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「んんっ あー、あー、あー」
「……何やってるんだ?」
「あ、すぐ起きちゃったか」
さっき起きた時に、寝起きのせいだけじゃない喉の違和感があったので自己治癒して発声確認してました。
ソランツェはすごく気持ち良さそうに寝てたからソッとベッドから抜け出して下のソファで小声でやってたのに気付かれちゃったな。
「い~っぱい声出したから掠れてた」
パッと腕を広げるとそのままやって来て、ソファに押し倒される。
「他は大丈夫だったか?」
「ん?気になる?」
「ああ」
「じゃあ、確かめて」
なんて、そんな必要無いのはお互いに判ってる。ただの茶番劇。
昨日眠りに就くまでに休憩を挟みつつ何回もやってる中で気付いたんだよな。俺ってこういう事でもダメージを受ける事のないっぽい負担ゼロな身体になってるって。
でも、喉は色々別だったり乳首を噛まれたりとかの痛気持ち良いのは残されてて、なおかつ感度倍増疑惑の都合の良い身体だな、なんて笑いながらもバカになっていた頭は有り難く思いとことん耽っていた。
現在もソランツェ含めて未だに頭はバカのままみたいだ。お互い軽く羽織っただけの意味のないガウンの下は裸で、密着した素肌には既に相手が兆し始めているのは伝わっている。
「どこからにしようか?」
「好きな所からでいいよ」
「悩んでしまうな」
「最終地点は決まってるのにね~」
あははと笑いながら両手で顔を引き寄せると、深く口付ける。舌を愛撫し合うのが気持ち良い。ソランツェが確認の為に少し体を動かし体が離れたのが名残惜しくて、もっとと首に手を回そうとして違和感に気付く。
「え?」
「ん?」
「あれ?痣は?」
「は?痣?」
「消えてるよ?!」
「!?」
首に俺と繋がってるっていう例の痣が消えている。
ソランツェの首の痣が消えている事態に、淫靡な雰囲気は吹っ飛んで、一体どういう事だと首に触れようと手を差し出してまた気付く。俺の指が一本なんか変!
「俺の指に何かあるー!?!」
「何だ?!」
確認しようと急いで俺の手を引き寄せたソランツェの手にも俺と同じ様に……
「痣がある、ね?」
「そう……だな?」
「これって……ソランツェの首にあったのと同じ柄だ」
二人ともぐるりと一周、左手の薬指、に……?ん?左手薬指?……はぁ?どゆ事?
「おいこら、アシュマルナァーーー!!」
++++++
『いちいちうるさい奴だ』
「はいはい、すみませんねぇ!何も判らないものですからぁ!!お聞きしたい事が御座いましてぇぇぇ!!!」
「リ、リヒト……」
俺の神をも恐れぬ喧嘩腰にソランツェは珍しくオロオロしている。いいんだよ、こいつにはこれで。何故か怒んないし。あ、つーか、ソランツェってアシュマルナの顔見るの初めてじゃん。
「なあ、この指何?あと、ソランツェの痣」
『指のは伴侶紋、番紋とも言うか』
「は、伴侶……?!」
『お前が自分で出したんだから、私が繋いでやっていた仮の鎖はもう必要ないだろう』
「え?ええ?はあ?」
『出た場所もお前の意識の内だ』
「はあ???」
いや、判るんだけどもさっぱり判んないですが?どういう事?いや、判るんだけどね、うん。でもね、判んないんだよ!
「これは俺とリヒトが伴侶となった証。正式な繋がりが出来たので首のは消えたと……」
『そうだな』
「痣が出現した場所はリヒト自身が証を付けるに相応しいと思っていた場所という訳でしょうか」
『そうだ。とにかくこれでいい。じゃあな』
「「え?」」
アシュマルナのどこかホッとした様な顔を最後に通話が終わり画面が消える。知りたい事は知れたけど、どう考えたって表面的だし何とももやもやの残る結果に二人で顔を見合わせて首を傾げるしか出来ない。
「いや、何なの結局これ」
「うーん……」
とりあえず、俺とソランツェが繋がってるって事には変わりないみたいだからいいんだけど、そもそも繋がるって何……?あと、左手薬指っつーのは結婚指輪の位置だから、俺にもそう刷り込まれてたって事は判った。……ちょっと恥ずかしいけど。
「……色々気にしたら負けか」
ステータス確認したら「伴侶:ソランツェ・ルーダル」って追加されてて、ソランツェの方も伴侶として俺の名前が追加されていた。マジかよ。
「なんか色々すっ飛ばしてるけど……あの、大丈夫?」
「何も問題は無いぞ」
少しの躊躇いもなく俺の左手を取って新しく出来た痣の所にキスしてから抱き締めてくれた。嬉しいな。
++++++
さて、すっかり興が削がれたみたいになったので、二人とも服を着ましたよ。何もしてないみたいな顔に戻ります。
「どうする?ファンディオ戻る?」
「そうだな、そうするか」
「ご飯食べてからにしようか」
「ああ」
オニオンスープは教えただけって感じだし、久し振りにちゃんと料理しようかな。何がいいかな。動き過ぎたし唐揚げとかトンカツとかガッツリ飯食いたい気分だけど……。揚げ物って存在してる?食べた事あるかな?悩むなあ……あ、餃子食べたい。ハンバーグも食べたいかも。どうしよう。
「ソランツェは……」
「俺は肉を焼いただけでいいぞ?」
「……聞こうとした俺がバカだった!」
そうだなってクスクス笑いながら、いつもの日課に向かって行った。
