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(トイレ…どうしよ)
こんなに眠くてしんどかったら絶対にしてしまうだろう。一応トイレに向かって用を足すも、通常量しか出てこない。水分は先生に促されてそこそこ摂ってしまったし、絶対に寝ている間に生成されてしまう。でも、徹夜した体は横になりたくて仕方がない。ベッドの上で思いっきり伸びをしたらどんなに気持ちいいだろうか。お腹の痛みも少しはマシになるだろうか。何も考えずに寝られたら、そればっかりが頭をぐるぐるぐるぐる。
(横に…なるだけなら…)
そうだ、寝なければいい。意識さえ保っていれば、行きたいサインにも気付けるだろう。
布団の中に体を埋めて仕舞えば、途端に瞼が重くなる。寝ているのか起きているのか、区別がつかないくらいに。
(ぜったいねない…)
目を閉じるだけ、ちゃんと起きてる、そんなことできるはずないのに、自分に何度も言い聞かせ続けた。
「…………っ、!」
寝てた。目を閉じて、フって意識が飛んだ。
慌てて体を起こして布団を捲るけど、幸い布は乾いたまま。
(…といれ…)
寝てしまった、その事実が俺の心臓を跳ね上げる。保健室の時計を見ると10分も経っていない。なのにまた、下腹部が張っている気がする。便器の前に経つと、ほんの少量が垂れるだけ。そりゃそうだ。でもこの量が5時間分だったら、そこそこの量になっているだろう、なんてくだらない事を考えてしまう。
「お腹痛い?」
何回繰り返しただろう。保健室に戻ると先生が目を左右させながら聞いた。
「…いや…」
「気持ち悪い?」
「…ううん…」
「…布団、汚しちゃうの怖い?」
一呼吸置いて、ひっそりと。先生は俺があれからあの癖が治っていないってことは知らないだろうに。まあそうか。こんな状態なら予想できるか。
「…おれさ、最近毎日…してる…」
あの一回だけだと思っているだろうし、てかこの歳で毎晩してるなんて普通は思いもしない。顔の表面が赤くなっているだろう。居た堪れなくって仕方がない。
「しちゃってもいいからちゃんと寝な?」
「…やだ…」
「それで体壊す方が嫌でしょ。どうせシーツ変えるんだから。ほら入って入って」
腕を引かれて掛け布団を捲られ促されるまま、シーツの上に寝転がると、ふわりと掛け布団をかけられる。
「めちゃくちゃ目とろんってしてる」
髪を軽くすきながら小さく笑う先生。こんなに心地良い環境で寝れないわけない。ここならあの人も居ないし。
「…おれ、できなくなっちゃった」
一言、呟いてしまったらもう泣いてしまいそう。
「ふつうのこと、なのに……、」
熱い液体が頬を滑る。なのに目は閉じかけで、意識がどんどん遠のいていく。
「大人でもね、しんどい時はしちゃうんだよ?」
「でも、…まいにちとか…あたまおかしい…っ、」
「おかしくないおかしくない。疲れたってサインなんだよ。それ出せる綾瀬の体は優秀だと思わない?」
「おもわない、」
「これが無かったらもっと頑張っちゃってたんじゃない?ちゃんと休ませたげないと」
「ん゛…」
頬に柔らかいタオルが当たる感触。
おやすみと囁く声が遠くで聞こえ、すぅ…と意識が落ちていった。
「あやせぇー…どお?調子は」
「ぅ゛…あつい…」
首筋にあたる先生の手が気持ちよくて、思わず擦り寄る。全身がじっとり熱くて、腕一本動かすのが重い。
「やっぱり熱上がってきちゃったか。まあまずはお着替えしよう、ね?」
あ、やっぱり。これは汗じゃなかった。この感覚に慣れてしまった自分が嫌い。
「おしっこは大丈夫?」
「ぁ、…」
上半身を何とか起こした瞬間、お腹が圧迫されてフルリと鳥肌が立って思わず前を押さえる。早く行かないと、そう思うけど頭がフラフラして上手く動かせなくって前にガクンと頭が振れた。
「っ…とと…ここでしちゃおうか」
はい、と手渡された透明な容器。ぐっしょりと濡れた背中を支えられている。
「ぇ、ここ…?」
「動くの辛いでしょ?ボタン外せる?」
押さえていた前を外してチャックに手をかける。でも、力の入らない手は使い物にならない。
「せんせぇ…」
寝ている間にも失敗して、起きてても自分で出来ない。介護みたいに先生はチャックを外して俺のモノを取り出し、容器の口にあてがう。
「ん、いいよ」
全身がふるりと震え、ちょろ…と、垂れるように小便が透明な容器を伝っていく。
「ぁ、う、」
恥ずかしいことってことは頭の片隅で理解している。でもそれ以上に体がふわふわして、ボーッとして、目の前の異常さが理解できない。
「っは、ぅぁ、」
じょおおおお…
すっかり勢いを増した液体は、やがて止まる。いつもより頭が回らないこの状態だけど、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
「もう残ってない?」
