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第29話 グラトニー
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スライムの酸を得た俺達はオークグループに無敵だった。
とうぜん乱獲して次に進んだ。
次なる敵はスライムだった。
そのスライムの歩みは遅い。
だが、1階層でもスライムは強敵だった。
まずは一当て。
鉄パイプで殴ったところ魔鉄製の鉄パイプがごっそり溶かされた。
くっ、近接戦闘は無理か、
【武器を溶かすとは正統派スライムだな】
【魔法を撃ったりなのは邪道なのか?】
【さてどうなるか。ちょっと期待】
ならば。
俺は天井に届くほどの火の玉を魔法で作って飛ばした。
火の玉はスライムに当たると綺麗さっぱりなくなる。
心なしかスライムが大きくなったようだ。
任せとけと言わんばかりにシロガネが進み出てブレスを吐き始めた。
ブレスはスライムの所に到達すると綺麗さっぱり消え失せる。
これも駄目か。
「シロガネ、もういい」
「くぅん」
シロガネが尻尾を巻いて下がってくる。
俺は予備の鉄パイプを取り出すと呪いを込めた。
そして殴ったが、呪いは消え失せ、鉄パイプも先が食われた。
呪いでも駄目か。
しかもさっきよりかなり大きくなっている。
「まるで童話ね。攻撃すると大きくなる怪物みたいだわ」
そう、弥衣が呟やくように言った。
「酸を吐くスライムとは別物だな。大食いアイアンスライムと名付けるかな」
「名付けるならアイアングラトニースライムでしょ」
「長いなグラトニーで良いか。となると最初のはなんだ」
「アイアンアシッドスライムかしら」
「アシッドだな。さて、打撃も、呪いも、魔法も、ブレスも効かない。どうすりゃいいんだ」
「ゲームだと、弱点属性があるのが普通よ」
「じゃあ、電気、水、石と試してみるか。水鉄砲も使ってみるか。酸は盲点かもしれないし」
考えつく限りの魔法を試したが駄目だった。
重力魔法さえ食われてしまった。
知恵袋の弥衣もこれにはお手上げだった。
【スライムが強敵で草】
【魔法とかブレスとか全部CGだよ。ライブってなっているが編集した動画を流しているに決まっている】
【でもスライムは強敵だと聞いた。武器は痛むし、魔法も効きにくい種類もいると聞いている】
【でも精々がCランクだ】
【こんなに動きが遅いと無視して進めばいいんじゃね】
「俺は尻尾を巻いたりしない」
【強敵感を演出してるのか。ご苦労様】
【仮におっさん設定の何でも食うスライムがいたとしてどうやっつける?】
【食中毒ぐらいしか思いつかん】
【臭いおっさんなら食わないかもな。素手で殴ってみたら】
【スペシャルな光線とか】
「光と言うと赤外線が良いかもね」
弥衣がそう言ってきた。
「じゃあやるよ。温かい光」
スライムは苦しそうにもならないし、なんともない。
効いてないな。
【赤外線は駄目か】
【おっさんどんだけ無敵設定にしたんだ。俺達が攻略法を出さないと先に進まないのかな】
【くっ、とんちを働かせろというわけか】
【そんなの、きっとしばらく経って、正解をドヤ顔で発表するから、見てれば良い】
「仕方ない。今日は引き分けにしといてやる」
【スライムに捨て台詞は藁】
【正解は明日分かるか。今日は終りだな】
シロガネを残して俺達はダンジョンから帰った。
弥衣とシロガネのご飯を買いにスーパーにいく。
「今日のシロガネの飯はハンバーグにするか?」
「駄目よ。犬とは違うかもしれないけど玉ねぎが良くないわ」
「じゃあ自分で作るか。モツとか色々な肉を混ぜて焼こう」
「塩も良くない可能性があるわ」
「じゃあ肉とモツのミンチと小麦粉を少し入れて焼こう」
「おやつに、無塩チーズを持って行ったらいいわ。きっと気に入ると思うわ。それと骨ね。ただ骨はかみ砕くと喉に刺さるかも知れないわ」
俺達は買い込んだ肉とモツで巨大ハンバーグを作った。
ダンジョンに入るとシロガネが尻尾を振ってやってきた。
「そら、ハンバーグだ」
俺は巨大なハンバーグを投げた。
シロガネは空中でキャッチひと噛みで飲み込んだ。
いい食いっぷりだ。
そしておやつのチーズを食わせた。
チーズはことのほか気に入ったようだ。
こいつグラトニーみたいだと思った。
「犬に良くない物はかなりあるの」
「そうなんだ」
「キシリトールとか、チョコとか色々とあるわ」
俺はピンときた毒をグラトニーに食わせれば良いんじゃないかと。
「グラトニー対策だけど毒はどうかな」
「あのスライムの溶かす酸は猛毒だと思う」
「あれはさ。スライムの酸だから」
「それで毒物をどうやって入手するの?」
「あー、許可がいるのか」
「農薬とか合法なのもあるけど、どうかな。蜘蛛毒もいってみる」
