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第2章 学園入学編
第28話 相変わらず万物創造は万能です
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ゼムスさんには、俺の従魔が(多分)封印されたダンジョンに居る事。そしてその従魔は前世で飼っていた犬が転生した事。そして配下の従魔が沢山できている事、その配下が作ったゴーレムが封印を越えて来た事を説明した。
「なるほどのぅ。色々と納得がいったわい。
しかし、ダンジョンの封印を解く使命を与えられた我らと、ダンジョン内に転生したリョーマ君の従魔。どこまでがどのくらい繋がっているのか。そこはまだサッパリじゃの」
「とりあえず、ミルクはガルムを迎えにいってくるの! 進捗状況は【念話】で報告するの。
じゃあ、ご褒美楽しみにしてるの!」
ミルクはそこまで言うと窓から飛び出して行った。戻るまでにオヤツをいっぱい準備しておかないとな・・・。
「さて、時間も時間じゃ。部屋の準備はできておるはずじゃから、ワシらは一先ず休むとするかの。
その男、鈴木氏だったか? こちらで部屋に運んで行くからお主らはもう休んでくれ。日付も変わっとるし子供には辛い時間じゃろう」
鈴木さんには強めの『誘眠』をかけてあるので、魔法を解かない限り数日間は起きないはずだ。俺たちが寝てしまっても先に起きる事はない。
ゼムスさんが手をパンパンと叩くとメイドさんが入ってきて、俺とリーナさんを客間に案内してくれた。
「あら、別々の部屋なのね? 私は別に同じ部屋でも良かったのに」
メイドさんが部屋を紹介して去ってから、リーナさんがそんな事を言い出す。
「な、何を言ってるんですかリーナさん。あなた腐っても王女様です。男と同じ部屋で寝たなんて噂になったらどうするんですか!」
「じょ、冗談よ。そんな反応されるとは思わなかったわ。というか腐ってないわよ! いや、前世では少し腐って・・・なんでもないわ」
リーナさんは腐女子と・・・メモメモ。
ちなみに、メイドさんの説明によると俺の右隣がリーナさん、左隣が鈴木さんの部屋らしい。
メイドさんはリーナさんが王女様だとは知らないみたいだった。こんな夜中に王女様が来たなんて大騒ぎになるから、ゼムスさんは敢えて説明していないんだろう。
「はー、疲れたわ。それじゃリョーマおやすみなさい。昼寝したとはいえ、しっかり休むのよ?」
「分かってます。明日は明日で忙しくなりそうですからね。
じゃあリーナさん、おやすみなさい」
挨拶をすると俺にあてがわれた部屋に入る。複数ある客間の1つとは言え、とても立派な部屋だった。神官長ともなると、VIPなお客さんが来ることがあるんだろう。
部屋にシャワーも完備されていたけど、疲れていたので自分に『クリーン』の魔法をかけて、フカフカのベッドに横になる。そのままいつの間にか夢の世界に誘われるのだった。
☆
───トントントン
トビラをノックされる音で目が覚める。
あれ、ここは・・・、ああゼムスさんの屋敷に泊まったんだ。窓からは既に日の光が射し込んでいる。何時くらいだろう?
《午前7時半です》
【サポーター】さん、ありがとうございます。
「はーい。ちょっと待って下さい」
俺はトビラに向かって叫ぶと、起き上がり身だしなみを整える。と言っても、そのまま寝てしまったので鏡を見ながら少し髪型と服装を整える程度だけど。
「すみません。お待たせしました」
そう言いながらトビラを開けると、そこにはリーナさんが立っていた。
「ごめんなさい。まだ寝てたかしら?」
「いえ、大丈夫ですよ。むしろアラームもセットしないで寝てしまったので、起こして頂いて助かりました」
「アラーム?」
「ええ、【サポーター】のスキルを使えば、任意の時間でアラーム・・・と言うか教えて貰う事ができます」
「【サポーター】と言えば、【アナウンス】が進化したって話のスキルだったわね。 ホントに色んなスキルを持っていて羨ましいわ」
「僕はリーナさんの【魔法創造】が羨ましいですよ? 作ってみたい魔法も色々ありますし・・・。
あ! 昨日の昼間に話が中途半端になってしまいましたけど、変装できるような魔法って創れそうですか?」
すっかり忘れてたけど、鈴木さんを匿うなら変装が必要だって話が途中で終わっていた。
「その話だけど、新しい魔法を作るのは一朝一夕ではできないの。
一応あの後色々調べてみたんだけど『認識阻害』を付与した魔道具が稀にダンジョンから産出するらしいわ。それを手に入れたら一時しのぎにはなるけど、どうかしら?」
「なるほど、わざわざ変装しなくても他者からの認識を逸らしてしまえばとりあえずは問題ないって事ですね。
それなら話が早いです。昨日の夜、僕がリーナさんにかけたじゃないですか、『認識阻害』」
