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22 最終手段
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ー避けきれない!ー
ギュッと目を瞑って体に力を入れて、衝撃を受ける覚悟を決める。
ー主様、シロ、ごめんなさい!ー
ドンッ──ガシャンッ───
「なっ!?」
「????」
何かが壊れるような大きな音が響き渡るけど、自身が衝撃を受ける事はなく、何故か驚きの声を上げたモモカ。何が起こったのか分からず目を開けると、出入り口付近の壁が破壊されていて──
「え?ドラゴン?竜??」
私の目の前に、真っ白な色の竜が居た。
遥か昔、一度だけ向こうの世界で龍に出会った事がある。でも、向こうの世界の龍は蛇のように長い体に小さい手足がある姿をしていた。
でも、この世界のドラゴン─竜は、大きな翼があって手足もそれなりに大きい。
『遅くなってすまない。なかなか厄介な結界が張られていて、壊すのに時間が掛かった。ウィル、アンバー、大丈夫か?』
「何とかギリギリセーフかな?」
「え?その声……グウェイン様!?」
『アンバーも大丈夫そうで良かった』
ちょんちょんと、大きな人差し指?で私の頭を突く真っ白な竜。姿は全く違うけど、グウェイン様で間違いない。声もそうだけど、私を触れる手はいつだって優しくて温かい。
「まさか竜だったとは……だから、ウィルにも私の妖術が効かなかったのね」
ウィル様が竜族と言う事は………
「ウィル様は……竜王国の王太子!?」
「まぁ…そうだね」
今の竜王は黒竜で、その子供も黒竜だと言う事は知っていた。同じ世代で黒竜が2人居るのはとても珍しい─奇跡のようなものらしく、竜王国は過去にも見ない繁栄ぶりだと言われている。竜王は最強の力を持つ者が立つそうで、殆ど親子で継承される事はないけど、現竜王に次いで実力を持っているのが王子であるから、竜王国では珍しく、既にその王子が立太子していると言う。その王太子が、ウィル様だったとは……。第二王子のリッカルド様が、何度も頭を下げて謝っていた理由が分かった。と言う事は……この国の王太子のミリウス様は、ウィル様が竜王国の王太子とは……知らなかったか忘れているかなんだろう。同じ王太子なのに、この違い。
「ここは私の分が悪いわね」
モモカがポツリと呟いた後、ホール全体に炎が立ち上がり、モモカの腕の中に気を失ったコユキが居た。
「アンバー、私と一緒に来てもらうわ。でなければ、どうなるか分かるわよね?」
ツー……と、モモカがコユキの頬を指でなぞると、そこから血が流れた。
「そうそう。ウィルもグウェインも動かないでね。動いたりしたら、私、ビックリしてうっかりこのホールを燃やしてしまうかもしれないから」
「………モモカ…………」
このホールには、気を失った生徒達がたくさん居る。グウェイン様が来たけど、学校に居る筈の先生達でさえ来ないと言う事は、先生達も気を失っているか、結界があって来れないか──だ。
ー私が行けば、ウィル様やグウェイン様や皆が助かる?ー
「アンバー、行くな!」
「グウェイン様……」
グウェイン様はこんな時でも優しい。
私だって、ただただやられるのを受け入れるつもりはない。少しでも抗って隙を作れば、ウィル様とグウェイン様が何とかしてくれるかもしれない。ゆっくりとモモカの方へと歩いて行く。
「ふふっ。正しい選択だわ」
ーせめて、炎だけでもー
モモカの元に辿り着くのと同時にコユキに手を伸ばしながら、一気に妖力を開放して狐火を出し辺りの炎を相殺する。
「忌々しい子狐が!」
「アンバー!!」
目の前のモモカが大きな炎を創り上げた。
ー今度は私がシロを護る番だー
ギュッとコユキを抱きしめる。
『───を呼びなさい』
