロイーズの陰で小さくなってばかりだったマクベス国王の、初めて見る国王らしい台詞に驚く中で、アメリアが発言の許可を願い出た。
「忌憚なく申してみよ。この場での会話は不敬に問わぬと約束する」
「アメリア・ビルワーツでございます。陛下の御温情を賜り、侯爵家代表として発言させていただきます。
ビルワーツ侯爵家は『この始末、どうつけるつもりか』などとは申しません。
ランドルフ王太子殿下とダンビール子爵令嬢におかれては、真実の愛を見つけられたとの事、誠におめでとうございます。ビルワーツ侯爵家を代表し、心よりお祝いを申し上げます」
発言したのはレイモンドではなく、僅か14歳の少女。日頃のアメリアを知るレイモンドやセレナの友人は、驚きを隠せなかった。
(興味のある事にはどこまでも突っ走り、本を読みながら歩いて、壁に激突するあのアメリアが⋯⋯)
「そ、それはつまり⋯⋯ビルワーツ侯爵家は今回の件を不問にしてくださると言う事でしょうか?」
誰もが口を閉ざす中で、恐る恐る声を上げたのは、婚姻前契約書の作成時に立ち会った法務大臣。
「婚約は候補のままで終わり、法的に言えば私自身にもビルワーツ侯爵家にも瑕疵がつかず終わりましたが、残念ながら不問とするわけにはいかない項目がございます」
「聡明なご令嬢であれば、我が国の状況をある程度はご存知かと思われます。であれば⋯⋯新たに場を設け、ご相談致したく思っております」
財務大臣が伝えたいのは『王家は文無し』だということ。夜会にかかった費用の負担を少しでも減らしたいのだろう。
「まだ学園に通う年にもならぬ若輩者故、至らぬ点も多いと存じますが、父から今回の件について一任されておりますので、最後までお聞き届けいただけますれば幸いと存じます」
大人顔負けの貴族然とした態度と表情や口調に『子供のくせに』と侮っていた者達が顔を引き攣らせた。
(これがビルワーツ侯爵家の次期当主!? 王侯貴族を前にして、これ程までに堂々としているとは⋯⋯アメリア嬢が天才だと言うのはただの噂だとばかり)
「婚約者候補ならば何の問題もなく終わっておりましたこの度の件は、他国の王侯貴族も招いた盛大な夜会にての出来事でございます。
しかも、不思議な事に招待状には家名と私の名前が、婚約者として明記されておりました。他国や社交界からは既に婚約は成立していたと受け取られ、婚約破棄された傷物令嬢の扱いとなるのは必定」
通常であれば、婚約確定前の招待状に候補者の名前を明記するなどあり得ないが、今回フルネームで記載されたのはエロイーズの浅知恵。
『ふふっ、他国まで名前が公になれば逃げだしたりできないわ』
準備の忙しさにかまけ、招待状の文言まで確認しなかったのが誰の手落ちだったのか⋯⋯責任を逃れようとした何人かが、列の後ろに隠れ込んだ。
「招待状の記載内容につきましては、王国主導で事実の公表をお願いしたいと思っております。
招待状に記載された令嬢は夜会の時点では単なる候補者であり、婚約の事実はないと言う事。今回の婚約者候補の変更については、ビルワーツ侯爵家及びアメリア・ビルワーツにはなんら瑕疵はなく、ランドルフ王太子殿下が偶然会場で出会った令嬢と、真実の愛に目覚めた。
以上二点については、王国だけでなく、招待された方々の国の王侯貴族にも、知らしめていただきます」
「貴族まで⋯⋯各王家への連絡であれば可能ですが、貴族までとなると些か無理がありすぎるでしょうな」
反対したのはまだ怪我が治りきっていない宰相だった。エロイーズの指示に失敗して大怪我を負わされたが、ここで巻き返せばまだチャンスがあると信じている。
(こんな小娘の話を真面に聞くなんて流石お飾りの王。武勇の誉高い皇帝なら、とっくに首を刎ねておられるわ)
「ですね。話し合いの場であの方を確実に仕留めるので、遠くの方が動かないようにお願いします」
「ああ、長男がもう少し頑張っていれば良かったんだが⋯⋯恩を着せるのにちょうどいいと思う事にするか」