「そうね。そう言えば待っている間にかけられてたわね」
「つまり、【万物創造】でパパっと作れちゃいます。『認識阻害』の魔道具」
そこまで言うと、またリーナさんに呆れ顔をされた。うん。もう慣れたよ。
「【万物創造】ってチート過ぎるでしょ・・・。レジェンドスキルなんだっけ?」
「一応、分類はレジェンドスキルですが【鑑定】結果によると魔ドワーフ専用となっているので、人類で使える人は居ないと思います」
「ここに居るけどね」
そうでした。危うく自分で人類外宣言をするところだった。
「1つだけの付与なのでそんな難しくないから、今作ってしまいますね」
「難しくないとか、この場で作るとか、その発想がもうおかしいと思うけど、リョーマだから仕方ないわね」
リーナさんのセリフを右から左に受け流しつつ、【収納】の中で余っていた銀細工に『認識阻害』を付与する。
「はい、出来ました。一応レベル5で付与したので達人クラスでもないと認識できなくなると思います」
「ああ、うん。凄い」
2日連続、3回目の棒読み頂きました。もっと喜んでくれても良いと思うけどな。
「何かもう【万物創造】スキルだけで何でもできる気がしてきたわ。万能にもほどがあるわね」
「ほっほっほ、朝から仲が良いの」
「うわっ!」
急にゼムスさんが会話に割り込んできて、思わず飛び退いてしまった。
ゼムスさんは気配がないので、普段【マップ】での気配把握に慣れている俺は、特に不意を突かれた感じになってしまう。
「お、おはようございますゼムスさん。【気配支配】使いながら近付かれると寿命が縮むので止めてもらえますか?」
「すまんのぉ。ワシはこれくらいしか取り柄がないからの」
いや、神官長まで上り詰めた人なんだから、そんな訳ないでしょう。色々と才能がありそうだ。
「それで、話が弾んでいたところ申し訳ないが、どうするかの?
鈴木氏を起こすか、先に朝食にするか」
「うーん。先に鈴木さんを起こして話をしましょうか? 朝食を先に食べてしまうと、後で鈴木さんの朝食準備が二度手間になって申し訳ないですし」
本音としては早く鈴木さんの話を聞いてみたいっていうのもある。転生じゃなくて転移だから色々大変だったんだろう。
「なるほどのぅ。色々と納得がいったわい。
しかし、ダンジョンの封印を解く使命を与えられた我らと、ダンジョン内に転生したリョーマ君の従魔。どこまでがどのくらい繋がっているのか。そこはまだサッパリじゃの」
「とりあえず、ミルクはガルムを迎えにいってくるの! 進捗状況は【念話】で報告するの。
じゃあ、ご褒美楽しみにしてるの!」
ミルクはそこまで言うと窓から飛び出して行った。戻るまでにオヤツをいっぱい準備しておかないとな・・・。
「さて、時間も時間じゃ。部屋の準備はできておるはずじゃから、ワシらは一先ず休むとするかの。
その男、鈴木氏だったか? こちらで部屋に運んで行くからお主らはもう休んでくれ。日付も変わっとるし子供には辛い時間じゃろう」
鈴木さんには強めの『誘眠』をかけてあるので、魔法を解かない限り数日間は起きないはずだ。俺たちが寝てしまっても先に起きる事はない。
ゼムスさんが手をパンパンと叩くとメイドさんが入ってきて、俺とリーナさんを客間に案内してくれた。
「あら、別々の部屋なのね? 私は別に同じ部屋でも良かったのに」
メイドさんが部屋を紹介して去ってから、リーナさんがそんな事を言い出す。
「な、何を言ってるんですかリーナさん。あなた腐っても王女様です。男と同じ部屋で寝たなんて噂になったらどうするんですか!」
「じょ、冗談よ。そんな反応されるとは思わなかったわ。というか腐ってないわよ! いや、前世では少し腐って・・・なんでもないわ」
リーナさんは腐女子と・・・メモメモ。
ちなみに、メイドさんの説明によると俺の右隣がリーナさん、左隣が鈴木さんの部屋らしい。
メイドさんはリーナさんが王女様だとは知らないみたいだった。こんな夜中に王女様が来たなんて大騒ぎになるから、ゼムスさんは敢えて説明していないんだろう。
「はー、疲れたわ。それじゃリョーマおやすみなさい。昼寝したとはいえ、しっかり休むのよ?」
「分かってます。明日は明日で忙しくなりそうですからね。
じゃあリーナさん、おやすみなさい」
挨拶をすると俺にあてがわれた部屋に入る。複数ある客間の1つとは言え、とても立派な部屋だった。神官長ともなると、VIPなお客さんが来ることがあるんだろう。
部屋にシャワーも完備されていたけど、疲れていたので自分に『クリーン』の魔法をかけて、フカフカのベッドに横になる。そのままいつの間にか夢の世界に誘われるのだった。
☆
───トントントン
トビラをノックされる音で目が覚める。
あれ、ここは・・・、ああゼムスさんの屋敷に泊まったんだ。窓からは既に日の光が射し込んでいる。何時くらいだろう?
