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23 処罰
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「オールデン神が何故………」
今迄余裕の顔をしていたモモカが、ここでようやく笑顔を崩した。それも仕方無い。千代様の威圧感もかなりのものだけど、オールデン様の威圧感はまた桁違いだ。
オールデン様──
この世界とも、千代様の世界とも違う世界の神様で、別名“破壊神”。神様も全員が“善”ではなく“悪”も居る。このオールデン様は、所謂───“腹黒”な神様だ。自分の思い通り動かすのが上手い。オールデン様の世界に召喚される人達には、正直同情する事もあった。最近では、少し落ち着いたと聞いていたけど……それが本当かどうかは分からない。
「何故、破壊神がここに?」
『訊かなくても分かるだろう?俺がここに来たのは、罪を犯したお前を処罰する為だ』
「罪?私が?」
『お前は、神と同等とされる九尾に手を掛けたんだ。ただで済まされる筈ないだろう』
九尾の妖狐───
それが、シロとクロの主様だった。
シロと同じ、真っ白な毛並みの綺麗な妖狐。
「私は九尾の妖狐には手を出していないわ!アレは、妖狐ではなく、ただの人間だったわ」
確かに、九尾のままの主様を手にかけたなら、神々からの処罰の対象になる。でも、主様が死んでしまったのは、私達に妖狐の魂を分け与えて人間になってからだったから、神々からの処罰の対象にはならない筈だ。かと言って、人間だから殺して良いと言う事ではないけど、相手が人間なら、神々も簡単に手を出す事はできない。人間は、人間同士で解決しなければいけないから。
『それは残念だったな…あの九尾には、ほんの少しだが、妖狐の魂が残っていたんだ』
「え?」
オールデン様がニヤリと笑うと、今度は千代様が綺麗な微笑みを浮かべた。
『彼女は九尾として長い年月を生きて来たから、妖狐の魂を丸々失うとあっと言う間に寿命を迎えてしまう恐れがあったから、人間としての寿命を全うできる位の魂を残しておいたのよ。だから、彼女は人間でありながら、九尾としての力も持っていたのよ。そんな彼女を、お前は手にかけたのよ。その証拠として、その時奪った彼女の魂の欠片が、お前の体の中に吸収されて残っているのよ』
「なっ!?」
それは、モモカも本当に気付いていなかったようで、驚いた後、顔色が一気に悪くなった。
『あまりにも小さな欠片だから、その痕跡すら見付けるのにも時間が掛かったけれど……ようやく見付けたと思ったら、今度はコユキやアンバーに手を出すとは……もう、容赦する必要はないわね』
モモカの足下で展開していた魔法陣から蔦のような物が伸びて、一瞬のうちにモモカの体を締め上げた。
『神殺しは、苦しみと消滅の対象だ。勿論、消滅となると転生する事は無い。お前はここでおしまいだ』
「何故私だけが!?悪いのは九尾よ!私の男を取ったから!」
『よく言うな。その男も、所詮お前が妖術で惑わせて手に入れただけだろう?その妖術が、九尾の力で打ち消されて、正気に戻った男が、普通に九尾に恋をしただけだ。お前はただフラレただけだ』
「ちっ……違うわ!彼は私を───」
『もう黙れ……緋沙子』
「──っ!?」
既に、真名を掌握されてしまっているのなら、もうこれ以上抗う事はできない。
『九尾が受けた分の苦しみは、きっちり返してやるから、俺が行く迄暫く反省しながら待っておくんだな』
パチンッ──
とオールデン様が指を鳴らすと、魔法陣から光が溢れた後、モモカはどこかへと消えてしまった。
「オールデン様、千代様、ありがとうございました」
『アンバー、本当にギリギリだったけど良かったわ』
ーいや、『良かったわ』と言いながら圧を掛けて来るのは止めていただきたいー
『本当にギリギリだったな…まぁ、結果が良かったから良いが……』
ーいっその事怒ってくれた方が良いんですけど!?ー
『ふむ……アンバー、お前もなかなか面白いな。俺の世界の聖女と気が合いそうだから、俺の世界に来るか?アンバーと同じ黒色の髪で、神の俺にも噛み付いてくるような奴で───』
「アンバー」
「グウェイン様?」
オールデン様からのお誘い?の途中で、またまたグウェイン様に背中から抱き締められた。すると、千代様が呆れた顔をして、ペシッとオールデン様のオデコを軽く叩いた。
『また聖女に怒られるわよ?』
『それはそれで面白いが……アンバー、お前はどうしたい?』
「私は……今の世界で幸せになりたいです」
『そうか』
パチンッ─
オールデン様がもう一度指を鳴らすと、破壊された壁が元通りになり、ホール全体も綺麗になった。
『気を失っている者達も暫くすれば目覚めるだろう。アンバー、この世界に飽きたら、俺の名前を呼ぶと良い。ではな…』
そう言うと、オールデン様は楽しそうに笑ってから、この場から姿を消し去った。
『これで、ようやく友との約束を果たせるわ。アンバー、シロの記憶を戻す事はできないけど、もう二度と、アンバーとコユキが危険な目に遭うことは無いわ。これからは、自分の幸せの為に生きていきなさい。それと、アンバーとコユキには、私から“祝福”を授けるわ』
