上 下
203 / 203
ー余話ー

★ありがとうございます★

しおりを挟む
❋お気に入り登録が増えていて、嬉しい限りです。ありがとうございます。感謝の気持ちを込めまして、投稿しました。読んでいただければ幸いです(続編、続々編を読んだ人からだと、砂糖は少ないと思いますw)❋
٩(。˃ ᵕ ˂ )و♡













*エディオル視点*


ハル殿が、この世界に戻って来てくれて、本当に良かった。俺を選んでくれた──と思っても良い…よな?
二度も失いかけた。もう、あんな思いは懲り懲りだ。

ハル殿の世界に、魔法は無いと言っていた。
今回戻って来れたのも、ただただ運が良かったからだ。

これからは遠慮しないと決めた。ハル殿を、この手の中に入れるまでは───

そう思いながら、俺はいつもより早い時間に眠りに就いた。










『………?』

何となくお腹が……くすぐったい?……気持ちいい?

『………??』

ゆっくりと目を開けると

「あ、起きた!」
『─っ!?』

何故か、目の前にハル殿が居た。しかも、満面の笑みで。

ー可愛いか!!ー

叫びそうになるのを手で押さえて────

ーえ??ー

じーと、手を見て……瞬きしてもう一度手を見て……

「ん?手に何か付いてる?手、触って良いかなぁ?」
『バフっ(良いけど)────』
「ありがとう。じゃあ…触るね?」

ハル殿が更に嬉しそうな顔をして、俺の手をソッと握る───が、何故か……俺の手が……

「君もだね!わー、肉球がピンク!可愛いー!」
『ワッフ───!?』

“もふもふー”、“癒しー”と言われながら、ハル殿が俺をワシャワシャと撫で回す。

そう。本当に何故か分からないが……俺は今、犬になっているようだ。
当たり前だが、犬が俺─エディオル=カルザインだと言う事には全く気付いていないハル殿は、遠慮無しで俺を撫で回している。
普段からネージュ殿を撫で回して慣れているのか、ハル殿に撫でられる所、全てが気持ちいい。
しかも、その笑顔が……可愛すぎる………。
思わず、ハル殿に触れたくなって、俺を撫で回している手に、俺の手をタシッ─と乗せると

「あ……ごめんね?撫でられるの…嫌だった?」
『ゔ────……』
「あぁ…ごめんね!!」

コテン─と小首を傾げたハル殿があまりにも可愛過ぎて、感情を押さえようと唸れば、俺が怒っている─と勘違いしたハル殿は、慌てて俺から手を離した。

そうじゃない。もっと撫でて………って!

ー落ち着け!ー

取り敢えず、“怒ってない”と分かってもらえるように、俺からハル殿に擦り寄る。

「ん?嫌じゃなかった?」

コクコク─と頷く。

「あれ?言葉が…分かる?ひょっとして……犬じゃなくて、魔獣だったりする?」

うーん???と、これまた可愛い顔で何やら考え込んだ後、「おいで?」と両手を広げられ、抵抗する気持ちは皆無で、吸い寄せられるように両手の間に入り込めば、優しく抱き上げられた。

『─っ!!??』

「もし君が魔獣なら、ネージュに訊けば、何か分かるかも!ネージュの所に行こうね。」

どうやら俺は、子犬サイズのようだ。ハル殿の腕の中にスッポリ収まっている。
トクトク─と、ハル殿の心臓の音が俺の耳には心地良く響いて、微かに感じるハル殿の魔力は、とても温かい。

ーそう言えば、ネージュ殿がよく、“主の魔力は温かい”と言っていたなー

それがよく分かる─と言う事は、やっぱり今の俺は、犬ではなく魔獣なのかもしれない。否…本当は人間だが……。



しかし───ハル殿は……何と言うか……いい匂いがして……柔らかい……………。

ーお……落ち着かないー

俺がハル殿を抱き上げた時、恥ずかしい─と慌てていたハル殿は可愛いとしか思わなかったが……確かに、抱き上げられると、色々恥ずかしいな─と思いながらも、ハル殿の腕の中に身を任せた。








