10 / 55
10.会議と処女は皿の上で踊る
しおりを挟む
カッ。カッ。カッ。
Aの目の前を、レスターが足音も高らかに行ったり来たりを繰り返している。おまけに手には乗馬鞭を携えている。何に使うのかなんて、聞くまでもない。
「お間抜けさん。どうして尻尾のひとつも振れないのぉ?」
腰を高く上げた四つん這い状態のAの腰に座り、セラフィムがきゃらきゃらと冷笑を浴びせてくる。見た目は少年とはいえ、血肉の通った人間だ。それなりに重い。おまけにわざと勢いをつけて跳ねたりする。骨盤が歪んでしまいそうだ。セラフィムの生体家具の気が知れない。
文句を言って振り落としてやりたいが、口には猿ぐつわを噛まされ、両手首はガッチリ縛られている。こんなところで実感したくなかったが、さすがプロだ。
「ヴァルプルギスの夜まで三か月どころか、二か月半しかない。
これで保証人を用意できないんじゃ、この店の評判、ガタ落ちだよ。マダムたちの顔が目に浮かぶなあ……」
ヴィクトルは控室の壁に凭れて、両腕を組んだ。完全に失敗を見越しているのだろう。表情が暗い。
「……N、眠いならもたれろ」
長椅子に座るEの肩に、船を漕いでいたNが体重を掛けた。
ヴォルテールの営業時間はとっくに過ぎている。Aの不始末で、全員を集めた反省会が開かれることになったのだ。
ハイチェアに座るクレハドールも、誰にはばかることなく大あくびをしている。彼は我関せずといったふうで、成り行きを見守っている。身体の自由を奪われ椅子にされているAにも、なんの感情も抱いていない様子だ。
「大体、俺はクリニックと言ったはずだ。それがどうして、貴族相手のサロンになるんだ」
くるだろうなと思っていた指摘が、やはり来た。
Eに謝ろうと顔を上げたが、カッと鋭い音を発てて視界を阻んだ革靴の踵に阻まれてしまった。
「我々にクリニックのノウハウがないからですよ。第一、貴族だけを対象にするわけではありません」
「保証人が貴族では集まる人間も偏る。俺は、新興の事業家から一般市民まで、人を選ばない場所が欲しい」
Eは落ち着きや冷静を装っていたが、明らかに苛立ちを内包している。
「へえ? あなたがねえ」
レスターはご冗談でしょ、と言わんばかりの視線でEを舐めた。挑発的に乗馬鞭を手の中で弄んでいる。チップが黒革の手袋を嵌めた手のひらを打ち、音を発てる。
空気が緊迫して、今にも破裂しそうだ。
「サロンを強行したら、Nと出ていくおつもりですか?」
Aは全身をビクンと震わせる。
引き金を引かれた。Eとレスターは性格的に合わないだろうと、Aもそれとなく気を使っていた。彼らもお互いに感じ取って、一定の距離を置いていた節がある。
今夜は近すぎる。
どちらも理詰めで自分の主張を貫こうとするだろう。妥協案が見いだせなければ、それこそヴォルテールはヴァルプルギスの夜を待たずに、空中分解へ向けて一直線だ。
「ンーっ!」
Aは両肩に力を入れ、出来る限り顔を上げようとした。
「家具は喋らない」
冷徹なセラフィムの宣言と共に、バチッと何かが爆ぜた。床が一瞬白い光を照り返す。
Aは悶絶して崩れ落ちた。生理的な涙がはじけ飛ぶ。腹を強かに打ち付け、しかし、うめき声を上げることすらできない。呼吸すら不可能だ。
唇が震えて閉じることができない。猿ぐつわが唾液を含み始める。
こいつスタンガン使いやがった。
怒りよりも驚愕が先立つ。
セラフィムは腰に手を当て、悪ガキの顔でAを覗き込んでいる。遠慮せずに、さっさと張り倒しておけばよかったと後悔した。
「……俺は出ていくのか?」
電流のせいで耳鳴りが酷かったが、Nの声が微かに聞こえる。
スタンガンで動けないAとは対照的に、まだ半分眠っているようだ。
「そんな話は聞いていない」
「N、後で話す」
「今話せば良いじゃないですか! Nの意見を無視するなんて、よくないと思いますよ」
クレハドールは、さっきまでの眠そうな態度はどこへやら。急に生き生きし始めた。踊りだしそうな勢いでハイチェアから長椅子まで駆け寄り、三人掛けの隙間に細い身体をねじ込む。
