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第一章
第19話 RPG風コマンドバトル・1 ~コスプレギャルVS天真爛漫ギャル~
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「残念、ここは異空間ですが異世界ではありません」
突如この場に響く声。謎の場所に連れてこられた千鶴はこれをラノベやアニメでお馴染みの異世界転移だと思ったようだが、謎の声はそれをはっきりと否定した。
「ようこそ愛天使領域へ。私は愛の天使、キューピッドのルシファー」
「そしてボクは、アシスタントのリリムちゃんでーす!」
魔法陣の中から姿を現した二人組。本日のリリムのコスチュームは、ファンタジーな背景に合わせて赤いビキニアーマーである。
「愛の天使って……どう見ても魔王なんだけど!?」
千鶴がツッコミを入れる。今日はリリムだけでなくルシファーも、この場に合わせたコスチュームに着替えていた。それは何とも禍々しき漆黒のマントに身を包んだ、闇の大魔王と言わんばかりの衣装。
「ああ、この衣装についてはお気になさらず。それでは今回の参加者をご紹介致しましょう。赤コーナー男子、二年B組テニス部、木場流斗! 同じく女子、三年C組手芸部、葉山千鶴Gカップ! 青コーナー男子、三年C組テニス部、桑田達之! 同じく女子、一年A組テニス部、中島佳苗Cカップ! これより両ペアには、脱衣ゲームで対決して頂きます。勝った方のペアはカップルになれますが、負けたペアの女子は全裸になります」
「全裸? 何それー」
これまで参加させられた女子と違って、佳苗は随分と軽い反応でケラケラ笑っていた。
「AVかよ。草生えるわこんなん。つーか俺佳苗の裸も千鶴の裸も見たことあるんだから脱がれてもあんまありがたみ無えわ」
達之がそう言うと、流斗は死にそうな顔で千鶴を見た。
「あー……あいつ私の元彼」
気まずそうにしながらも達之に言われたことを肯定する千鶴を見て、流斗はますます気が落ち込んだ。
(よりにもよってあんなチャラい奴が……知りたくなかった……)
達之が女をとっかえひっかえしていることを知らぬ者は、男子テニス部にはいない。
そんな流斗の様子を見て、達之はほくそ笑む。
「ああわかった。負けた方の女はモンスターとかに犯されるって話か、これ」
「いえ、そういうのは一切ありません。負けても全裸にされるだけです」
にやついていた達之は、ルシファーの返答を聞いてつまらなさそうな顔をした。
「さて、それではゲームの説明を始める前に……リリム」
「はーい」
ルシファーに呼ばれたリリムは元気よく手を上げる。
「みんなみーんな、コスプレしちゃえ!」
突然参加者四人の身体が光ったかと思うと、着ている服が揃って変わっていた。
女子二人は銀の鎧にミニスカートを合わせた姫騎士衣装。男子二人は黒いローブの魔法使い衣装だ。
「おおっ、この衣装クオリティ高い!」
「ボクのお手製だよー!」
衣装への反応を見せる千鶴に、リリムは自慢げに答えた。
「プレイヤーの皆様には、ファンタジーRPG風の衣装に着替えて頂きました。今回のゲームは、RPG風コマンドバトル。このゲームにおいて女性の方は前衛の戦士、男性の方は後衛の魔法使いになって頂きます。戦士と魔法使いはそれぞれ三種類ずつのコマンドを使用でき、それを使って相手のHPをゼロにすれば勝利です。なお初期HPは四。HPが一減らされる毎に戦士はトップス、ボトムス、ブラジャー、ショーツの四つの部位をそれぞれ脱いで頂くことになります」
「ほ、ほんとに脱ぐの!?」
「あんだけエロコスやっといて何を今更」
動揺する千鶴に、達之が悪い顔して言う。
「四人全員がコマンドを選択したら、バトル開始です。戦士のコマンドは、攻撃、防御、溜めるの三種。攻撃コマンドを使えば、物理攻撃で相手に一ダメージを与えられます。防御コマンドは相手の物理攻撃のダメージを一減らせます。つまり通常の攻撃コマンドは完全に無効化できるということです。ただし、魔法使いの魔法攻撃は防げません。溜めるコマンドは、次のターンの攻撃コマンドで与えるダメージを二にします。これならば防御されていても一ダメージを与えられます。ただし攻撃コマンドを使っても使わなくてもそのターン限りで効果は切れます」