皇帝の権力はかなり翳りを見せているが、第二皇子がその穴をせっせと埋めているのが現状。
皇太子になった第一皇子は、他国の政府・議会関係者・学識経験者とのネットワークを作り連携を深めている。属国に主権を戻し、友好国や同盟国を増やすのが目的のようだが、他国に目が向いている隙を第二皇子派に狙われている。
「足元が疎かになった方の典型例ですね。お父様にお母様や執事のジョーンズがいるように、あちらの方も良い参謀を迎えられたらいいと思います」
領地の全てを差配するのは勿論レイモンドだが、セレナは家政の取り仕切りだけでなく、レイモンドの補佐のような仕事もしている。まさに琴瑟相和の見本のような夫婦。
「仕事の漏れや不足はセレナが気付いて指摘してくれるから、妻で参謀なのは間違いないな。ジョーンズくらい真顔でディスってくる奴がいれば、怖すぎて真面目に働きたくなるし」
(アメリアには、セレナの綿密に計画を練る慎重さと、ジョーンズの先を読んで手を打つ腹黒さが備わって⋯⋯俺でも勝てる気がせん)
(アメリアは、レイの大胆すぎる行動力と、周りを引き込むカリスマ性を受け継いでるわ。昔から、一度決めたら絶対に意見を変えなかったけど、そう言うところまで父親にそっくりだわ)
「皇太子には既に脅しをかけてある。来週やる話し合いの状況を全部記録して、奴等が裏工作を思いつく前に各国に一斉に流してやる。皇太子がそれを上手く利用できれば、クソ親父も調子づいた弟も抑え込めるだろう」
レイモンドが皇太子に送った、非常に丁寧な書状の内容を要約すると⋯⋯。
『脳筋と二枚舌を大人しくさせとけ! でなきゃこっちにも考えがあるからな!』
「そうなれば本当に恩を売れて、二度と手を出される事がなりますね」
「だが、アレの子分は国のあちこちに蔓延してるから、取りっぱぐれは確実に出る。十分に気を付けておかないとな」
「ビルワーツを皆殺しにすれば王領にできると考えそうですから、あの方が使える全ての戦力でかかってきそうですね。
それについてはお父様にお願いします。私では兵への指示は上手くいかないと思います」
「ああ、すでに手は打ってある。そっちが上手く動けば、話し合いの当日は面白いことになるだろう」
夜会の半月前、マーチャント伯爵に依頼して密かに国王の許可をもぎ取ったレイモンドは、多くの兵を呼び寄せた。
『我が友は王国に対し謀反を企てる予定はございませんが、あの方達から愛する娘を守る術をお許し願いたく⋯⋯とのことでございます』
国王が今まで通りに日和る⋯⋯エロイーズ達の暴走を放置するなら、武力で対抗する事も辞さないと言うビルワーツ侯爵からの最終通告。
マクベス国王は元々無能だったわけではない。運が悪すぎて足掻くことさえ許されず、哀れな傀儡になるしかなかった、この国で最も不運な男だろう。
(陛下がこれをどう利用するか⋯⋯14歳の少女でさえ立ち向かおうとしてるのに、お飾りを続けるなら見限るしかあるまい)
結婚間近の婚約者がいたにも関わらず、ジュリエッタ嬢はその夜から王宮に留まり続け、ランドルフ王太子と二人で部屋に籠る毎日を過ごしていた。
社交界は勿論のこと、開かれた緊急議会も紛糾したが、本人達は何も気にしていないらしく、部屋から出てくる様子もない。
「他国の賓客を前にあのような騒ぎを起こすなど、一体何を考えておられるのですか!?」
「調べてみれば、貧乏子爵家ではありませんか! 今の王国に、金のない低位貴族の妃を受け入れる余裕などありませんぞ」
ジュリエッタ嬢は猫の額ほどの領地を持ち、質素倹約をモットーに生きるダンビール子爵家の令嬢で、持参金を準備する余裕などかけらもなかった。
「馬鹿馬鹿しい! 紛い物の小娘が真実の愛に負けただけじゃない」
「ならば、この責任は王妃殿下が引き受けてくださるのですな」
エロイーズの腰巾着達が、大騒ぎして詰め寄っているのは、王妃と共に『あれもこれも、ビルワーツの払いだぁぁ!』と、高級品を買い漁ったからだろう。
(あの時の支払いを、こっちに回されてはかなわん!)