Aはまだ動けないまま、クレハドールを苦く見上げた。
「おやおや。それでは、やはりサロンで行くしかないようですね。それとも、あなただけ辞めます?」
Eは無言でレスターを睨む。
睨み返すことも、勝ち誇ることもせずに、レスターはAの前に踵を返した。
目の前に、磨き抜かれた革靴が映る。
奴隷の視界だ。これ以上に屈辱的な視界があるだろうか。
「さて、今度はこっちの問題です。
このおばかさんをどうやって二カ月半で、貴族に気に入られるように調教しましょうか。
広くご意見を賜りたいですね。なにしろ、私の手には余ります」
Aはまだ痺れが残る身体を意地だけで反転させた。両手が後ろ手に縛られているので背が床に付くことはなかったが、うつ伏せのまま見下ろされるよりはまだマシだった。
「垢ぬけない格好をどうにかしたいよね」
セラフィムがAの右肩の脇に立った。
「もう少し色気が欲しいかな」
ヴィクトルが壁から離れて、左肩の脇に。
「下っ端根性が染みついてるのがなあ」
クレハドールが長椅子から利き足だけを、右手近くに放り投げる。
「プレイへの知識が足りない」
Eが席を立ち、左手の側へ立った。
「経験も」
Nもそれに倣い、足元に立つ。
「それ以前に、マナーがなってません」
レスターの影が顔に落ちた。
彼らはてんで好き勝手に、Aを腐する。
こいつら、劣等感で人を殺す気か? という気すらしてきた。
「保証人に心当たりがあります。
ですが、彼がAを気に入るかどうかはまた別の話です。交渉のテーブルにつけるくらいには矯正しなくては」
「心当たりというのは、Sub?」
「この際、第二性は無視していいだろう。未経験者というのが不味い」
「全員で一通りやらせてみるか?」
「自分よりテクのないやつに、この玉体を預けるの? 絶ーっ対ヤダ」
「俺も。やる方ならやっても良いけど」
なんだろうか。この感じは。
目の前で六体の影絵が踊っているようにしか見えない。
自分の意見が全く尊重されていないせいか、すべてが他人事に聞こえてしまう。A自身のことが着々と決められていくのに。それも不穏な方へと。
大皿に載せられた豚の丸焼きは、こんな気分で、切り分けられ、食べられるのを待っているのではないだろうか。
「そうですね。
ひとまずヴィクトルに訓練を頼みます。彼はDom専門店にいたのですから、スタッフのサービスくらい見知っているはずです」
「オーケー」
「セラフィムは吊り篭市に連れて行ってください。心当たりが外れたときの代わりが見つかれば、なお宜しい。
あと、もう少しマシな服を身繕ってやるように」
「はぁい」
「N、Aが泣き言を言い始めたら、手厚く宥めてやってください。彼に逃げられては始まりません。何といっても、この中で地元と繋がりがあるのはAだけなんですから」
「分かった」
「Eにはヴィクトルと私の穴を埋めてもらいます。当然、セラフィムが不在の時はその分も。
オールラウンダーのくせに、手を抜いてるの、知ってますよ」
「……」
「俺は?」
「ドールはAの雑用を手伝うように」
「なんで俺だけ?!」
クレハドールは地団駄を踏んでいる。
やっとスタンガンのショックが抜けてきた。
「ンー!」
無様に全身でビチビチ跳ね、猿ぐつわを外せと目で訴える。
Aは一番の気掛かりを、ようやく唇に乗せる準備ができた。
本当は口に出すのも恐ろしかったが、答えを聞かないままの方がなお恐い。
「お、俺の、処女、どうなるわけ……?」
六人の男たちが、Aの頭上で互いに顔を見合せる。
妙な沈黙が、かえってAの正気を削り取っていく。想像力を逞しくしてしまう。
「……どうする?」
セラフィムが全員の顔を見回した。自分の中で判断がつかないから、正解を盗み見ようとしてるふうだ。
クレハドールが共同経営者の調教を受けているという話が本当なら、少なくとも、この場の半分は非処女ということになる。自分たちが仕込まれた通りでやろうと言い出したら。そう思うと冷たい汗が噴き出してきた。
