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最終章 勇者編
第114話 第13小隊
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城をランデ男爵共に訪れる。
そのほうの働きに期待していると言われて領主との謁見は終わった。
まあ、辺境伯って言ったら侯爵相当だから、挨拶なんてそんなものだろう。
後の難しい話はランデ男爵が引き受けてくれた。
国同士の難しい話ははっきり言って苦手なので助かったな。
そして、おれは案内人に引き合わされた。
「私達七名が今日から案内をする第13小隊です。私はアレックで小隊長を任命されています」
第13小隊は見たところ十代後半の年齢で構成されていた。
俺も若いが、若いな。
「よろしく、フィルだ」
「どこかご希望はございますか」
「そうだな城壁が見たい。たぶん城壁の上で迎え撃つ事になるからな」
城壁に案内されるとそこには大穴が開いていて修理の真っ最中だった。
「この前のスタンピートで壊されたのか」
「はい、街の中に侵入を許してしまいました」
「軍の構成はどうなっている」
「九割歩兵です。後の一割が衛生兵と後衛です」
「遠距離攻撃が少ないのは理由があるのか」
「獣人は多産です。そのため軍の志願者は多いのですが、育成が簡単な歩兵の数がどうしても膨れ上がります」
人海戦術で守り抜くつもりなんだな。
そうか、それで恩金か。
歩兵がみな死兵みたいなものか。
よく救援を申し込む気になったな。
「俺はなんで呼ばれたか理由は分かるか」
「噂では国庫が空になりそうだとか」
「それは大丈夫なのか」
「足りなくなれば、商都市連合国に借金を申し込む。何時もの事です」
そうか、恩金が出せなくなって暴動とかはないのだな。
たぶん、急激に減る国庫の状況を見て担当者が青くなったに違いない。
第13小隊を連れてティルダの所に行った。
ゴーレム騎士団はやはり中庭で訓練している。
第13小隊の面々はゴーレム騎士団の錬度を見て目を丸くしていた。
「訓練中悪いな」
「いいのよ、一息いれるところだから」
「案内の第13小隊だ。ゴーレム騎士団も一緒に行動を共にしてもらう事になると思う」
「ティルダよ、よろしく」
「小隊長のアレックです。訓練に混ぜてもらってもいいですか」
「ええ、ゴーレムだから真剣で相手していいから」
ゴーレム騎士団の人間はゴーレムを操り第13小隊と訓練を開始した。
ゴーレムは木剣を構えている。
人間とゴーレムでは地力が違うと思った。
それでも、第13小隊はゴーレムのスピードやパワーになんとかついていけていた。
しかし、剣をほとんど合わせないうちにどの隊員も痛撃を食らう。
「訓練が足りないね。こんなので戦場にでると死んじゃうよ」
ティルダの言葉が第13小隊に突き刺さる。
うな垂れる隊員達。
「ティルダ、彼らは経験が足りないんだ。新兵なんだろ」
「そうです。軍に入ってまだ一ヶ月です」
「俺達と一緒の間は前に出ない事だな。絶対だぞ」
「はい、そうします」
「どうだ親睦を兼ねて昼飯でもどうかな」
「ご相伴に預かります」
「ゴーレム騎士団にも俺がおごるぞ」
「「「「ごちになります」」」」
酒場を貸しきって宴会となった。
「へぇ、アレックは13男なんだ」
「ええ、そうです」
「敬語はいらないぞ。同じ飯を食った仲間だし」
「助かるよ。敬語、使い慣れてないから」
「それで兄弟の為に軍に志願したと」
「そうだよ。食い扶持ぐらいは稼がないと」
「家族が多いと大変だな」
「そんなでもない。毎日が楽しいよ」
「俺は家族に恵まれなかったから羨ましいよ」
「俺はゴーレム騎士団のみんなが羨ましいよ。戦闘に役に立つスキルを持っていて。俺なんか二つとも生活魔法だよ」
「こればっかりはな。スキルの発現は選べないから。ただ、本人の行動が関係しているらしいぞ」
「その話は聞いた事がある。道場で鍛えている連中は武術スキルが発現しやすいって」
「じゃあ、訓練頑張るんだな」
「何で子供の頃に家事以外の事に力を入れなかったんだろ」
「でも、生活魔法は役に立っただろ」
「役には立ったけど」
「しょげるなよ。これから鍛えていけばいいんだ」
「ええ」
突如、半鐘が激しく鳴らされたのが聞こえた。
「聞いたか。ゴーレム騎士団、出撃だ。ティルダ、指揮誤るなよ」
「平気よ。実戦は輸送任務で何回も体験しているから」
不味いな油断していた。
連日くるとは思っていないので、ミサイルの製造を弟子の三人に任せっきりだ。
着ぐるみゴーレムの無限魔力のサポートとミサイルメイカーがあるとはいえちょっと厳しいかな。
