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第二章ー浄化の旅と帰還ー
帰還③
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*本日、3話目です*
「本当は、ハル殿のエスコート役は、私じゃなかったんだけどね…」
後少しで“召喚の間”に着くと言う所で、ダルシニアン様が口を開いた。
「え?」
どう言う事だろうか?と思いダルシニアン様を見上げるが、そのダルシニアン様は、私ではなく、真っ直ぐ前を向いたままだった。
「あいつは…素直じゃないから…」
そう言った後、困った様な呆れた様な顔しながら、フッと私の方に視線を向ける。
「えっと?」
『誰が?』と訊こうとした時、ダルシニアン様が先に口を開く。
「ハル殿…ここで…お別れだ。本当にありがとう。お元気で…。」
気が付けば、そこは“召喚の間”で、少し先の方でお姉さん達が私が来るのを待っていた。
『やっと還れるわね。』
『やっぱり異世界とか聖女召喚って言うのは、本で読むだけで良いわー。』
『ねぇ、日本に還ったら、また4人で集まろうよ!』
『え?私も誘ってくれるんですか?』
『当たり前じゃない!』
そんな話を日本語で話している。なので、王太子様は、少し複雑な顔をしてミヤさんを見詰めている。きっと、最後に少しでも会話がしたかったんだろう。きっと、そんな王太子様の様子にミヤさんは気付いてると思う。だからこその…日本語での会話なんだろう。
「準備が整いました。」
10人程居る魔導師様のうちの1人が声を上げた。
王太子様達はこの部屋の壁際へと下がり、魔導師様達10人が円形に広がり私達4人を取り囲む様に立つ。そして、私達4人はここに来た時と同じ様にギュッと手を繋ぎ合った。
10人の魔導師様達が一斉に魔術を発動させる。すると、私達の足下に魔法陣が展開され、金色に輝きだした。
ここに来る前と同じ景色だった。
ーゾワリー
ここに来る前とは違う感覚が、足下から這い上がって来る。お姉さん達を伺い見るが、お姉さん達は還れる事を喜んでいるだけの様だ。
ー何だろう?気持ち…悪い?ー
知らず知らずのうちに、繋いでいる手に力が入る。
「ハル?大丈夫?」
手を繋いでいたミヤさんが、私の異変に気付き顔を覗き込んで来たその時、金色の光が一気に溢れ出す。
「ーっ!?」
それと同時に、後ろ?に強く引っ張られる感覚に襲われた。
召還された時と同じ景色なのに、体だけが付いていかない感覚。それにミヤさんとフジさんが慌て出す。右手にミヤさん、左手にフジさんと手を繋いでいたのに、引き剥がされそうな感覚。金色の光が辺り一面に広がっている為、周りがあまりよく見えない。おそらく、魔導師様や王太子様にも見えていないのだろう。返還の魔法陣が止まる事はなかった。
そのまま、何故かお姉さん達が見えなくなってくる。それでもまだ、何とかミヤさんとフジさんと、手は繋がっていた。段々お姉さん達の声も聞き取れなくなってくる。
相変わらず、後ろに引っ張られる感覚が続いている。
ー嫌だ!怖いーっ!ー
その次の瞬間、お姉さん達と手が離れた
「ハルーっ!!」
「ハルちゃん!?」
慌てた様な声で私を呼ぶミヤさんとフジさん。ミヤさんが、必死になって私の手を掴もうと手を伸ばして来る…が…。私が手に着けていたブレスレットに、指が引っかかっただけで…
ーその手が私に届く事はなかったー
「本当は、ハル殿のエスコート役は、私じゃなかったんだけどね…」
後少しで“召喚の間”に着くと言う所で、ダルシニアン様が口を開いた。
「え?」
どう言う事だろうか?と思いダルシニアン様を見上げるが、そのダルシニアン様は、私ではなく、真っ直ぐ前を向いたままだった。
「あいつは…素直じゃないから…」
そう言った後、困った様な呆れた様な顔しながら、フッと私の方に視線を向ける。
「えっと?」
『誰が?』と訊こうとした時、ダルシニアン様が先に口を開く。
「ハル殿…ここで…お別れだ。本当にありがとう。お元気で…。」
気が付けば、そこは“召喚の間”で、少し先の方でお姉さん達が私が来るのを待っていた。
『やっと還れるわね。』
『やっぱり異世界とか聖女召喚って言うのは、本で読むだけで良いわー。』
『ねぇ、日本に還ったら、また4人で集まろうよ!』
『え?私も誘ってくれるんですか?』
『当たり前じゃない!』
そんな話を日本語で話している。なので、王太子様は、少し複雑な顔をしてミヤさんを見詰めている。きっと、最後に少しでも会話がしたかったんだろう。きっと、そんな王太子様の様子にミヤさんは気付いてると思う。だからこその…日本語での会話なんだろう。
「準備が整いました。」
10人程居る魔導師様のうちの1人が声を上げた。
王太子様達はこの部屋の壁際へと下がり、魔導師様達10人が円形に広がり私達4人を取り囲む様に立つ。そして、私達4人はここに来た時と同じ様にギュッと手を繋ぎ合った。
10人の魔導師様達が一斉に魔術を発動させる。すると、私達の足下に魔法陣が展開され、金色に輝きだした。
ここに来る前と同じ景色だった。
ーゾワリー
ここに来る前とは違う感覚が、足下から這い上がって来る。お姉さん達を伺い見るが、お姉さん達は還れる事を喜んでいるだけの様だ。
ー何だろう?気持ち…悪い?ー
知らず知らずのうちに、繋いでいる手に力が入る。
「ハル?大丈夫?」
手を繋いでいたミヤさんが、私の異変に気付き顔を覗き込んで来たその時、金色の光が一気に溢れ出す。
「ーっ!?」
それと同時に、後ろ?に強く引っ張られる感覚に襲われた。
召還された時と同じ景色なのに、体だけが付いていかない感覚。それにミヤさんとフジさんが慌て出す。右手にミヤさん、左手にフジさんと手を繋いでいたのに、引き剥がされそうな感覚。金色の光が辺り一面に広がっている為、周りがあまりよく見えない。おそらく、魔導師様や王太子様にも見えていないのだろう。返還の魔法陣が止まる事はなかった。
そのまま、何故かお姉さん達が見えなくなってくる。それでもまだ、何とかミヤさんとフジさんと、手は繋がっていた。段々お姉さん達の声も聞き取れなくなってくる。
相変わらず、後ろに引っ張られる感覚が続いている。
ー嫌だ!怖いーっ!ー
その次の瞬間、お姉さん達と手が離れた
「ハルーっ!!」
「ハルちゃん!?」
慌てた様な声で私を呼ぶミヤさんとフジさん。ミヤさんが、必死になって私の手を掴もうと手を伸ばして来る…が…。私が手に着けていたブレスレットに、指が引っかかっただけで…
ーその手が私に届く事はなかったー
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