千代様がサッと手を振ると、私とコユキの体が光に包まれた。
今迄余裕の顔をしていたモモカが、ここでようやく笑顔を崩した。それも仕方無い。千代様の威圧感もかなりのものだけど、オールデン様の威圧感はまた桁違いだ。
オールデン様──
この世界とも、千代様の世界とも違う世界の神様で、別名“破壊神”。神様も全員が“善”ではなく“悪”も居る。このオールデン様は、所謂───“腹黒”な神様だ。自分の思い通り動かすのが上手い。オールデン様の世界に召喚される人達には、正直同情する事もあった。最近では、少し落ち着いたと聞いていたけど……それが本当かどうかは分からない。
「何故、破壊神がここに?」
『訊かなくても分かるだろう?俺がここに来たのは、罪を犯したお前を処罰する為だ』
「罪?私が?」
『お前は、神と同等とされる九尾に手を掛けたんだ。ただで済まされる筈ないだろう』
九尾の妖狐───
それが、シロとクロの主様だった。
シロと同じ、真っ白な毛並みの綺麗な妖狐。
「私は九尾の妖狐には手を出していないわ!アレは、妖狐ではなく、ただの人間だったわ」
確かに、九尾のままの主様を手にかけたなら、神々からの処罰の対象になる。でも、主様が死んでしまったのは、私達に妖狐の魂を分け与えて人間になってからだったから、神々からの処罰の対象にはならない筈だ。かと言って、人間だから殺して良いと言う事ではないけど、相手が人間なら、神々も簡単に手を出す事はできない。人間は、人間同士で解決しなければいけないから。
『それは残念だったな…あの九尾には、ほんの少しだが、妖狐の魂が残っていたんだ』
「え?」
オールデン様がニヤリと笑うと、今度は千代様が綺麗な微笑みを浮かべた。
『彼女は九尾として長い年月を生きて来たから、妖狐の魂を丸々失うとあっと言う間に寿命を迎えてしまう恐れがあったから、人間としての寿命を全うできる位の魂を残しておいたのよ。だから、彼女は人間でありながら、九尾としての力も持っていたのよ。そんな彼女を、お前は手にかけたのよ。その証拠として、その時奪った彼女の魂の欠片が、お前の体の中に吸収されて残っているのよ』
「なっ!?」
それは、モモカも本当に気付いていなかったようで、驚いた後、顔色が一気に悪くなった。
『あまりにも小さな欠片だから、その痕跡すら見付けるのにも時間が掛かったけれど……ようやく見付けたと思ったら、今度はコユキやアンバーに手を出すとは……もう、容赦する必要はないわね』
モモカの足下で展開していた魔法陣から蔦のような物が伸びて、一瞬のうちにモモカの体を締め上げた。
『神殺しは、苦しみと消滅の対象だ。勿論、消滅となると転生する事は無い。お前はここでおしまいだ』
「何故私だけが!?悪いのは九尾よ!私の男を取ったから!」
『よく言うな。その男も、所詮お前が妖術で惑わせて手に入れただけだろう?その妖術が、九尾の力で打ち消されて、正気に戻った男が、普通に九尾に恋をしただけだ。お前はただフラレただけだ』
「ちっ……違うわ!彼は私を───」
『もう黙れ……緋沙子』
「──っ!?」
既に、真名を掌握されてしまっているのなら、もうこれ以上抗う事はできない。
『九尾が受けた分の苦しみは、きっちり返してやるから、俺が行く迄暫く反省しながら待っておくんだな』
パチンッ──
とオールデン様が指を鳴らすと、魔法陣から光が溢れた後、モモカはどこかへと消えてしまった。
「オールデン様、千代様、ありがとうございました」
『アンバー、本当にギリギリだったけど良かったわ』
ーいや、『良かったわ』と言いながら圧を掛けて来るのは止めていただきたいー
『本当にギリギリだったな…まぁ、結果が良かったから良いが……』
ーいっその事怒ってくれた方が良いんですけど!?ー
『ふむ……アンバー、お前もなかなか面白いな。俺の世界の聖女と気が合いそうだから、俺の世界に来るか?アンバーと同じ黒色の髪で、神の俺にも噛み付いてくるような奴で───』
「アンバー」
「グウェイン様?」
オールデン様からのお誘い?の途中で、またまたグウェイン様に背中から抱き締められた。すると、千代様が呆れた顔をして、ペシッとオールデン様のオデコを軽く叩いた。
『また聖女に怒られるわよ?』
『それはそれで面白いが……アンバー、お前はどうしたい?』
「私は……今の世界で幸せになりたいです」
『そうか』
パチンッ─
オールデン様がもう一度指を鳴らすと、破壊された壁が元通りになり、ホール全体も綺麗になった。
『気を失っている者達も暫くすれば目覚めるだろう。アンバー、この世界に飽きたら、俺の名前を呼ぶと良い。ではな…』
そう言うと、オールデン様は楽しそうに笑ってから、この場から姿を消し去った。
『これで、ようやく友との約束を果たせるわ。アンバー、シロの記憶を戻す事はできないけど、もう二度と、アンバーとコユキが危険な目に遭うことは無いわ。これからは、自分の幸せの為に生きていきなさい。それと、アンバーとコユキには、私から“祝福”を授けるわ』
千代様がサッと手を振ると、私とコユキの体が光に包まれた。
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