いかにもRPGでお馴染みという印象を受ける三種のコマンドが紹介される。戦士役の千鶴は真剣な表情で聴いていた。
「魔法使いのコマンドは、ファイア、バリア、バインドの三種。ファイアコマンドは、攻撃コマンドの魔法攻撃版です。防御コマンドでは防げない一ダメージを与えます。バリアコマンドは、こちらも防御コマンドの魔法攻撃版です。ただしこちらは戦士だけではなく、魔法使い自身を対象に使用することができます。バリアはファイアだけでなく、後述のバインドを無効にする効果もあります。ただし攻撃コマンドによる物理攻撃は防げません。バインドコマンドは、バリアと同じく戦士か魔法使いのどちらかを指定して使います。ただしこちらで指定するのは相手の戦士か魔法使いです。戦士の場合はこのターン、魔法使いの場合は次のターン動けなくなり、コマンドを無効にされます。ただし先述の通りバリアを使われたら無効化されてしまいます。魔法使い自身にもバリアを使えるのはこのためです」
バリアとバインドが非常に重要なコマンドであることは聞いて明らかだ。このゲームの鍵を握るのは魔法使いであると、流斗は感じ取った。
「そして重要なルールが、使ったコマンドは次のターンは使えないということです。更にもう一ターン経過すれば再び使えるようになります。同じコマンドをひたすら連打するようなプレイングはできないということですね。さて、説明が終わったところでいよいよゲーム開始です。両ペアとも健闘を祈ります」
説明が終わると、達之は一歩前に出る。
「丁度いい、このゲームでお前を全裸にひん剥いた上で俺の言うことを聞いてもらう」
千鶴は何も答えない。
「葉山先輩……桑田先輩に何か脅されてるんですか?」
「まあ……そんなとこ」
不穏なものを感じ取った流斗が尋ねると、千鶴は言葉を濁した。
(このゲーム、絶対に勝たないと……負けたら葉山先輩が何されるかわからない!)
一ターン目。両ペアはどのコマンドを選ぶか、相談を始める。
「どうする木場君。まずは攻撃しとく?」
「あ、えっと……」
そう言われても、流斗はどう答えればいいのかわからない。
「……じゃあ私、溜める使っとくね」
「じゃあ、俺はバインドで……」
全員がコマンドを選択すると、それぞれの選んだコマンドが空中に表示された。
『千鶴:溜める 流斗:バインド(達之) 佳苗:攻撃 達之:バリア(達之)』
まずは流斗の手にした杖から達之に向けてビームが発射されるが、それはバリアに阻まれる。力を溜めた千鶴の体は赤く光りだした。そして佳苗は、驚いた表情で剣を力強く振り下ろす。
「うひゃっ!? 体が勝手に!?」
千鶴に斬撃のようなエフェクトがかかるが、あくまでも演出であり痛みは無い。だがそれを受けた上半身の鎧は砕け散り、飾り気の無いシンプルな黒のブラジャーが露となる。
(うごおっ!?)
流斗は心の中で叫んだ。色気の少ない下着であるが、腐ってもGカップ。大迫力な胸の膨らみと谷間を見せ付けられて、流斗は目玉が飛び出しそうになった。
(勃ってるのがわかりにくいローブでよかった……)
このゆったりした衣装ならわざわざ前屈みになったりポジション直したりする必要も無い。女子が脱いでゆく様子を見せられる男子の身としては、多少は気が楽だろう。
「お前、彼氏いなくなったら途端に地味な下着着けるのな」
初心な反応を見せる流斗とは対照的に、達之は小馬鹿にした態度で千鶴に言った。
達之と付き合っていた頃の千鶴は、もっと色っぽい下着をしていた。自分は知り得ぬ情報を嬉々として語られると、流斗は途端に胸が苦しくなった。
「先輩なんか楽しいッスねこれ!」
一方で佳苗は、能天気にこのゲームを楽しんでいる様子だった。
二ターン目。HPで差をつけられているが、千鶴が溜めるコマンドを使用しているため、ここからの逆転は容易だ。勿論千鶴は攻撃を選択する。
(桑田先輩は、確実に葉山先輩にバインドを撃ってくると考えていいだろう。ここはバリアだ)
「おい木場」
考えている最中に突然達之から話しかけられたので、流斗はびっくりして口から心臓が飛び出しそうになった。
「な、何でしょうか桑田先輩」
「お前、千鶴のケツの穴見たことあるか? 俺はケツの穴の皺の数まで知ってる」
ニチャアと下品に笑いながら、達之は流斗を煽る。流斗が千鶴を好きだとわかったら、この男にとってもう玩具にしない理由が無かったのだ。
千鶴が本気で不快そうな顔を向けると、達之はより愉快な気分になった。
