可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

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38☆ (後半ジルコン×リオ ジルコンの閨講義です)

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「離れたくないわ…ベリー。」

「私もよ、ガーネット。」

う~ん、派手な美人と派手な可愛いは癒しというより舞台を見ているようだ。

「リオ。」

「ん、何?」

「ありがとう。」

夜通し話して眠ってないが、スッキリした顔のベリーがこちらに満面の笑みを向けた。

「俺は何もしてないよ。」

うん、本当にあの後は無駄話だしね。
俺の女装の話とか。食い付き良かったなぁ…

「ううん、私…この世界で大切な友達が出来たもの。前の世界では得られなかった…あっ、もちろんガーネットもよ!」

「ウフフ、分かってる。こちらこそ…一緒に過ごしてくれてありがとう、楽しかったわ。」

「ストロベリー様…そろそろ…」

迎えに来た騎士の人が促す。

「『石鹸』は、持ったかしら?」

「えぇ、本当にありがとう!」

ガーネットがパールと手作りしたアメニティセットと石鹸を多めに渡している。
石鹸はこの世界でもあるが、城下では少し質が落ちるため泡も立ちにくい。
でも、ガーネットとパールが作った石鹸は泡もたくさん立って香りも良い。
化粧水も手作りしていて俺も使っているけど、結構スベスベになるのでベリーには嬉しいはずだ。

「使い勝手が良ければ、後日もう少し多めに持って行かせるわ。だから気にしないで使いなさいよ。」

「ありがとう、ガーネット。」

後ろで騎士の人が催促したそうだけど、まだ話足りない…俺達が別れを惜しんでいる時に後ろから声がした。

「明日また学園で会えるだろう?そろそろストロベリー様を帰してやれ。彼女も修道院での仕事も聖女としての仕事もあるだろうしな。」

「…ごめんなさい、そうよね。」

「そうだな…俺は…当分ここでしか会えなさそうだけど…また来てくれよな。」

「えぇ、是非。」

ジルコンに促されてベリーを馬車へと乗せる。
俺達はベリーを乗せた馬車を見送った後はそれぞれの部屋で少し眠ることにした。





********************************



【要注意】
ここから、ジルコン×リオの話になります。
固定希望で苦手な人はスルーしてください



********************************



___コンコン___

「起きてるか?」

夕食の後、少し夜も更けた頃にジルコンがやってきた。

「うん、もうそろそろ寝ようと思ってたけど…」

「リオ、一昨日…ベリルとどうだった?」

___ボッ!___

「な゛っ!」

「最後まで出来なかっただろ?」

「ん゛っ……それっ…あの…その…」

「ごめんな、俺が教えてやらなきゃいけなかったんだけど…令嬢を迎えると思ってたし…先延ばしにしてた。」

「いや…そもそも、お前も令息じゃん。そんな義務はないと思うけど。」

「ガーネットに関しては幼い頃に婚約したから王宮に任せていたけど、お前は違うしな。それに…」


___ギシッ…___


「お前の相手が男なら、俺が教えたかったからさ。」

___シュル…___

「…ジル…コン?」

寝ようとしていた俺が座っているベッドに上がり、ネクタイを緩めて覆い被さった。

「道具は準備してきた。じゃぁ…始めようか。」

「え…だって…ジルコン…男じゃ受け身じゃん?」

「俺?俺は…」

ゆっくりと顔を近付けて耳元で囁いき、そのまま耳朶を齧った。

「……両方イケるの♪……ん。」

「んっ…」

チクッと甘い痛みが身体を走る。
ジルコンが相手だから…身体は反応しない……あれ…してる⁈

「俺は訓練も受けてるの。勃たせないと練習にならないだろ?…大丈夫、授業と同じだから。王宮はそういうことも習ってるんだから。」

___チクン___

「バカ、顔に出てる。王子には避けられないもんだ。子を作らないといけないと言われているからな。出会いが少ない分、作法も講義として必要なんだよ。相手を傷つけないようにな。」

相手を傷つけないように。

「実際、強引に最後までされなかっただろ?」

「あ…」

そうだ、痛がる俺に最後までしなかった。

「お前も分かると思うけど、結構辛いもんだぞ?ベリルも講義を受けてるとはいえ、情報では令嬢相手と考えて男性専門の閨の講師は全く準備してなかったらしいから男相手の経験は乏しい。多分一昨日の時は令嬢対策の閨担当から聞いた技を応用したんだろう。だから、俺がお前を慣らすよ。チュ。」

ジルコンなら…知らない人より良いかもしれない。
俺は、緊張しながらジルコンの首に腕を回した。

「……よろしく…お願いします…」

「じゃぁ…まずは…リオ、顔…上げて。」

「…ん…っ……」

顔を上げるとすぐにジルコンの顔が近付いて唇が合わさり、優しく唇を噛まれたり舌で唇をなぞられる。

「ジル…」

「舌…出して…そう…」

___クチュ…チュ…___

俺が出した舌を吸い、出し入れしたり俺の舌の裏を自分の舌で撫でる。

「んっ。」

優しく身体を愛撫され、気付くと俺もジルコンも裸になっていた。

「そう…ベリルは…チュ…きっと我慢してるだろうから…」

「んぅっ!」

「ここも…早く慣らそうな。」

後孔を触られてゾクンと、身体がしなる。

「でも…前に…ここ…その…」

舌で…出し入れされた…
「…アイツ…舌でヤッたの?」

「あぁぁぁっ!ジルコン⁈」

何で分かる⁉

「…出来たんだ。本で読んだのかな…本当に、お前が好きなんだな。」

「でも…ダメだった。」

「大丈夫、チュ。」

そう言うと、ジルコンが用意してきた小箱を開ける。

「これ、使おうな。」

丸くて…ピンクで可愛い?グミみたいな…

「潤滑油、アイツも令嬢の閨メインだったから失念してたんだろ。」

「潤滑油?」

「奥まで指が届かないからな…チュ…チュ…」

「あっ…んっ。」

「入り口は…」

___ズズズ…___

「あぁんっ!」

ベリルの指とは違う…ヌルッとしたジルコンの長い指が俺の中に入ってくる。
ベリルの時と違って良い匂いで、スムーズに中に入った。

「指に塗ったのは通りを良くするローション。2つもあればバッチリだろ。男同士は必須な。」

「あ…ハッ…」

何だ…ジワジワと…身体が…熱い…

「さぁ…授業の始まりだ…」

ニヤリと笑うジルコンは、兄という顔が外れて…俺が見る初めてのジルコンの異性としての『男』の顔だった。
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