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第4章 魔界編(仮)

第1話 魔界

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大変お待たせしました?(疑問形)
第4章はじまります!
───────────

 俺は遂にポチとの再会を果たした。

 そして喜んだのも束の間、何も無い荒野で倒れていた。

 天国から地獄とはまさにこの事。まあ、ここは地獄じゃなくて魔界との事だけど。

 そう、魔界である。

 遊戯の女神様が作った世界。俺とポチはそこに飛ばされた。そして何らかのゲームに参加させられているらしい。ルールも教えて貰えないゲームとか無理ゲーじゃないかな?

 また、俺がどれほどの時間倒れていたのかは分からないけど、ポチは未だに目を覚さない。魔界と言っても太陽はあるみたいで、今はまだ昼間だ。だけど、このまま夜を迎えるのもどうかと思うので、先ずは拠点になる場所を探したいと思う。

 そう思ったけど、ポチをどうしようかな? とりあえず抱っこした状態で途方に暮れる俺。置いていく訳にも行かない。かと言って、ずっと抱っこしている訳にもいかない。うーん、困った。


 色々と試行錯誤した結果、俺の背中にはリュックから顔だけ出したポチが居た。気持ちよさそうにスヤスヤ眠っている。(背中だから見えないけど)

 【万物創造】でリュックを作り、そこにポチを入れる。それを背負った格好だ。ポチが子犬形態? で良かったよ。子連れ何たらって時代劇が昔あったなぁとか、どうでも良い事を考えてしまった。俺は子連れじゃなくて、子犬連れだけど。

 しかし、魔界に連れて来られて右も左も分からない状態なのに、あんまり落胆してないのは何でかな? やっぱりポチが居るからかな? ポチが居るだけで安心感があるな。


 さて、直ぐには帰れない前提で、当面の目標としては拠点の確保と遊戯の女神様のゲームルールの調査だな。・・・と言っても後者は何もヒントがないからまずは拠点を探すしかないか。

 改めて辺りを見渡しても、見渡す限り荒野が広がっている。遠くには山も見えているけど、近くには岩しかない。

 仕方がないので他に選択肢もないし、消去法で遠くに見える山に向かう事にしよう。幸い、従魔達から経験値が入ってくるのでそこそこレベルも上がってきている。魔力も足りるから魔法で飛んで行けそうだ。

 遠くに見える山に向かって飛ぶ。もちろん飛びながらも周囲への警戒は怠らない。ここは魔界だからいつどんな悪魔が出てくるかも分からないしね。ぶっちゃけ未だレベル50もないから、下級悪魔レッサーデーモンが出てきただけでも窮地に立たされそうなんだけど。

 なーんて考えたのがフラグだったのか、索敵範囲ギリギリに何やら反応があった。岩陰になっていて目視は出来ない。

《【鑑定】は出来ませんでした。アチラは気付いていないようなので、このままスルーをお勧めします》

 【鑑定】出来ないって事はきっと悪魔の類だよね。【サポーター】さんの助言通り、触らぬ神に祟りなし。この場合は触らぬ悪魔に祟りなしか? 三十六計逃げるに如かず。とにかく近付かずにスルーしよう。

《索敵範囲外に出ました。今のところ他の反応はありません》

 【サポーター】さん、ありがとう。何とかなって良かった。さすがに俺の索敵範囲より外から俺を感知できるモノは居ないはずだ。

 しかし、俺はこの時、気付いていなかった。あちらも俺の事を発見していた事に。


 しばらく飛び続けたけど、一向に山に着かない。レベルも低く、全力で飛べないってのもあるけど、魔界ってどうなってるんだろう? 地平線とかそんな概念はないのだろうか?

 とは言え、山はかなり大きく見えてきた。確実に近付いているみたいだ。もう数時間も飛んでたら着くんじゃないかな? でも、そろそろ太陽が沈みはじめている。

《夜の魔界は未知数なので、一旦休憩する事をお勧めします》

 今日の【サポーター】さんは色々と勧めてくれるけど、1人で少し寂しいので助かる。あ、背中にはポチが居るけど、未だにスヤスヤと寝息を立てている。


 俺は地面に降りると、今日の寝ぐら作りを始める。出来るだけ外敵に見つからないよう、【土魔法】で地面に穴を掘り土の中に部屋を作る。空気穴だけ残して天井はフタをした。

 8畳ほどの部屋と隣にバスルーム。部屋にはベッドとテーブルを配置。これでとりあえず今日は快適に過ごせるだろう。

《快適過ぎだと思います》

 ですよねー。そして後は夜の見張りだけど、さっき飛んでる時に思い出した。ダンジョンの10階に着いた時にコガルムをボールに戻して【収納】してたんだ。

 俺はコガルムを出して状況を説明する。

「なるほど。困った事になったでありますね。
 とりあえず夜番は自分に任せて欲しいであります。
 何人たりともリョーマ殿には近付けません」

 レベル150のコガルムはとても頼りになる。と言うか、他の参加者? はレベル1で魔界に放り出されたら、あっと言う間に全滅してるんじゃないだろうか? このまま待ってるだけでゲームの勝者になれたりして?

《さすがに神様がそんなミスは犯さないと思いますが・・・》

 まあ、そうだよね。俺は特殊だとしても、他の参加者もそれぞれ何らかの方法で生き残れるようになってるんだろう。

「それじゃあコガルム。悪いけどよろしくね」

 風呂に入り、適当に【収納】から出した食事を食べると俺はベッドに横になる。従魔は主人の魔力さえ有れば食事は取らなくても良いので、目が覚めないポチが飢えると言うことも無いだろう。

 さて明日は山に辿り着けるかな? そんな事を考えている間に、色々あって疲れていたのか俺は直ぐに眠りについたのだった。



 夢の中でポチと会い、色々と話をした・・・ような気がするけど、内容は思い出せない。まあ夢なんてそんなものか?

 そんな感じで目覚めた。

「おはようコガルム。問題は無かったかな?」

「はい。特に襲撃などは無かったであります!」

「良かった。ありがとう」

 そう言いながら、俺はポチを寝かせている小さめのベットを見つめる。相変わらずスヤスヤ眠ったままだ。さすがに、そろそろ起きるかな?

───ドゴーン!

 何て思っていたら、天井に急に大きな穴が開いた。
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