「とりあえず考えつく限りの物を持って行こう」
毒でなんとかする方向で方針は決まった。
とうぜん乱獲して次に進んだ。
次なる敵はスライムだった。
そのスライムの歩みは遅い。
だが、1階層でもスライムは強敵だった。
まずは一当て。
鉄パイプで殴ったところ魔鉄製の鉄パイプがごっそり溶かされた。
くっ、近接戦闘は無理か、
【武器を溶かすとは正統派スライムだな】
【魔法を撃ったりなのは邪道なのか?】
【さてどうなるか。ちょっと期待】
ならば。
俺は天井に届くほどの火の玉を魔法で作って飛ばした。
火の玉はスライムに当たると綺麗さっぱりなくなる。
心なしかスライムが大きくなったようだ。
任せとけと言わんばかりにシロガネが進み出てブレスを吐き始めた。
ブレスはスライムの所に到達すると綺麗さっぱり消え失せる。
これも駄目か。
「シロガネ、もういい」
「くぅん」
シロガネが尻尾を巻いて下がってくる。
俺は予備の鉄パイプを取り出すと呪いを込めた。
そして殴ったが、呪いは消え失せ、鉄パイプも先が食われた。
呪いでも駄目か。
しかもさっきよりかなり大きくなっている。
「まるで童話ね。攻撃すると大きくなる怪物みたいだわ」
そう、弥衣が呟やくように言った。
「酸を吐くスライムとは別物だな。大食いアイアンスライムと名付けるかな」
「名付けるならアイアングラトニースライムでしょ」
「長いなグラトニーで良いか。となると最初のはなんだ」
「アイアンアシッドスライムかしら」
「アシッドだな。さて、打撃も、呪いも、魔法も、ブレスも効かない。どうすりゃいいんだ」
「ゲームだと、弱点属性があるのが普通よ」
「じゃあ、電気、水、石と試してみるか。水鉄砲も使ってみるか。酸は盲点かもしれないし」
考えつく限りの魔法を試したが駄目だった。
重力魔法さえ食われてしまった。
知恵袋の弥衣もこれにはお手上げだった。
【スライムが強敵で草】
【魔法とかブレスとか全部CGだよ。ライブってなっているが編集した動画を流しているに決まっている】
【でもスライムは強敵だと聞いた。武器は痛むし、魔法も効きにくい種類もいると聞いている】
【でも精々がCランクだ】
【こんなに動きが遅いと無視して進めばいいんじゃね】
「俺は尻尾を巻いたりしない」
【強敵感を演出してるのか。ご苦労様】
【仮におっさん設定の何でも食うスライムがいたとしてどうやっつける?】
【食中毒ぐらいしか思いつかん】
【臭いおっさんなら食わないかもな。素手で殴ってみたら】
【スペシャルな光線とか】
「光と言うと赤外線が良いかもね」
弥衣がそう言ってきた。
「じゃあやるよ。温かい光」
スライムは苦しそうにもならないし、なんともない。
効いてないな。
【赤外線は駄目か】
【おっさんどんだけ無敵設定にしたんだ。俺達が攻略法を出さないと先に進まないのかな】
【くっ、とんちを働かせろというわけか】
【そんなの、きっとしばらく経って、正解をドヤ顔で発表するから、見てれば良い】
「仕方ない。今日は引き分けにしといてやる」
【スライムに捨て台詞は藁】
【正解は明日分かるか。今日は終りだな】
シロガネを残して俺達はダンジョンから帰った。
弥衣とシロガネのご飯を買いにスーパーにいく。
「今日のシロガネの飯はハンバーグにするか?」
「駄目よ。犬とは違うかもしれないけど玉ねぎが良くないわ」
「じゃあ自分で作るか。モツとか色々な肉を混ぜて焼こう」
「塩も良くない可能性があるわ」
「じゃあ肉とモツのミンチと小麦粉を少し入れて焼こう」
「おやつに、無塩チーズを持って行ったらいいわ。きっと気に入ると思うわ。それと骨ね。ただ骨はかみ砕くと喉に刺さるかも知れないわ」
俺達は買い込んだ肉とモツで巨大ハンバーグを作った。
ダンジョンに入るとシロガネが尻尾を振ってやってきた。
「そら、ハンバーグだ」
俺は巨大なハンバーグを投げた。
シロガネは空中でキャッチひと噛みで飲み込んだ。
いい食いっぷりだ。
そしておやつのチーズを食わせた。
チーズはことのほか気に入ったようだ。
こいつグラトニーみたいだと思った。
「犬に良くない物はかなりあるの」
「そうなんだ」
「キシリトールとか、チョコとか色々とあるわ」
俺はピンときた毒をグラトニーに食わせれば良いんじゃないかと。
「グラトニー対策だけど毒はどうかな」
「あのスライムの溶かす酸は猛毒だと思う」
「あれはさ。スライムの酸だから」
「それで毒物をどうやって入手するの?」
「あー、許可がいるのか」
「農薬とか合法なのもあるけど、どうかな。蜘蛛毒もいってみる」
「とりあえず考えつく限りの物を持って行こう」
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