さっきまでキュンと疼いていた下腹を軽く撫でられる。こくりと首を縦に振ると、えらいえらいと背中を優しくさすられた。
こんなに眠くてしんどかったら絶対にしてしまうだろう。一応トイレに向かって用を足すも、通常量しか出てこない。水分は先生に促されてそこそこ摂ってしまったし、絶対に寝ている間に生成されてしまう。でも、徹夜した体は横になりたくて仕方がない。ベッドの上で思いっきり伸びをしたらどんなに気持ちいいだろうか。お腹の痛みも少しはマシになるだろうか。何も考えずに寝られたら、そればっかりが頭をぐるぐるぐるぐる。
(横に…なるだけなら…)
そうだ、寝なければいい。意識さえ保っていれば、行きたいサインにも気付けるだろう。
布団の中に体を埋めて仕舞えば、途端に瞼が重くなる。寝ているのか起きているのか、区別がつかないくらいに。
(ぜったいねない…)
目を閉じるだけ、ちゃんと起きてる、そんなことできるはずないのに、自分に何度も言い聞かせ続けた。
「…………っ、!」
寝てた。目を閉じて、フって意識が飛んだ。
慌てて体を起こして布団を捲るけど、幸い布は乾いたまま。
(…といれ…)
寝てしまった、その事実が俺の心臓を跳ね上げる。保健室の時計を見ると10分も経っていない。なのにまた、下腹部が張っている気がする。便器の前に経つと、ほんの少量が垂れるだけ。そりゃそうだ。でもこの量が5時間分だったら、そこそこの量になっているだろう、なんてくだらない事を考えてしまう。
「お腹痛い?」
何回繰り返しただろう。保健室に戻ると先生が目を左右させながら聞いた。
「…いや…」
「気持ち悪い?」
「…ううん…」
「…布団、汚しちゃうの怖い?」
一呼吸置いて、ひっそりと。先生は俺があれからあの癖が治っていないってことは知らないだろうに。まあそうか。こんな状態なら予想できるか。
「…おれさ、最近毎日…してる…」
あの一回だけだと思っているだろうし、てかこの歳で毎晩してるなんて普通は思いもしない。顔の表面が赤くなっているだろう。居た堪れなくって仕方がない。
「しちゃってもいいからちゃんと寝な?」
「…やだ…」
「それで体壊す方が嫌でしょ。どうせシーツ変えるんだから。ほら入って入って」
腕を引かれて掛け布団を捲られ促されるまま、シーツの上に寝転がると、ふわりと掛け布団をかけられる。
「めちゃくちゃ目とろんってしてる」
髪を軽くすきながら小さく笑う先生。こんなに心地良い環境で寝れないわけない。ここならあの人も居ないし。
「…おれ、できなくなっちゃった」
一言、呟いてしまったらもう泣いてしまいそう。
「ふつうのこと、なのに……、」
熱い液体が頬を滑る。なのに目は閉じかけで、意識がどんどん遠のいていく。
「大人でもね、しんどい時はしちゃうんだよ?」
「でも、…まいにちとか…あたまおかしい…っ、」
「おかしくないおかしくない。疲れたってサインなんだよ。それ出せる綾瀬の体は優秀だと思わない?」
「おもわない、」
「これが無かったらもっと頑張っちゃってたんじゃない?ちゃんと休ませたげないと」
「ん゛…」
頬に柔らかいタオルが当たる感触。
おやすみと囁く声が遠くで聞こえ、すぅ…と意識が落ちていった。
「あやせぇー…どお?調子は」
「ぅ゛…あつい…」
首筋にあたる先生の手が気持ちよくて、思わず擦り寄る。全身がじっとり熱くて、腕一本動かすのが重い。
「やっぱり熱上がってきちゃったか。まあまずはお着替えしよう、ね?」
あ、やっぱり。これは汗じゃなかった。この感覚に慣れてしまった自分が嫌い。
「おしっこは大丈夫?」
「ぁ、…」
上半身を何とか起こした瞬間、お腹が圧迫されてフルリと鳥肌が立って思わず前を押さえる。早く行かないと、そう思うけど頭がフラフラして上手く動かせなくって前にガクンと頭が振れた。
「っ…とと…ここでしちゃおうか」
はい、と手渡された透明な容器。ぐっしょりと濡れた背中を支えられている。
「ぇ、ここ…?」
「動くの辛いでしょ?ボタン外せる?」
押さえていた前を外してチャックに手をかける。でも、力の入らない手は使い物にならない。
「せんせぇ…」
寝ている間にも失敗して、起きてても自分で出来ない。介護みたいに先生はチャックを外して俺のモノを取り出し、容器の口にあてがう。
「ん、いいよ」
全身がふるりと震え、ちょろ…と、垂れるように小便が透明な容器を伝っていく。
「ぁ、う、」
恥ずかしいことってことは頭の片隅で理解している。でもそれ以上に体がふわふわして、ボーッとして、目の前の異常さが理解できない。
「っは、ぅぁ、」
じょおおおお…
すっかり勢いを増した液体は、やがて止まる。いつもより頭が回らないこの状態だけど、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
「もう残ってない?」
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