スタンピートに対処する数ができているといいが。
変形スキルを使えば城壁の修理も一日で出来たはずだ。
無理を言って俺が徹夜で作業すれば良かった。
そのほうの働きに期待していると言われて領主との謁見は終わった。
まあ、辺境伯って言ったら侯爵相当だから、挨拶なんてそんなものだろう。
後の難しい話はランデ男爵が引き受けてくれた。
国同士の難しい話ははっきり言って苦手なので助かったな。
そして、おれは案内人に引き合わされた。
「私達七名が今日から案内をする第13小隊です。私はアレックで小隊長を任命されています」
第13小隊は見たところ十代後半の年齢で構成されていた。
俺も若いが、若いな。
「よろしく、フィルだ」
「どこかご希望はございますか」
「そうだな城壁が見たい。たぶん城壁の上で迎え撃つ事になるからな」
城壁に案内されるとそこには大穴が開いていて修理の真っ最中だった。
「この前のスタンピートで壊されたのか」
「はい、街の中に侵入を許してしまいました」
「軍の構成はどうなっている」
「九割歩兵です。後の一割が衛生兵と後衛です」
「遠距離攻撃が少ないのは理由があるのか」
「獣人は多産です。そのため軍の志願者は多いのですが、育成が簡単な歩兵の数がどうしても膨れ上がります」
人海戦術で守り抜くつもりなんだな。
そうか、それで恩金か。
歩兵がみな死兵みたいなものか。
よく救援を申し込む気になったな。
「俺はなんで呼ばれたか理由は分かるか」
「噂では国庫が空になりそうだとか」
「それは大丈夫なのか」
「足りなくなれば、商都市連合国に借金を申し込む。何時もの事です」
そうか、恩金が出せなくなって暴動とかはないのだな。
たぶん、急激に減る国庫の状況を見て担当者が青くなったに違いない。
第13小隊を連れてティルダの所に行った。
ゴーレム騎士団はやはり中庭で訓練している。
第13小隊の面々はゴーレム騎士団の錬度を見て目を丸くしていた。
「訓練中悪いな」
「いいのよ、一息いれるところだから」
「案内の第13小隊だ。ゴーレム騎士団も一緒に行動を共にしてもらう事になると思う」
「ティルダよ、よろしく」
「小隊長のアレックです。訓練に混ぜてもらってもいいですか」
「ええ、ゴーレムだから真剣で相手していいから」
ゴーレム騎士団の人間はゴーレムを操り第13小隊と訓練を開始した。
ゴーレムは木剣を構えている。
人間とゴーレムでは地力が違うと思った。
それでも、第13小隊はゴーレムのスピードやパワーになんとかついていけていた。
しかし、剣をほとんど合わせないうちにどの隊員も痛撃を食らう。
「訓練が足りないね。こんなので戦場にでると死んじゃうよ」
ティルダの言葉が第13小隊に突き刺さる。
うな垂れる隊員達。
「ティルダ、彼らは経験が足りないんだ。新兵なんだろ」
「そうです。軍に入ってまだ一ヶ月です」
「俺達と一緒の間は前に出ない事だな。絶対だぞ」
「はい、そうします」
「どうだ親睦を兼ねて昼飯でもどうかな」
「ご相伴に預かります」
「ゴーレム騎士団にも俺がおごるぞ」
「「「「ごちになります」」」」
酒場を貸しきって宴会となった。
「へぇ、アレックは13男なんだ」
「ええ、そうです」
「敬語はいらないぞ。同じ飯を食った仲間だし」
「助かるよ。敬語、使い慣れてないから」
「それで兄弟の為に軍に志願したと」
「そうだよ。食い扶持ぐらいは稼がないと」
「家族が多いと大変だな」
「そんなでもない。毎日が楽しいよ」
「俺は家族に恵まれなかったから羨ましいよ」
「俺はゴーレム騎士団のみんなが羨ましいよ。戦闘に役に立つスキルを持っていて。俺なんか二つとも生活魔法だよ」
「こればっかりはな。スキルの発現は選べないから。ただ、本人の行動が関係しているらしいぞ」
「その話は聞いた事がある。道場で鍛えている連中は武術スキルが発現しやすいって」
「じゃあ、訓練頑張るんだな」
「何で子供の頃に家事以外の事に力を入れなかったんだろ」
「でも、生活魔法は役に立っただろ」
「役には立ったけど」
「しょげるなよ。これから鍛えていけばいいんだ」
「ええ」
突如、半鐘が激しく鳴らされたのが聞こえた。
「聞いたか。ゴーレム騎士団、出撃だ。ティルダ、指揮誤るなよ」
「平気よ。実戦は輸送任務で何回も体験しているから」
不味いな油断していた。
連日くるとは思っていないので、ミサイルの製造を弟子の三人に任せっきりだ。
着ぐるみゴーレムの無限魔力のサポートとミサイルメイカーがあるとはいえちょっと厳しいかな。
スタンピートに対処する数ができているといいが。
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