レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
190 / 248
第4章 チタン属性でざまぁ編

第190話 おっさん、暗殺者の玉子を捕まえる

しおりを挟む
「オーダー様、秘密結社の人間が二人やられました」

 オーダーとは俺の事だ。

「捕まった奴はいないだろうな」
「ええ、いません」

 やられた手口はナイフによる刺殺。
 そこで、防刃グローブ、防刃ベスト、防刃ズボンの三点セットを配備する事にした。
 刃に毒がぬってあると事だから、解毒ポーションもつける。
 これで被害が減ってくれれば良いが。

 俺もビラ貼りに同行する。
 夜の街に俺達の足音だけが響く。

 ゴミが動いたと思ったら、ナイフを腹に当てられていた。
 魔力壁があるから刺さらないが気分の良いものじゃない。

 拳を振り上げ、刺客の背中に叩き下ろした。
 ゴギっと音がして刺客はピクリとも動かない。
 背骨が折れたんだろう。
 念のため口を開けて舌を見るとトカゲのマークがあった。
 こいつら、リウ暗殺団の残党だな。
 やけに背が低いと思ったらまだ顔が幼い。

 やな奴を殺しちまった。
 子供はなるべく殺さないようにしてたのに。

 もう一度出て来たら、無傷で捕らえる事も可能だが、洗脳は解けないだろうな。
 扇動ポーションが効けば良いが、あれは低レベル限定だからな。
 暗殺者の玉子が低レベルなんて有り得ない。

「暗殺者は出来るだけ無傷で捕らえて連れて来い」
「かしこまりました。皆に伝えておきます」

 ビラ貼りを続行する。
 ある地点に差し掛かったところ、地面がめくれて地下から子供が飛び出した。
 俺はトイレのすっぽんを出して身構える。
 子供はナイフの刃に液体を垂らした。

 毒を使うのは想定内だ。

貫通ペネレイト

 むっ、貫通スキルか。
 魔力壁で対抗できるかな。
 俺はわざとナイフを腹で受けた。
 チクリと痛みが走った。

 トイレのすっぽんで子供をぶちのめしてから、解毒ポーションを呷る。
 魔力壁も貫通するとは、貫通スキル侮れないな。
 傷の方は大した事が無いので有効打とまでは言えないが。

「武器を持ってないか隅々まで調べろよ」
「血も涙もない一言ですな。この子供のトラウマにならないか心配です」
「なら、気絶しているうちにやるんだな」
「手が汚れないようになる物とかないですかね」
「なんに使うんだ。ゴム手袋を支給してやる。ちゃんと探れよ」
「はいはい」

 しばらくして。

「筒があり小さい刃物を隠していました」

 筒か。
 体のどこに隠してしたかは聞かないでおこう。

「そうか」
「それと胃袋にも武器がありました。口の中に紐があったので引っ張ったら出てきました」
「まじか。密輸業者がやるとは聞いてはいたが、ドン引きだな。もしかして、髪の毛の中に何か隠してないか探せ」

 髪の毛で武器を偽装する忍者の話があったな。

「ありました。髪の毛の色と同じ武器が」

 こいつらを生かして連れて行くのはどうなんだろうか。
 だが、子供は殺したくない。
 偏った価値観だとは分かっているが、譲れない。
 人間なんて物はどっかで線引きしている物だ。
 子供は生かして、大人は殺す。
 嫌な線引きだ。

「さあ、引き上げよう」

 今夜だけで5人の子供が捕まって俺の元に連れてこられた。

「お前達を殺すつもりはない」
「俺は裏切り者にはならない。里の仇を討つんだ」
「やりたくはないが、うらむなよ。といっても無理か」
「何をするんだ。その魔法陣は何だ」

 俺は無言で魔力回路を作動させて、良心の呵責を覚える呪いを付加した。

「こんな、それをあっちにやってお願い」
「来るな」
「悪かった」
「来ないで」
「うわー」

 子供に呪いを掛けるなんて、嫌な仕事だ。

「さすが、オーダー様です。血も涙もない」
「悪い事をしなけりゃ良いんだ。ところで、防刃セットは役に立ったか」
「ええ、子供達に腹を刺されても何ともなかったですよ」
「それは何よりだ」

「この子供達はどうしましょう」
「そうだな。農村にでも連れていくか。子供のない夫婦なんてのもいるだろうから」

 子供の数は最終的には30人を超えた。
 だが、呪いを掛けられて改心しなかった子供は一人もいない。
 俺は子供を預ける為に農村を回る事にした。
 気体魔導士の伝手を使うとしようか。
 彼らが仲介すれば村人も安心して子供を引き取るに違いない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺のスキルが無だった件

しょうわな人
ファンタジー
 会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。  攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。  気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。  偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。  若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。  いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。 【お知らせ】 カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜

夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。 不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。 その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。 彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。 異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!? *小説家になろうでも公開しております。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

処理中です...