主様の懐かしい声が頭の中に響いた。
「キクカ様!千代様!!」
『アンバー!コユキ!』
『ようやく私の名を呼んだわね!』
そこに現れたのは、琥珀色の髪と三つの尻尾のある女性と、着物を着て長い黒髪を靡かせた女性だった。
「ちっ……よ───っ!?」
『ほう…私を覚えていたのね?嬉しいわ』
千代様が軽く手を振ると、モモカの足下に魔法陣が現れた。
私の元の世界の女神──千代様
私の主様の親友でもあった。シロを転生させて、私をこの世界に送ってくれた女神様。圧倒的な存在感。
「アンバー、大丈夫?」
「キクカ様!はい、私は大丈夫です。でも、コユキが…」
「コユキも他の子達も大丈夫よ。ただ、あの女の妖術で眠らされているだけだから」
「良かっ───」
「アンバー!」
「ぐぅ──っ……ウェイ……ンさま!?」
キクカ様が、私の腕の中に居るコユキを見てくれていると、人の姿に戻ったグウェイン様に後ろから抱きしめられた。
「アンバーが無事で良かった」
「グウェイン様……」
ーグウェイン様の腕の中が、安心するのは何故だろう?ー
後ろから回されているグウェイン様の腕を、ポンポンと叩く。
「どうせ、私を消滅させる事もできないくせに。私を捕らえても無意味よ。私は何度だって……逃げて……あの女の魂を追ってやるから……ふふっ………」
『私も随分舐められたものね……私が手を出せないままお前を放っておくと思っていたの?面白い冗談ね……アンバー!』
「はい!!」
『お前の主が、最終手段で呼ぶように言った名は思い出したの?思い出してない訳ないわよね?思い出したわね?今すぐ呼びなさい!』
ーあ、千代様って、こんな女神でしたね!ー
「はい!しっかり思い出しました!」
『───もし、困った事があれば菊花と千代を呼ぶと良いわ。*****は最終手段よ』
「オールデン様!」
『────呼ぶのが遅かったな。待ちくたびれたぞ』
「すみません!!!」
そこに現れたのは──
髪も瞳も黒色の腹ぐ──なオールデン神様だった。
ギュッと目を瞑って体に力を入れて、衝撃を受ける覚悟を決める。
ー主様、シロ、ごめんなさい!ー
ドンッ──ガシャンッ───
「なっ!?」
「????」
何かが壊れるような大きな音が響き渡るけど、自身が衝撃を受ける事はなく、何故か驚きの声を上げたモモカ。何が起こったのか分からず目を開けると、出入り口付近の壁が破壊されていて──
「え?ドラゴン?竜??」
私の目の前に、真っ白な色の竜が居た。
遥か昔、一度だけ向こうの世界で龍に出会った事がある。でも、向こうの世界の龍は蛇のように長い体に小さい手足がある姿をしていた。
でも、この世界のドラゴン─竜は、大きな翼があって手足もそれなりに大きい。
『遅くなってすまない。なかなか厄介な結界が張られていて、壊すのに時間が掛かった。ウィル、アンバー、大丈夫か?』
「何とかギリギリセーフかな?」
「え?その声……グウェイン様!?」
『アンバーも大丈夫そうで良かった』
ちょんちょんと、大きな人差し指?で私の頭を突く真っ白な竜。姿は全く違うけど、グウェイン様で間違いない。声もそうだけど、私を触れる手はいつだって優しくて温かい。
「まさか竜だったとは……だから、ウィルにも私の妖術が効かなかったのね」
ウィル様が竜族と言う事は………
「ウィル様は……竜王国の王太子!?」
「まぁ…そうだね」
今の竜王は黒竜で、その子供も黒竜だと言う事は知っていた。同じ世代で黒竜が2人居るのはとても珍しい─奇跡のようなものらしく、竜王国は過去にも見ない繁栄ぶりだと言われている。竜王は最強の力を持つ者が立つそうで、殆ど親子で継承される事はないけど、現竜王に次いで実力を持っているのが王子であるから、竜王国では珍しく、既にその王子が立太子していると言う。その王太子が、ウィル様だったとは……。第二王子のリッカルド様が、何度も頭を下げて謝っていた理由が分かった。と言う事は……この国の王太子のミリウス様は、ウィル様が竜王国の王太子とは……知らなかったか忘れているかなんだろう。同じ王太子なのに、この違い。