(わけわかんねえ状況に巻き込まれてどうしようかと思ったが、こいつはなかなか楽しめそうじゃねえか。尤もこのゲーム勝ったらこいつと付き合わなきゃならねえのは不服だが)
達之は隣で次のコマンドをどうするか考え込んでいる佳苗を見る。
(あーあ、千鶴ん時と同じヘマ繰り返しちまったよ。こいつ見た目の印象で遊んでると思って誘ったら実は処女だったんだよなぁ。俺は遊びでヤれる関係求めてるってのに、ヤった後彼女になりたがるから処女って奴はめんどくせえ。まあ千鶴と同じくとりあえず付き合うだけ付き合っといて、飽きたら捨てりゃいいだけだな)
コマンド選択が全員完了すると、また先程と同じようにそれぞれの選んだコマンドが空中に表示された。
『千鶴:攻撃 流斗:バリア(千鶴) 佳苗:溜める 達之:バインド(千鶴)』
(よし、読みが当たった!)
案の定達之は千鶴にバインドを使用。流斗はすかさずバリアでそれを阻んだ。そして先程のターンとは逆に、力を溜めている佳苗に千鶴の攻撃がクリーンヒット。しかも今回は溜めるの効果で二ダメージ。斬撃を浴びた鎧が砕け散ると共に、ミニスカートがびりびりに破れて消えた。
上はいかにもギャルっぽい派手な豹柄ブラジャー。下は一転して小学生が穿くような白無地に猫のバックプリントという不揃いな下着。何気に両方ともネコ科の動物という点では揃っているが、特に意識してやったわけではない。
「ひゃーっ、ヤバいッスねこれ!」
下着姿にされて仄かに頬を染めつつも、佳苗は変わらず楽しそうな調子でいる。
(こいつアホだから無茶苦茶簡単にヤれたのはよかったんだよなぁ。彼女にしたいとは思えんが)
三ターン目。
「木場君、私は防御しといた方がいいよね。相手の子が溜める使ってるし」
「……それでも一枚は脱がされるんですよね。俺がバインド使えば……いや、結局読まれてバリアされるだろうし……」
流斗がブツブツ呟いていると、千鶴は何を思ったか達之の方に顔を向けた。
「桑田君」
「何だよ他人行儀に。前は達之って呼んでたろ」
「そっちが攻撃とファイア使えば、こっちの服三枚一気に脱がせるよね!」
大声で敵にアドバイスを送るという奇行をした千鶴に、流斗はぎょっとして顔を上げる。
「木場君はファイアで攻撃してくれない? 私に作戦があるの」
「えっ、でもそれじゃ防御しても二枚脱がされて……」
「木場君、私ができるだけ脱がされないよう気を遣ってくれてるんだ」
「そ、そりゃそうですよ」
「私は大丈夫。どうせあいつには裸なんて何度も見られてるんだから」
流斗は大きな石がのしかかってきたように気持ちが沈んだ。千鶴本人の口から言われると、達之に言われるよりダメージが大きかった。
「最終的に勝つためならある程度脱ぐくらい平気。私を信じて作戦に乗ってくれない?」
千鶴に瞳を見つめられると、流斗は目を逸らした。
一方で、佳苗と達之。
「どうするんスか先輩。このターンで勝てちゃいますよ!」
「どう考えても罠だろ。あんなのに乗る必要は……いや、裏の裏をかいてあえて乗ってみるのも有りか」
そして全員のコマンドが決定する。
『千鶴:防御 流斗:ファイア 佳苗:攻撃 達之:ファイア』
千鶴以外の全員が攻撃コマンドを選択。佳苗と達之はあえて千鶴の誘いに乗った形だ。
盾を構えて防御姿勢をとる千鶴に、佳苗の放つ斬撃と達之の放つ火の玉が迫る。それとすれ違うように、流斗の放つ火の玉が佳苗に飛んでいった。
佳苗の斬撃が千鶴のスカートをビリビリに切り裂き、達之の火の玉がブラジャーを消滅させた。千鶴のショーツはブラジャーと同じで飾り気の無いシンプルなボーイレッグ。好きな女の子を脱がせて出てきたのがこれだったら男性としては多少ガッカリするかもしれないタイプの下着である。だが流斗の視界には、最早そんなものは入りもしなかった。
Gカップ。Gカップである。思わず手を伸ばして触れたくなる、柔らかそうな胸。存在するだけで誰も彼もが目を引かれるような重量感あるドデカメロンが、遂に衆目に晒されたのだ。過去に送られてきたコスプレ写真の中には胸の露出が激しいものもあり、流斗はその形をある程度は知っていた。だが写ったら不味いものが写っているような写真までは流石に無かった。ぷっくり膨らんだやや大きめの乳輪は桃の実のように儚げなピンク色。流斗の心臓が爆音をがなり立て、全身の血流が体温を熱くした。
(先輩のおっぱい……葉山先輩のおっぱい!!!???)
動揺して目を泳がせる流斗とは対照的に、達之は見慣れているだけあって落ち着いている。
「相変わらずいい乳首してんな千鶴。それだけ綺麗な色してるのは案外レアだからよ、手放したのを惜しく思うぜ」
ニヤニヤしながらそう言われると、千鶴は何を今更と言わんばかりに達之を睨み両手で胸を隠した。すると達之は、隣にいる佳苗を親指で指す。
「それに比べて見ろよこいつのきったねー色」
「あっ、その言い方はヒドいッスよ先輩! あたしそれ結構気にしてるのに!」
佳苗のは見た感じ焦茶色といったところである。女の子のデリケートな部分の悪口を人前で堂々と言い放つ達之の姿は、この男がどこまでも最低な奴だとこの場にいる全員に強烈に印象付けた。
「おい千鶴、どうせ俺には何度も見られてるんだから今更隠すなよ」
そう言われても千鶴は胸から手をどけない。千鶴の嫌そうな表情を見て、流斗は察した。本人は大丈夫だと言っているが、今はもう恋人でもない男に胸を見られて平気なはずがないのだと。
「あの……先輩。嫌なら無理にとは言いませんが……桑田先輩と何があったのか、話してくれませんか」
流斗が恐る恐るぼそぼそとした声で尋ねると、千鶴は流斗に顔を向け前髪の向こうの瞳をじっと見つめた。
「……うん、いいよ」
千鶴と達之が関わりを持ったのは、二年生で同じクラスになった時からだった。
「葉山、お前コスプレとかやるんだって? 俺もアニメとか好きだからさ、今度俺に見せてくれよ」
そのいかにもチャラい見た目と言動の男は、始業式で新しい教室に入って早々に話しかけてきた。千鶴はその頃から金髪ギャルであり、そういう男が寄ってくるのにも、そういう男をあしらうのにも慣れていた。
だが今までと違ったのは、この桑田達之という男のアニメ好きという話が本当だったことだ。初めは警戒していた千鶴も同じ趣味の話題で盛り上がれる達之に次第に心を開いていき、達之の希望通りコスプレ写真を見せてあげられるようにまでなった。
そして夏休み、自宅に招いて生のコスプレ姿を披露した際、千鶴は達之に身体を求められたのだ。千鶴自身達之に惹かれていた所があり、千鶴はそれを受け入れてしまった。
行為の後千鶴は達之に恋人になることを求め、達之は渋々ながらもそれを了承した。晴れて恋人同士となった二人であったが、その後の日々は千鶴にとって決して幸せなものではなかった。
千鶴と恋人関係になってからも達之は以前からいた複数人のセフレとの関係をやめなかった。千鶴はたとえ達之に何人セフレがいようと自分は「彼女」であり、言わば正妻なのだと思い込むことで精神の安寧を保ってきた。
浮気はそれでまだ我慢できたが、それ以上に辛いこともあった。
初めての時がコスプレHだったこともあり、千鶴と達之は頻繁にコスプレHをしていた。千鶴自身それを楽しんでいたし、アニメキャラとやってるみたいと言われるのも嬉しかった。
だが達之の衣装に対する扱いは乱暴だった。
(頑張って作ったのにな……)
汚されたり、生地を伸ばされたり、時に破られたりまでした衣装を見ると、悲しい気持ちがこみ上げてきた。それでも達之のことが好きだから、何も言わずに耐えてきた。衣装を壊されないためにコスプレH自体を控えるようにもしたが、達之がしたがるのでやむを得ずすることも多々あった。
三年生の五月、遂に千鶴は衣装を乱暴に扱うのをやめてと達之に言う決心をした。むしろこれまでよく我慢したものだった。
だがその千鶴の気持ちは、いとも簡単に打ち砕かれた。
「は? お前誰に命令してんの? 俺はお前と付き合ってやってる身で、お前は俺に付き合って頂いてる身だろ。立場わきまえろよ」