「必須ということはないだろう」
Eは、Aを気の毒そうな目で見た。
友情に胸を熱くする一方、こいつは絶対に非処女ではないだろうなと、どこか白けた部分で思う。Eの尻に突っ込むなんて、地雷原をダッシュするより恐ろしい。
「俺も、」
「俺が開発してあげても良いですよ!」
役割を与えられなかったクレハドールが、場の空気にそぐわない陽気さで名乗り出た。彫刻のように計算された美しい指先が、卑猥な動きをする。
それに紛れてしまったが、挙げかけていたNの手をEが鋭く抑えたのを、Aは見ていた。
「ドールがやるなら、僕はパス」
「本人の興味が湧いたら、ってことで良くないかな。今後、恋人ができたときに可哀想だよ」
「あるいは、ヴァルプルギスの夜に間に合わなかった時、魔女に捧げてみますか。だめで元々です」
レスターが恐ろしいことを言う。
恐ろしいことには、まだ続きがあった。
「今のはあなたの促成栽培プログラムに過ぎません。
今夜の不始末へのお仕置きは追ってお知らせしますので、沙汰を待つように。
いいですね?」
乗馬鞭のチップが、ヒタヒタとAの頬を打つ。想像していたより、ずっとひんやりしている。
レスターの眼鏡レンズに映ったAの顔は引き攣っていた。
Aの目の前を、レスターが足音も高らかに行ったり来たりを繰り返している。おまけに手には乗馬鞭を携えている。何に使うのかなんて、聞くまでもない。
「お間抜けさん。どうして尻尾のひとつも振れないのぉ?」
腰を高く上げた四つん這い状態のAの腰に座り、セラフィムがきゃらきゃらと冷笑を浴びせてくる。見た目は少年とはいえ、血肉の通った人間だ。それなりに重い。おまけにわざと勢いをつけて跳ねたりする。骨盤が歪んでしまいそうだ。セラフィムの生体家具の気が知れない。
文句を言って振り落としてやりたいが、口には猿ぐつわを噛まされ、両手首はガッチリ縛られている。こんなところで実感したくなかったが、さすがプロだ。
「ヴァルプルギスの夜まで三か月どころか、二か月半しかない。
これで保証人を用意できないんじゃ、この店の評判、ガタ落ちだよ。マダムたちの顔が目に浮かぶなあ……」
ヴィクトルは控室の壁に凭れて、両腕を組んだ。完全に失敗を見越しているのだろう。表情が暗い。
「……N、眠いならもたれろ」
長椅子に座るEの肩に、船を漕いでいたNが体重を掛けた。
ヴォルテールの営業時間はとっくに過ぎている。Aの不始末で、全員を集めた反省会が開かれることになったのだ。
ハイチェアに座るクレハドールも、誰にはばかることなく大あくびをしている。彼は我関せずといったふうで、成り行きを見守っている。身体の自由を奪われ椅子にされているAにも、なんの感情も抱いていない様子だ。
「大体、俺はクリニックと言ったはずだ。それがどうして、貴族相手のサロンになるんだ」
くるだろうなと思っていた指摘が、やはり来た。
Eに謝ろうと顔を上げたが、カッと鋭い音を発てて視界を阻んだ革靴の踵に阻まれてしまった。
「我々にクリニックのノウハウがないからですよ。第一、貴族だけを対象にするわけではありません」
「保証人が貴族では集まる人間も偏る。俺は、新興の事業家から一般市民まで、人を選ばない場所が欲しい」
Eは落ち着きや冷静を装っていたが、明らかに苛立ちを内包している。
「へえ? あなたがねえ」
レスターはご冗談でしょ、と言わんばかりの視線でEを舐めた。挑発的に乗馬鞭を手の中で弄んでいる。チップが黒革の手袋を嵌めた手のひらを打ち、音を発てる。
空気が緊迫して、今にも破裂しそうだ。
「サロンを強行したら、Nと出ていくおつもりですか?」
Aは全身をビクンと震わせる。
引き金を引かれた。Eとレスターは性格的に合わないだろうと、Aもそれとなく気を使っていた。彼らもお互いに感じ取って、一定の距離を置いていた節がある。
今夜は近すぎる。
どちらも理詰めで自分の主張を貫こうとするだろう。妥協案が見いだせなければ、それこそヴォルテールはヴァルプルギスの夜を待たずに、空中分解へ向けて一直線だ。
