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❋竜王国編❋
21 初対面
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ニノンさんと街へ出かけてから1週間。
ようやく、学園長ともう1人の私と同じ人間族の女の子と会える事になった。
それと、そこで、私達に付けられる護衛も紹介されるとの事だった。
私の部屋まで迎えに来てくれたのはニノンさん。ニノンさんとも、街へ出掛けて以降久し振りに会った。
「あれからバタバタしてしまって、連絡もなかなか取れなくて…すみませんでした。何か、困った事はなかったですか?」
「アンヌ様が色々と気に掛けてくれたので、何の問題も無く過ごせました。」
ニノンさんが忙しくて来れないから─と、監督生のアンヌ様が、色々と私の事を気にかけてくれて、昼食をアンヌ様が運んで来てくれていたのだ。“お姉さん”的な存在だろうか?
「なら良かったです。では、今から学園長室に案内しますね。」
「はい。宜しくお願いします。」
******
「学園長、留学生のエヴェリーナ=ハウンゼント嬢をお連れしました。」
「入って下さい。」
「失礼します。」
「ようこそ、いらっしゃいました。」
私達を迎えてくれたのは、(見た目)私の父と同じ年位の男性だった。
「初めてお目にかかります。エヴェリーナ=ハウンゼントと申します。これから3年間、こちらでお世話になります。宜しくお願い致します。」
「丁寧なご挨拶、ありがとうございます。私が学園長のアリソン=ガーナードです。挨拶が遅れてしまって、申し訳無い。」
“アリソン=ガーナード”
“ガーナード”って…確か、竜王国の国王筋の家名じゃなかった?チラッとニノンさんに視線を向ければ、軽く頷かれた。どうやら、王族筋の人だと言う事で間違いないようだ。
そして、室内に目を向ければ、部屋のソファーには女の子が私の方を見て座っていた。その容姿にドキリとする。肩までの黒色の髪に、その瞳も黒色だ。
ーこの子が私と同じ16歳?若くない?ー
同じ年だと言われなければ、中等部の生徒だと見えなくもない。
「人間の……女の子だ………」
「?」
その子は、ソファーから立ち上がり、私の方へと駆け寄って来て、私に遠慮なく抱きついて来た。
「え?え?」
「人間だー女の子だー嬉しい!」
ぎゅうぎゅうと抱きついてくる女の子。決して嫌な訳ではないけど、どうしてこうなっているのかが分からない。
「イロハ、少し落ち着いて。ハウンゼント嬢が驚いているから。」
「はっ!ごっ…ごめんなさい!」
「いえ…私は大丈夫です。」
ガバッと私から離れた女の子は、顔を真っ赤にしていた。
「色々と説明をするので、皆ソファーに座って下さい。」
学園長の言葉に従い、私達はソファーに座った。
“イロハ=サイキ”
まさかまさかの……異世界から来た聖女様だった。
「…………」
ーえ?口が開けっ放し?分かってます。分かってるけど閉じられませんー
古い書物で読んだ事がある。
アルクシェリア女神がこの大陸を創世してから一万年が経つ。その間、この大陸が平穏だったか?と言われればそうではなく、凡そ千年毎に不安定になる時期がある。理由は定かではないが、それは、アルクシェリア女神の力が弱まるからでは?と言われている。
千年に一度、月が隠れると言う現象が起こるのだが、アルクシェリア女神の力の元が月だから─と。
アルクシェリア女神の力が弱まると、魔獣や魔物が活発化したり、自然災害が増えると言われていて、それを補う為に、遣い龍である黒龍が、その間この大陸の平穏を保つとも言われている。
更に、時と場合によって、異世界から聖女が召喚されるとも─。
ただ、異世界からの召喚は、過去に一度された記録があるだけで、それ以降は行われていない。だから、それすらも、事実なのかどうか分からない話だったけど。
「聖女様……本物??」
「はい。本物ですね。」
と、目の前に居る聖女様はニッコリと笑っている。
異世界から来たのにも関わらず、悲嘆する事無く笑っている。
ーえ?本当に大丈夫?無理してない?ー
と思っていると、聖女様は更に笑顔で語り出した。
「まさかまさかの異世界召喚で、ここに来た時は本当にビックリしたけど…私、元の世界では大病を患って死にかけてたんですよ。“あぁ、私は、親孝行もせず、誰の何の役にも立てず、親より先に死んじゃうのか”─って……それが辛くて……」
「………」
「そうしたら、死の間際に、“ならば、私の世界を救ってくれますか?”って……声が聞こえて。“勿論!私にできる事なら!”って答えたら、竜王国に居たんです!まさか、本当に異世界に召喚されるとは……思わなかったけど。でも、私にできる事なら、世界は違ってしまうけど、その分頑張ろう!と思って!」
と、聖女様はとても可愛らしい笑顔だ。
ーあれ?でも…一度目から四度目迄、聖女様が召喚されたなんて事…あった?ー
どうやら、五度目の今世は、今迄とは違う事がたくさん起きているようだ。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
✧♪•*¨*•.¸¸♫(。˃ ᵕ ˂ *)♫•*¨*•.¸¸♪✧
ようやく、学園長ともう1人の私と同じ人間族の女の子と会える事になった。
それと、そこで、私達に付けられる護衛も紹介されるとの事だった。
私の部屋まで迎えに来てくれたのはニノンさん。ニノンさんとも、街へ出掛けて以降久し振りに会った。
「あれからバタバタしてしまって、連絡もなかなか取れなくて…すみませんでした。何か、困った事はなかったですか?」
「アンヌ様が色々と気に掛けてくれたので、何の問題も無く過ごせました。」
ニノンさんが忙しくて来れないから─と、監督生のアンヌ様が、色々と私の事を気にかけてくれて、昼食をアンヌ様が運んで来てくれていたのだ。“お姉さん”的な存在だろうか?