「……何やってるんだ?」
「あ、すぐ起きちゃったか」
さっき起きた時に、寝起きのせいだけじゃない喉の違和感があったので自己治癒して発声確認してました。
ソランツェはすごく気持ち良さそうに寝てたからソッとベッドから抜け出して下のソファで小声でやってたのに気付かれちゃったな。
「い~っぱい声出したから掠れてた」
パッと腕を広げるとそのままやって来て、ソファに押し倒される。
「他は大丈夫だったか?」
「ん?気になる?」
「ああ」
「じゃあ、確かめて」
なんて、そんな必要無いのはお互いに判ってる。ただの茶番劇。
昨日眠りに就くまでに休憩を挟みつつ何回もやってる中で気付いたんだよな。俺ってこういう事でもダメージを受ける事のないっぽい負担ゼロな身体になってるって。
でも、喉は色々別だったり乳首を噛まれたりとかの痛気持ち良いのは残されてて、なおかつ感度倍増疑惑の都合の良い身体だな、なんて笑いながらもバカになっていた頭は有り難く思いとことん耽っていた。
現在もソランツェ含めて未だに頭はバカのままみたいだ。お互い軽く羽織っただけの意味のないガウンの下は裸で、密着した素肌には既に相手が兆し始めているのは伝わっている。
「どこからにしようか?」
「好きな所からでいいよ」
「悩んでしまうな」
「最終地点は決まってるのにね~」
あははと笑いながら両手で顔を引き寄せると、深く口付ける。舌を愛撫し合うのが気持ち良い。ソランツェが確認の為に少し体を動かし体が離れたのが名残惜しくて、もっとと首に手を回そうとして違和感に気付く。
「え?」
「ん?」
「あれ?痣は?」
「は?痣?」
「消えてるよ?!」
「!?」
首に俺と繋がってるっていう例の痣が消えている。
ソランツェの首の痣が消えている事態に、淫靡な雰囲気は吹っ飛んで、一体どういう事だと首に触れようと手を差し出してまた気付く。俺の指が一本なんか変!
「俺の指に何かあるー!?!」
「何だ?!」
確認しようと急いで俺の手を引き寄せたソランツェの手にも俺と同じ様に……
「痣がある、ね?」
「そう……だな?」
「これって……ソランツェの首にあったのと同じ柄だ」
二人ともぐるりと一周、左手の薬指、に……?ん?左手薬指?……はぁ?どゆ事?
「おいこら、アシュマルナァーーー!!」
++++++
『いちいちうるさい奴だ』
「はいはい、すみませんねぇ!何も判らないものですからぁ!!お聞きしたい事が御座いましてぇぇぇ!!!」
「リ、リヒト……」
俺の神をも恐れぬ喧嘩腰にソランツェは珍しくオロオロしている。いいんだよ、こいつにはこれで。何故か怒んないし。あ、つーか、ソランツェってアシュマルナの顔見るの初めてじゃん。
「なあ、この指何?あと、ソランツェの痣」
『指のは伴侶紋、番紋とも言うか』
「は、伴侶……?!」
『お前が自分で出したんだから、私が繋いでやっていた仮の鎖はもう必要ないだろう』
「え?ええ?はあ?」
『出た場所もお前の意識の内だ』
「はあ???」
いや、判るんだけどもさっぱり判んないですが?どういう事?いや、判るんだけどね、うん。でもね、判んないんだよ!
「これは俺とリヒトが伴侶となった証。正式な繋がりが出来たので首のは消えたと……」
『そうだな』
「痣が出現した場所はリヒト自身が証を付けるに相応しいと思っていた場所という訳でしょうか」
『そうだ。とにかくこれでいい。じゃあな』
「「え?」」
アシュマルナのどこかホッとした様な顔を最後に通話が終わり画面が消える。知りたい事は知れたけど、どう考えたって表面的だし何とももやもやの残る結果に二人で顔を見合わせて首を傾げるしか出来ない。
「いや、何なの結局これ」
「うーん……」
とりあえず、俺とソランツェが繋がってるって事には変わりないみたいだからいいんだけど、そもそも繋がるって何……?あと、左手薬指っつーのは結婚指輪の位置だから、俺にもそう刷り込まれてたって事は判った。……ちょっと恥ずかしいけど。
「……色々気にしたら負けか」
ステータス確認したら「伴侶:ソランツェ・ルーダル」って追加されてて、ソランツェの方も伴侶として俺の名前が追加されていた。マジかよ。
「なんか色々すっ飛ばしてるけど……あの、大丈夫?」
「何も問題は無いぞ」
少しの躊躇いもなく俺の左手を取って新しく出来た痣の所にキスしてから抱き締めてくれた。嬉しいな。
++++++
さて、すっかり興が削がれたみたいになったので、二人とも服を着ましたよ。何もしてないみたいな顔に戻ります。
「どうする?ファンディオ戻る?」
「そうだな、そうするか」
「ご飯食べてからにしようか」
「ああ」
オニオンスープは教えただけって感じだし、久し振りにちゃんと料理しようかな。何がいいかな。動き過ぎたし唐揚げとかトンカツとかガッツリ飯食いたい気分だけど……。揚げ物って存在してる?食べた事あるかな?悩むなあ……あ、餃子食べたい。ハンバーグも食べたいかも。どうしよう。
「ソランツェは……」
「俺は肉を焼いただけでいいぞ?」
「……聞こうとした俺がバカだった!」
そうだなってクスクス笑いながら、いつもの日課に向かって行った。
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