「ネージュ、この子は魔獣?何か……分かる?」

『『……………』』

お互い、無言で向き合う。
目の前には、俺よりも何倍も大きいネージュ殿が居る。
暫く沈黙が続いた後、ネージュ殿がニヤッと笑った。

ーあ、これは…分かっているなー

『コレは…魔獣だな……魔獣のだ。まだまだ若い……子供だ。』

ー“子供”やら“弱い”を強調し過ぎじゃないか?ー

『ゔー………』
『ふむ。可愛らしい……声だな?』
「だね!声も可愛いけど、毛並みも綺麗だよね!」

と、またハル殿は嬉しそうに俺を撫で回した。







「魔獣だと分かったのは良いけど……この子の親は…居るのかなぁ?」

俺は今、元の大きさに戻ったネージュ殿に、背を預けて座っているハル殿の膝の上に乗せられ、背中を優しく撫でられている。
もう、恥ずかしいを通り越し、気持ち良い─と言う思いしかない。

『親……は、居ないかもしれぬな。でも……そのうち、と思うぞ?』
「ん?“あるべき…元?”」
『そう。あるべき元──だ。』

耳だけがピクピクと反応し、ハル殿とネージュ殿の声を拾っているが、ハル殿の優しい手と魔力で、段々と……眠たくなって………

「…おやすみ………」

ハル殿の優しい声を耳にしたのを最後に、俺はそのまま眠りに落ちた。












そして、次に目を覚ました時は、カルザイン邸の俺の自室で、エディオル=カルザインの姿に戻っていた。

「………夢?」

夢にしてはリアルで、現実にしては有り得ないものだったが、ハル殿の温もりが、俺の体に微かに残っているような気がして────

魔獣子犬姿で、ハル殿に抱かれて撫で回され……最後は膝上……ー

数日の間は、恥ずかしいやら後ろめたいやらで、ハル殿の顔を直視する事ができなかった。









❋お気に入り登録、本当にありがとうございます!❋
(   >ω<)ヾ(・ω・^ヾ)ワシャワシャ


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(152件)

hiyo
2024.05.26 hiyo
ネタバレ含む
みん
2024.05.26 みん

hiyo様

ありがとうございます。

名前に関しては、他の読者様からも名前か家名どちらかに…と感想を頂いた事がありまして、そうだよね…と。
ハルに、“名前呼びを許されていないのに、名前では呼べない!それが例え頭の中で思っていても!”と言う設定を作っていたので、名前やら家名やらバラバラに出ていたんです。修正しようか?とも思ったのですが、あまりにも長い話なので…諦めてそのままにしてます。すみません!
(。>﹏<。)💦

モブシリーズは、子達世代迄全て書き切っています。子世代の話などに抵抗がなければ、読んでいただければ幸いです。
(,,ᴗ  ̫ᴗ,,)ꕤ*.゚

解除
agi21
2023.05.13 agi21
ネタバレ含む
みん
2023.05.13 みん

agi21様

ありがとうございます。

読んでいただき、ありがとうございます。
‪感謝Շ”ਭ ପ(꒪ˊ꒳ˋ꒪)ଓ。ෆ。

私自身、名前を覚えるのも考える人のも苦手なので、省けるところは省いています(笑)隣国は隣国、老害たぬきは老害たぬきのままで……
( *´艸`)フフフ

エディオルは……確かに、最初が最悪でしたから。
彼は彼なりに……頑張りましたけどね…
(;๑> <)⁾💦

エディオルとで…すみません(笑)
Σ(´□`;)

解除
ユエ
2023.04.23 ユエ

一気読みして気がつけば朝(笑)
休みで良かった…。
主人公以外の視点とかも
楽しく読ませて頂きました。
欲を言えば挿絵が欲しい(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)

続編も楽しみに読ませて頂きます

みん
2023.04.23 みん

ユエ様

ありがとうございます。

お疲れ様です!(*ᴗˬᴗ)_ 旦

書き手としては、一気に読んでいただいて嬉しい限りですが、今日はゆっくり寝て下さいね。
( ˃ ▵ ˂ )՞‪‪՞

挿絵……描けないことも無いことはありませんが、読み手様のイメージを壊さないように、色以外の描写はあり詳細には書いていないんです。
( ´・ω・` )꜄꜆꜄꜆

解除
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【R18】英雄となった騎士は置き去りの令嬢に愛を乞う

恋愛 / 完結 24h.ポイント:5,218pt お気に入り:275

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。

112
恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:1,997

奥様はエリート文官

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:108,156pt お気に入り:1,562

初恋の還る路

恋愛 / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:309

王太子の出す初めての命令

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:491pt お気に入り:2

正妃として教育された私が「側妃にする」と言われたので。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:646pt お気に入り:6,173

優秀な妹と婚約したら全て上手くいくのではなかったのですか?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:18,617pt お気に入り:2,630

冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:4,225pt お気に入り:539

斧で逝く

SF / 連載中 24h.ポイント:540pt お気に入り:25

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。