「なら良かったです。では、今から学園長室に案内しますね。」
「はい。宜しくお願いします。」
******
「学園長、留学生のエヴェリーナ=ハウンゼント嬢をお連れしました。」
「入って下さい。」
「失礼します。」
「ようこそ、いらっしゃいました。」
私達を迎えてくれたのは、(見た目)私の父と同じ年位の男性だった。
「初めてお目にかかります。エヴェリーナ=ハウンゼントと申します。これから3年間、こちらでお世話になります。宜しくお願い致します。」
「丁寧なご挨拶、ありがとうございます。私が学園長のアリソン=ガーナードです。挨拶が遅れてしまって、申し訳無い。」
“アリソン=ガーナード”
“ガーナード”って…確か、竜王国の国王筋の家名じゃなかった?チラッとニノンさんに視線を向ければ、軽く頷かれた。どうやら、王族筋の人だと言う事で間違いないようだ。
そして、室内に目を向ければ、部屋のソファーには女の子が私の方を見て座っていた。その容姿にドキリとする。肩までの黒色の髪に、その瞳も黒色だ。
ーこの子が私と同じ16歳?若くない?ー
同じ年だと言われなければ、中等部の生徒だと見えなくもない。
「人間の……女の子だ………」
「?」
その子は、ソファーから立ち上がり、私の方へと駆け寄って来て、私に遠慮なく抱きついて来た。
「え?え?」
「人間だー女の子だー嬉しい!」
ぎゅうぎゅうと抱きついてくる女の子。決して嫌な訳ではないけど、どうしてこうなっているのかが分からない。
「イロハ、少し落ち着いて。ハウンゼント嬢が驚いているから。」
「はっ!ごっ…ごめんなさい!」
「いえ…私は大丈夫です。」
ガバッと私から離れた女の子は、顔を真っ赤にしていた。
「色々と説明をするので、皆ソファーに座って下さい。」
学園長の言葉に従い、私達はソファーに座った。
“イロハ=サイキ”
まさかまさかの……異世界から来た聖女様だった。
「…………」
ーえ?口が開けっ放し?分かってます。分かってるけど閉じられませんー
古い書物で読んだ事がある。
アルクシェリア女神がこの大陸を創世してから一万年が経つ。その間、この大陸が平穏だったか?と言われればそうではなく、凡そ千年毎に不安定になる時期がある。理由は定かではないが、それは、アルクシェリア女神の力が弱まるからでは?と言われている。
千年に一度、月が隠れると言う現象が起こるのだが、アルクシェリア女神の力の元が月だから─と。
アルクシェリア女神の力が弱まると、魔獣や魔物が活発化したり、自然災害が増えると言われていて、それを補う為に、遣い龍である黒龍が、その間この大陸の平穏を保つとも言われている。
更に、時と場合によって、異世界から聖女が召喚されるとも─。
ただ、異世界からの召喚は、過去に一度された記録があるだけで、それ以降は行われていない。だから、それすらも、事実なのかどうか分からない話だったけど。
「聖女様……本物??」
「はい。本物ですね。」
と、目の前に居る聖女様はニッコリと笑っている。
異世界から来たのにも関わらず、悲嘆する事無く笑っている。
ーえ?本当に大丈夫?無理してない?ー
と思っていると、聖女様は更に笑顔で語り出した。
「まさかまさかの異世界召喚で、ここに来た時は本当にビックリしたけど…私、元の世界では大病を患って死にかけてたんですよ。“あぁ、私は、親孝行もせず、誰の何の役にも立てず、親より先に死んじゃうのか”─って……それが辛くて……」
「………」
「そうしたら、死の間際に、“ならば、私の世界を救ってくれますか?”って……声が聞こえて。“勿論!私にできる事なら!”って答えたら、竜王国に居たんです!まさか、本当に異世界に召喚されるとは……思わなかったけど。でも、私にできる事なら、世界は違ってしまうけど、その分頑張ろう!と思って!」
と、聖女様はとても可愛らしい笑顔だ。
ーあれ?でも…一度目から四度目迄、聖女様が召喚されたなんて事…あった?ー
どうやら、五度目の今世は、今迄とは違う事がたくさん起きているようだ。
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