「ンーっ!」
Aは両肩に力を入れ、出来る限り顔を上げようとした。
「家具は喋らない」
冷徹なセラフィムの宣言と共に、バチッと何かが爆ぜた。床が一瞬白い光を照り返す。
Aは悶絶して崩れ落ちた。生理的な涙がはじけ飛ぶ。腹を強かに打ち付け、しかし、うめき声を上げることすらできない。呼吸すら不可能だ。
唇が震えて閉じることができない。猿ぐつわが唾液を含み始める。
こいつスタンガン使いやがった。
怒りよりも驚愕が先立つ。
セラフィムは腰に手を当て、悪ガキの顔でAを覗き込んでいる。遠慮せずに、さっさと張り倒しておけばよかったと後悔した。
「……俺は出ていくのか?」
電流のせいで耳鳴りが酷かったが、Nの声が微かに聞こえる。
スタンガンで動けないAとは対照的に、まだ半分眠っているようだ。
「そんな話は聞いていない」
「N、後で話す」
「今話せば良いじゃないですか! Nの意見を無視するなんて、よくないと思いますよ」
クレハドールは、さっきまでの眠そうな態度はどこへやら。急に生き生きし始めた。踊りだしそうな勢いでハイチェアから長椅子まで駆け寄り、三人掛けの隙間に細い身体をねじ込む。
Aはまだ動けないまま、クレハドールを苦く見上げた。
「おやおや。それでは、やはりサロンで行くしかないようですね。それとも、あなただけ辞めます?」
Eは無言でレスターを睨む。
睨み返すことも、勝ち誇ることもせずに、レスターはAの前に踵を返した。
目の前に、磨き抜かれた革靴が映る。
奴隷の視界だ。これ以上に屈辱的な視界があるだろうか。
「さて、今度はこっちの問題です。
このおばかさんをどうやって二カ月半で、貴族に気に入られるように調教しましょうか。
広くご意見を賜りたいですね。なにしろ、私の手には余ります」
Aはまだ痺れが残る身体を意地だけで反転させた。両手が後ろ手に縛られているので背が床に付くことはなかったが、うつ伏せのまま見下ろされるよりはまだマシだった。
「垢ぬけない格好をどうにかしたいよね」
セラフィムがAの右肩の脇に立った。
「もう少し色気が欲しいかな」
ヴィクトルが壁から離れて、左肩の脇に。
「下っ端根性が染みついてるのがなあ」
クレハドールが長椅子から利き足だけを、右手近くに放り投げる。
「プレイへの知識が足りない」
Eが席を立ち、左手の側へ立った。
「経験も」
Nもそれに倣い、足元に立つ。
「それ以前に、マナーがなってません」
レスターの影が顔に落ちた。
彼らはてんで好き勝手に、Aを腐する。
こいつら、劣等感で人を殺す気か? という気すらしてきた。
「保証人に心当たりがあります。
ですが、彼がAを気に入るかどうかはまた別の話です。交渉のテーブルにつけるくらいには矯正しなくては」
「心当たりというのは、Sub?」
「この際、第二性は無視していいだろう。未経験者というのが不味い」
「全員で一通りやらせてみるか?」
「自分よりテクのないやつに、この玉体を預けるの? 絶ーっ対ヤダ」
「俺も。やる方ならやっても良いけど」
なんだろうか。この感じは。
目の前で六体の影絵が踊っているようにしか見えない。
自分の意見が全く尊重されていないせいか、すべてが他人事に聞こえてしまう。A自身のことが着々と決められていくのに。それも不穏な方へと。
大皿に載せられた豚の丸焼きは、こんな気分で、切り分けられ、食べられるのを待っているのではないだろうか。
「そうですね。
ひとまずヴィクトルに訓練を頼みます。彼はDom専門店にいたのですから、スタッフのサービスくらい見知っているはずです」
「オーケー」
「セラフィムは吊り篭市に連れて行ってください。心当たりが外れたときの代わりが見つかれば、なお宜しい。
あと、もう少しマシな服を身繕ってやるように」
「はぁい」
「N、Aが泣き言を言い始めたら、手厚く宥めてやってください。彼に逃げられては始まりません。何といっても、この中で地元と繋がりがあるのはAだけなんですから」