《午前7時半です》
【サポーター】さん、ありがとうございます。
「はーい。ちょっと待って下さい」
俺はトビラに向かって叫ぶと、起き上がり身だしなみを整える。と言っても、そのまま寝てしまったので鏡を見ながら少し髪型と服装を整える程度だけど。
「すみません。お待たせしました」
そう言いながらトビラを開けると、そこにはリーナさんが立っていた。
「ごめんなさい。まだ寝てたかしら?」
「いえ、大丈夫ですよ。むしろアラームもセットしないで寝てしまったので、起こして頂いて助かりました」
「アラーム?」
「ええ、【サポーター】のスキルを使えば、任意の時間でアラーム・・・と言うか教えて貰う事ができます」
「【サポーター】と言えば、【アナウンス】が進化したって話のスキルだったわね。 ホントに色んなスキルを持っていて羨ましいわ」
「僕はリーナさんの【魔法創造】が羨ましいですよ? 作ってみたい魔法も色々ありますし・・・。
あ! 昨日の昼間に話が中途半端になってしまいましたけど、変装できるような魔法って創れそうですか?」
すっかり忘れてたけど、鈴木さんを匿うなら変装が必要だって話が途中で終わっていた。
「その話だけど、新しい魔法を作るのは一朝一夕ではできないの。
一応あの後色々調べてみたんだけど『認識阻害』を付与した魔道具が稀にダンジョンから産出するらしいわ。それを手に入れたら一時しのぎにはなるけど、どうかしら?」
「なるほど、わざわざ変装しなくても他者からの認識を逸らしてしまえばとりあえずは問題ないって事ですね。
それなら話が早いです。昨日の夜、僕がリーナさんにかけたじゃないですか、『認識阻害』」
「そうね。そう言えば待っている間にかけられてたわね」
「つまり、【万物創造】でパパっと作れちゃいます。『認識阻害』の魔道具」
そこまで言うと、またリーナさんに呆れ顔をされた。うん。もう慣れたよ。
「【万物創造】ってチート過ぎるでしょ・・・。レジェンドスキルなんだっけ?」
「一応、分類はレジェンドスキルですが【鑑定】結果によると魔ドワーフ専用となっているので、人類で使える人は居ないと思います」
「ここに居るけどね」
そうでした。危うく自分で人類外宣言をするところだった。
「1つだけの付与なのでそんな難しくないから、今作ってしまいますね」
「難しくないとか、この場で作るとか、その発想がもうおかしいと思うけど、リョーマだから仕方ないわね」
リーナさんのセリフを右から左に受け流しつつ、【収納】の中で余っていた銀細工に『認識阻害』を付与する。
「はい、出来ました。一応レベル5で付与したので達人クラスでもないと認識できなくなると思います」
「ああ、うん。凄い」
2日連続、3回目の棒読み頂きました。もっと喜んでくれても良いと思うけどな。
「何かもう【万物創造】スキルだけで何でもできる気がしてきたわ。万能にもほどがあるわね」
「ほっほっほ、朝から仲が良いの」
「うわっ!」
急にゼムスさんが会話に割り込んできて、思わず飛び退いてしまった。
ゼムスさんは気配がないので、普段【マップ】での気配把握に慣れている俺は、特に不意を突かれた感じになってしまう。
「お、おはようございますゼムスさん。【気配支配】使いながら近付かれると寿命が縮むので止めてもらえますか?」
「すまんのぉ。ワシはこれくらいしか取り柄がないからの」
いや、神官長まで上り詰めた人なんだから、そんな訳ないでしょう。色々と才能がありそうだ。
「それで、話が弾んでいたところ申し訳ないが、どうするかの?
鈴木氏を起こすか、先に朝食にするか」
「うーん。先に鈴木さんを起こして話をしましょうか? 朝食を先に食べてしまうと、後で鈴木さんの朝食準備が二度手間になって申し訳ないですし」
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