「あの小娘にランドルフを引き留められる魅力がなかっただけじゃない! 資産しか取り柄のない、惨めな娘だって言ってやれば、恥ずかしすぎて領地に逃げ帰るわ!」
夜会から一週間後、謁見の間に集められたのは王侯貴族一同。ただし、呼び出しに応じなかった当事者二人は、今も部屋で愛の確認作業中。
二代続く王家の不祥事で傷を負ったのは、またもやビルワーツ侯爵家で、ここまでくると呪われているのではないかと噂されるほどの状況だが、今日もビルワーツ一家は平然としている。
「此度はランドルフ王太子が申し訳なかった。王命を出してまでビルワーツ侯爵家に命じた婚約が、このような結果になるとは⋯⋯」
マクベス国王が謝罪したのが気に入らないエロイーズが、鼻を鳴らしアメリア達を睨みつけた。
「婚約式の前であったことが、唯一の救いと言えるやも知れぬが⋯⋯この詫びにビルワーツ侯爵家は何を望む? 国を離反することだけは叶えてやれぬが⋯⋯できる限りの望みを叶えたいと思うておる」
エロイーズの陰で小さくなってばかりだったマクベス国王の、初めて見る国王らしい台詞に驚く中で、アメリアが発言の許可を願い出た。
「忌憚なく申してみよ。この場での会話は不敬に問わぬと約束する」
「アメリア・ビルワーツでございます。陛下の御温情を賜り、侯爵家代表として発言させていただきます。
ビルワーツ侯爵家は『この始末、どうつけるつもりか』などとは申しません。
ランドルフ王太子殿下とダンビール子爵令嬢におかれては、真実の愛を見つけられたとの事、誠におめでとうございます。ビルワーツ侯爵家を代表し、心よりお祝いを申し上げます」
発言したのはレイモンドではなく、僅か14歳の少女。日頃のアメリアを知るレイモンドやセレナの友人は、驚きを隠せなかった。
(興味のある事にはどこまでも突っ走り、本を読みながら歩いて、壁に激突するあのアメリアが⋯⋯)
「そ、それはつまり⋯⋯ビルワーツ侯爵家は今回の件を不問にしてくださると言う事でしょうか?」
誰もが口を閉ざす中で、恐る恐る声を上げたのは、婚姻前契約書の作成時に立ち会った法務大臣。
「婚約は候補のままで終わり、法的に言えば私自身にもビルワーツ侯爵家にも瑕疵がつかず終わりましたが、残念ながら不問とするわけにはいかない項目がございます」
「聡明なご令嬢であれば、我が国の状況をある程度はご存知かと思われます。であれば⋯⋯新たに場を設け、ご相談致したく思っております」
財務大臣が伝えたいのは『王家は文無し』だということ。夜会にかかった費用の負担を少しでも減らしたいのだろう。
「まだ学園に通う年にもならぬ若輩者故、至らぬ点も多いと存じますが、父から今回の件について一任されておりますので、最後までお聞き届けいただけますれば幸いと存じます」
大人顔負けの貴族然とした態度と表情や口調に『子供のくせに』と侮っていた者達が顔を引き攣らせた。
(これがビルワーツ侯爵家の次期当主!? 王侯貴族を前にして、これ程までに堂々としているとは⋯⋯アメリア嬢が天才だと言うのはただの噂だとばかり)
「婚約者候補ならば何の問題もなく終わっておりましたこの度の件は、他国の王侯貴族も招いた盛大な夜会にての出来事でございます。
しかも、不思議な事に招待状には家名と私の名前が、婚約者として明記されておりました。他国や社交界からは既に婚約は成立していたと受け取られ、婚約破棄された傷物令嬢の扱いとなるのは必定」
通常であれば、婚約確定前の招待状に候補者の名前を明記するなどあり得ないが、今回フルネームで記載されたのはエロイーズの浅知恵。
『ふふっ、他国まで名前が公になれば逃げだしたりできないわ』
準備の忙しさにかまけ、招待状の文言まで確認しなかったのが誰の手落ちだったのか⋯⋯責任を逃れようとした何人かが、列の後ろに隠れ込んだ。
「招待状の記載内容につきましては、王国主導で事実の公表をお願いしたいと思っております。
招待状に記載された令嬢は夜会の時点では単なる候補者であり、婚約の事実はないと言う事。今回の婚約者候補の変更については、ビルワーツ侯爵家及びアメリア・ビルワーツにはなんら瑕疵はなく、ランドルフ王太子殿下が偶然会場で出会った令嬢と、真実の愛に目覚めた。
以上二点については、王国だけでなく、招待された方々の国の王侯貴族にも、知らしめていただきます」
「貴族まで⋯⋯各王家への連絡であれば可能ですが、貴族までとなると些か無理がありすぎるでしょうな」
反対したのはまだ怪我が治りきっていない宰相だった。エロイーズの指示に失敗して大怪我を負わされたが、ここで巻き返せばまだチャンスがあると信じている。
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