「分かった」
「Eにはヴィクトルと私の穴を埋めてもらいます。当然、セラフィムが不在の時はその分も。
オールラウンダーのくせに、手を抜いてるの、知ってますよ」
「……」
「俺は?」
「ドールはAの雑用を手伝うように」
「なんで俺だけ?!」
クレハドールは地団駄を踏んでいる。
やっとスタンガンのショックが抜けてきた。
「ンー!」
無様に全身でビチビチ跳ね、猿ぐつわを外せと目で訴える。
Aは一番の気掛かりを、ようやく唇に乗せる準備ができた。
本当は口に出すのも恐ろしかったが、答えを聞かないままの方がなお恐い。
「お、俺の、処女、どうなるわけ……?」
六人の男たちが、Aの頭上で互いに顔を見合せる。
妙な沈黙が、かえってAの正気を削り取っていく。想像力を逞しくしてしまう。
「……どうする?」
セラフィムが全員の顔を見回した。自分の中で判断がつかないから、正解を盗み見ようとしてるふうだ。
クレハドールが共同経営者の調教を受けているという話が本当なら、少なくとも、この場の半分は非処女ということになる。自分たちが仕込まれた通りでやろうと言い出したら。そう思うと冷たい汗が噴き出してきた。
「必須ということはないだろう」
Eは、Aを気の毒そうな目で見た。
友情に胸を熱くする一方、こいつは絶対に非処女ではないだろうなと、どこか白けた部分で思う。Eの尻に突っ込むなんて、地雷原をダッシュするより恐ろしい。
「俺も、」
「俺が開発してあげても良いですよ!」
役割を与えられなかったクレハドールが、場の空気にそぐわない陽気さで名乗り出た。彫刻のように計算された美しい指先が、卑猥な動きをする。
それに紛れてしまったが、挙げかけていたNの手をEが鋭く抑えたのを、Aは見ていた。
「ドールがやるなら、僕はパス」
「本人の興味が湧いたら、ってことで良くないかな。今後、恋人ができたときに可哀想だよ」
「あるいは、ヴァルプルギスの夜に間に合わなかった時、魔女に捧げてみますか。だめで元々です」
レスターが恐ろしいことを言う。
恐ろしいことには、まだ続きがあった。
「今のはあなたの促成栽培プログラムに過ぎません。
今夜の不始末へのお仕置きは追ってお知らせしますので、沙汰を待つように。
いいですね?」
乗馬鞭のチップが、ヒタヒタとAの頬を打つ。想像していたより、ずっとひんやりしている。
レスターの眼鏡レンズに映ったAの顔は引き攣っていた。
0
お気に入りに追加
257
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
溺愛前提のちょっといじわるなタイプの短編集
あかさたな!
BL
全話独立したお話です。
溺愛前提のラブラブ感と
ちょっぴりいじわるをしちゃうスパイスを加えた短編集になっております。
いきなりオトナな内容に入るので、ご注意を!
【片思いしていた相手の数年越しに知った裏の顔】【モテ男に徐々に心を開いていく恋愛初心者】【久しぶりの夜は燃える】【伝説の狼男と恋に落ちる】【ヤンキーを喰う生徒会長】【犬の躾に抜かりがないご主人様】【取引先の年下に屈服するリーマン】【優秀な弟子に可愛がられる師匠】【ケンカの後の夜は甘い】【好きな子を守りたい故に】【マンネリを打ち明けると進み出す】【キスだけじゃあ我慢できない】【マッサージという名目だけど】【尿道攻めというやつ】【ミニスカといえば】【ステージで新人に喰われる】
------------------
【2021/10/29を持って、こちらの短編集を完結致します。
同シリーズの[完結済み・年上が溺愛される短編集]
等もあるので、詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。
ありがとうございました。
引き続き応援いただけると幸いです。】
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる