FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🍭

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 奈緒が考えあぐねたように、首を傾げて口をつぐむ。少し考えてから言った。
「そのまま仲良くなってくれればいいのに。南ちゃんは悪いことしないし、タバコも吸っていない のよ」
「場の空気が続けばそうなるんだろうけど、難しいよねぇ。卓球をしているのが当たり前って空気は、クラブ活動中だけだもん。それに、実際小沢さんが問題起こしたって話は聞かないし、事実そうだとしても、小沢さんが不良で悪いことをしているっていう物語をえがいているほうが、仲間意識が高まるし、普通である自分のほうが、地位が上で幸せだって思えるでしょう。先が見えない不安は、ごまかしだったとしてもいっとき消せるんだろうから」
「どうしたらいい?」
「どうもしなくていいんじゃない? 今の流れじゃどうしようもないよ。学校中がそういう方向に流れているもん、抗えないよ。なおちんと小沢さんはその中で離ればなれになる運命なのかもしれないしぃ、流れが落ち着いたところでまた一緒になる運命なのかもしれないしぃ」
 奈緒が、左にいる瑠衣越しに景色へと目を向ける。
「本降りになってきたね。すぐにやまないやつだ」
「一応、本降りは夕方だったと思うから、待っていればそのうちやむと思うけど、どうしよっか?」
 奈緒が満面の笑みを浮かべて、茶色のてさげの中を探る。
「じゃぁじゃっじゃーん。おうちから持ってきたプルーンのグーミー」
 そう猫型ロボットふうに叫んで、銀色の袋でパッキングされた二袋を取り出すと、一袋を瑠衣に渡した。
「ありがとう」
「あと、カフェラテ。でもこれは飲みかけなので、ざんねん」
 奈緒は腿の間にペットボトルを挟んでふたを開けると、半分残っていたそれをぐびぐび飲み始める。
 微かに玉唇を開いたまま見つめていた瑠衣が言った。
「わたし喉乾いちゃった。気にしないから最後の何口かちょうだい?」
 奈緒は悩んだが、「はい」と渡した。
 表情の変化を見てとったのか、瑠衣が訊く。
「わたしが飲んだらいや? 不潔って思う?」
「ううん。口惜しいって思った」
 すごい言い回しに、瑠衣が吹き出す。
「ごめん。鼻からつば出た」
 二人は大笑いして、上半身を重ね合わせて転がした。



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