上 下
97 / 106
蝦夷地開拓

屯田兵団の現状二

しおりを挟む
「徒士組格御先手同心衆」
 徒士組格御先手同心衆は、四年前に二町十二石分、三年前は四町に二十四石分、二年は八町四十八石分の開拓地が認定されたが、等級が一反八斗に引き上げられたので、十四町百十二石(二百八十俵)換算の取高に変わっていた。
 昨年認定された八町六十四石と今年認定された八町六十四石を加えれば、併せて三十町二百四十石(六百俵)換算の取高となっていた。
 取高だけ考えれば、六百石の直参旗本と同じなのだから、持高のまま大番組頭・新番組頭を務めることが出来る。
 足高四百俵を加えれば、使番・小十人頭・徒頭・書院番組頭・小姓番組頭を務める事が出来る。
 第一次火付け盗賊改め方開拓団の同心家は、総勢五十家もあったので、足高を加えれば五十組の小十人番や徒組を、経験豊富な頭の下で蝦夷地に派遣できる。
 実際には既に多くの者が重大な役目に就いているため、部屋住見習を活用して役目替えする必要があった。
 色々な方法から、徒士組格御先手同心家のまま親子出仕を選んだが、今年度の開拓地認定で三十町二百四十石(六百俵)換算の取高と成ったので、部屋住みを分家して活用することになった。
 例えば部屋住惣領が開拓地を守り、親が第二次開拓団の指導役をしていた家は、親が六百石直参旗本として御役に就き、惣領部屋住みが第二次開拓団の指導役に就いた。
 元の三十俵二人扶持御先手同心家は、次男以下の部屋住みが家を引き継ぎ、次の御先手組開拓団に指導役として編入されることになった。
 第一次火付け盗賊改め方開拓団には、十騎の与力家も所属していたが、与力家も同じ待遇であった。
 親が三十町二百四十石(六百俵)換算の取高の直参旗本として遇され、惣領部屋住みが後発の開拓団の指導役に就いた。
 唯一違うのが、元の家が二百四十石の与力であるので、次男以下の部屋住みが開拓経験を買われ、旗本役の小十人組頭に抜擢されたりした。

「両番格徒士組衆」
 四年前に三町十八石分、三年前は六町に三十八石分、十二年は十二町七十二石分の開拓地が認定されたが、等級が一反八斗に引き上げられたので、二十一町百六十八石(四百二十俵)換算の取高に変わっていた。
 昨年認定された十二町九十六石と今年認定された十二町九十六石を加えれば、併せて四十五町三百六十石(九百俵)換算の取高となっていた。
 親は九百石の旗本として御役に就き、惣領部屋住み、惣領部屋住みが後発の開拓団の指導役に就いた。
 七十俵五人扶持の元の徒士家は、次男以下の部屋住みが家を引き継ぎ、次の徒士組開拓団に指導役として編入されることになった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

徳川家基、不本意!

克全
歴史・時代
幻の11代将軍、徳川家基が生き残っていたらどのような世の中になっていたのか?田沼意次に取立てられて、徳川家基の住む西之丸御納戸役となっていた長谷川平蔵が、田沼意次ではなく徳川家基に取り入って出世しようとしていたらどうなっていたのか?徳川家治が、次々と死んでいく自分の子供の死因に疑念を持っていたらどうなっていたのか、そのような事を考えて創作してみました。

三賢人の日本史

高鉢 健太
歴史・時代
とある世界線の日本の歴史。 その日本は首都は京都、政庁は江戸。幕末を迎えた日本は幕府が勝利し、中央集権化に成功する。薩摩?長州?負け組ですね。 なぜそうなったのだろうか。 ※小説家になろうで掲載した作品です。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

処理中です...