レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
191 / 248
第4章 チタン属性でざまぁ編

第191話 おっさん、子供達を養子に出す

しおりを挟む
「お前達、村まで貰い手を探しに行くぞ」
「はーい」

 元気な返事が返ってきた。

 さてと、バスが使えればいいが、あいにく魔力通販は手に取った物しか買えない。
 バスを買おうとした事はなかった。

 しょうがないので、村まで走らせる事にした。
 俺だけがバイクだとなんか悪い気がしたので、俺も付き合って走ろう。
 レベルが270を超えているので、耐久力には自信がある。
 それは問題ないのだが。

「おい、立ち止まるな」
「だって、綺麗な蝶々が」

 子供達が好奇心を覚えてしまって、途中に珍しい物があると足が止まる。
 今まで殺しの訓練だけだったから、見慣れない物があると楽しいのだろう。
 野外訓練とかなかったのかな。

「そんなもの、野外訓練の時に死ぬほど見ただろう」
「あの時は生きるか死ぬかだったから、そんな余裕は無かったの」
「お前ら、はぐれた奴は置いていくぞ」
「いい、後から追いつくから」

 そんなこんなで村に着いて、着いた時には人数が10人ほどになっていた。
 迷子になって野垂れ死んでも俺は知らん。
 抑圧されていた物がなくなって自由になったのだから、分からなくもない。

 農村は麦畑と野菜が植えてある畑があり、それと牛とヤギと豚が飼育されていた。
 10人ほどの子供を引き連れている俺は奇異の目で見られた。
 全員いなくて良かったのかも知れない。

「よう、モーガス。元気にやってたか」
「ええ、スラムと比べれば農村の暮らしは天国ですね。上手い飯。気の良い隣人。あげたら、きりがない」
「それでこの子供達なんだが、養子の先を探している」
「10歳を超えてますから、子供のいない所では喜ばれるでしょう」
「あまり働かせるのは気が進まないが」

「農村では過労死なんて物はありません。死ぬとしたら何らかの要因で飢餓が起こってでしょうね。その時はみんな死にます。村全体が家族ですから」
「そうか、村全体で子供達の様子を見てくれるのだな」
「ええ、そこが、うっとうしいと同時に良い所でもあります」

 子供達を引き渡して、俺は残りの子供達を村の外れで待っていた。
 おかしい後続がこない。
 何かあったのか。

 その時子供達を引き連れた大人が二人やってくるのが見えた。
 親切な人が送ってくれたのだろうか。
 突然大人の一人から3メートルの火球が放たれた。

「ならず者の来襲だ。鐘を鳴らせ」

 村の外れでモンスターの警戒に当たっていた気体魔導士の一人が声を上げた。
 火球は俺に着弾。
 服を焦がした。

 火球の大きさから、相手はダイヤモンド魔導士だと思う。
 魔力壁があるから、火傷は負わないと思っていたから、無理して避けなかった。
 気体魔導士達が風船を持って現れる。


「ごめんなさい。この人達を案内するしかなかったんです」

 子供の一人が駆け寄って来て謝罪する。
 呪いが掛かっているから道を聞かれたら答えない訳にはいかない。

「いいんだ。危なくない所へ逃げていろ」

 流石に元暗殺者の玉子、戦闘の邪魔にならないように秩序だった動きで避難した。

「火球放て」

 気体魔導士達が10センチほどの火の玉を放つ。
 敵の魔導士は土壁を出して防いだ。

 いい機会だ。
 気体魔導士がどれぐらいやれるのか見させてもらおう。
 もう一人の敵は、腰の剣を抜いてこちらに駆けよって来る。
 こいつは普通の剣士か。

「石つぶて連射」

 気体魔導士達は石のつぶてを剣士に魔導で叩きつけた。
 剣士はかわす動きを見せたが、10人以上いる気体魔導士の連射で昏倒した。
 その間、魔導士は火球を土壁を越えて撃った。
 火球は放物線を描いて気体魔導士に迫る。

「不味い逃げろ」

 おいおい、火球の防御を考えてなかったのか。
 まあ、ゴブリン相手だと火球は撃ってこないからな。
 仕方ない。

属性魔導アトリビュートマジック、炭よ酸素と結合し二酸化炭素の屋根になれ」

 炭をアイテムボックスから出して二酸化炭素で屋根を作った。
 逃げ惑う気体魔導士の上に火球が差し掛かりふっと消えた。

「何をぼやぼやしてる反撃しろ」
「みんな、石つぶてを発射」

 放物線を描いて石つぶてが相手の魔導士目掛けて落ちていく。
 短い悲鳴があって、敵の魔導士の反撃が止まった。

「どうです。気体魔導士は」

 そう尋ねるモーガス。

「60点だな。後で二酸化炭素の技を教えるよ」
「ゴブリン相手だと無双出来ていたんですが、魔導士相手はやっぱり厳しいですね」
「搦め手を使えよ。毒とか罠とか色々とあるだろう」
「ええ、考えてみます」

 気体魔導士も集まれば戦力になると分かった。
 彼らをあてには出来ないが無視も出来ない。
 仲間に入れてやらないと、革命は総意で行くのが望ましい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

おじさんが異世界転移してしまった。

明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

処理中です...