「ここは私の分が悪いわね」
モモカがポツリと呟いた後、ホール全体に炎が立ち上がり、モモカの腕の中に気を失ったコユキが居た。
「アンバー、私と一緒に来てもらうわ。でなければ、どうなるか分かるわよね?」
ツー……と、モモカがコユキの頬を指でなぞると、そこから血が流れた。
「そうそう。ウィルもグウェインも動かないでね。動いたりしたら、私、ビックリしてうっかりこのホールを燃やしてしまうかもしれないから」
「………モモカ…………」
このホールには、気を失った生徒達がたくさん居る。グウェイン様が来たけど、学校に居る筈の先生達でさえ来ないと言う事は、先生達も気を失っているか、結界があって来れないか──だ。
ー私が行けば、ウィル様やグウェイン様や皆が助かる?ー
「アンバー、行くな!」
「グウェイン様……」
グウェイン様はこんな時でも優しい。
私だって、ただただやられるのを受け入れるつもりはない。少しでも抗って隙を作れば、ウィル様とグウェイン様が何とかしてくれるかもしれない。ゆっくりとモモカの方へと歩いて行く。
「ふふっ。正しい選択だわ」
ーせめて、炎だけでもー
モモカの元に辿り着くのと同時にコユキに手を伸ばしながら、一気に妖力を開放して狐火を出し辺りの炎を相殺する。
「忌々しい子狐が!」
「アンバー!!」
目の前のモモカが大きな炎を創り上げた。
ー今度は私がシロを護る番だー
ギュッとコユキを抱きしめる。
『───を呼びなさい』
主様の懐かしい声が頭の中に響いた。
「キクカ様!千代様!!」
『アンバー!コユキ!』
『ようやく私の名を呼んだわね!』
そこに現れたのは、琥珀色の髪と三つの尻尾のある女性と、着物を着て長い黒髪を靡かせた女性だった。
「ちっ……よ───っ!?」
『ほう…私を覚えていたのね?嬉しいわ』
千代様が軽く手を振ると、モモカの足下に魔法陣が現れた。
私の元の世界の女神──千代様
私の主様の親友でもあった。シロを転生させて、私をこの世界に送ってくれた女神様。圧倒的な存在感。
「アンバー、大丈夫?」
「キクカ様!はい、私は大丈夫です。でも、コユキが…」
「コユキも他の子達も大丈夫よ。ただ、あの女の妖術で眠らされているだけだから」
「良かっ───」
「アンバー!」
「ぐぅ──っ……ウェイ……ンさま!?」
キクカ様が、私の腕の中に居るコユキを見てくれていると、人の姿に戻ったグウェイン様に後ろから抱きしめられた。
「アンバーが無事で良かった」
「グウェイン様……」
ーグウェイン様の腕の中が、安心するのは何故だろう?ー
後ろから回されているグウェイン様の腕を、ポンポンと叩く。
「どうせ、私を消滅させる事もできないくせに。私を捕らえても無意味よ。私は何度だって……逃げて……あの女の魂を追ってやるから……ふふっ………」
『私も随分舐められたものね……私が手を出せないままお前を放っておくと思っていたの?面白い冗談ね……アンバー!』
「はい!!」
『お前の主が、最終手段で呼ぶように言った名は思い出したの?思い出してない訳ないわよね?思い出したわね?今すぐ呼びなさい!』
ーあ、千代様って、こんな女神でしたね!ー
「はい!しっかり思い出しました!」
『───もし、困った事があれば菊花と千代を呼ぶと良いわ。*****は最終手段よ』
「オールデン様!」
『────呼ぶのが遅かったな。待ちくたびれたぞ』
「すみません!!!」
そこに現れたのは──
髪も瞳も黒色の腹ぐ──なオールデン神様だった。
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