まさか達之からそんな風に認識されていたとは思ってもいなかった千鶴は、開いた口が塞がらなかった。
「もういいや、お前もう飽きたし。俺の言うこと聞かないなら別れるわ」
別れ話を切り出され、千鶴は顔を青くした。
「ま、待ってよ。そんな突然……」
「先にお前が文句つけてきたんだろうが。もうお前は俺の彼女でも何でもねえんだよ。あんまりしつこいと顔殴るぞ」
暴力に訴えることを切り出されたので、千鶴は退くしかなかった。
それからおよそ一ヶ月、達之は再び千鶴に接触した。交際時代に撮った写真を使って脅迫し、達之の後輩と関係を持つことを迫ったのである。
突如この場に響く声。謎の場所に連れてこられた千鶴はこれをラノベやアニメでお馴染みの異世界転移だと思ったようだが、謎の声はそれをはっきりと否定した。
「ようこそ愛天使領域へ。私は愛の天使、キューピッドのルシファー」
「そしてボクは、アシスタントのリリムちゃんでーす!」
魔法陣の中から姿を現した二人組。本日のリリムのコスチュームは、ファンタジーな背景に合わせて赤いビキニアーマーである。
「愛の天使って……どう見ても魔王なんだけど!?」
千鶴がツッコミを入れる。今日はリリムだけでなくルシファーも、この場に合わせたコスチュームに着替えていた。それは何とも禍々しき漆黒のマントに身を包んだ、闇の大魔王と言わんばかりの衣装。
「ああ、この衣装についてはお気になさらず。それでは今回の参加者をご紹介致しましょう。赤コーナー男子、二年B組テニス部、木場流斗! 同じく女子、三年C組手芸部、葉山千鶴Gカップ! 青コーナー男子、三年C組テニス部、桑田達之! 同じく女子、一年A組テニス部、中島佳苗Cカップ! これより両ペアには、脱衣ゲームで対決して頂きます。勝った方のペアはカップルになれますが、負けたペアの女子は全裸になります」
「全裸? 何それー」
これまで参加させられた女子と違って、佳苗は随分と軽い反応でケラケラ笑っていた。
「AVかよ。草生えるわこんなん。つーか俺佳苗の裸も千鶴の裸も見たことあるんだから脱がれてもあんまありがたみ無えわ」
達之がそう言うと、流斗は死にそうな顔で千鶴を見た。
「あー……あいつ私の元彼」
気まずそうにしながらも達之に言われたことを肯定する千鶴を見て、流斗はますます気が落ち込んだ。
(よりにもよってあんなチャラい奴が……知りたくなかった……)
達之が女をとっかえひっかえしていることを知らぬ者は、男子テニス部にはいない。
そんな流斗の様子を見て、達之はほくそ笑む。
「ああわかった。負けた方の女はモンスターとかに犯されるって話か、これ」
「いえ、そういうのは一切ありません。負けても全裸にされるだけです」
にやついていた達之は、ルシファーの返答を聞いてつまらなさそうな顔をした。
「さて、それではゲームの説明を始める前に……リリム」
「はーい」
ルシファーに呼ばれたリリムは元気よく手を上げる。
「みんなみーんな、コスプレしちゃえ!」
突然参加者四人の身体が光ったかと思うと、着ている服が揃って変わっていた。
女子二人は銀の鎧にミニスカートを合わせた姫騎士衣装。男子二人は黒いローブの魔法使い衣装だ。
「おおっ、この衣装クオリティ高い!」
「ボクのお手製だよー!」
衣装への反応を見せる千鶴に、リリムは自慢げに答えた。
「プレイヤーの皆様には、ファンタジーRPG風の衣装に着替えて頂きました。今回のゲームは、RPG風コマンドバトル。このゲームにおいて女性の方は前衛の戦士、男性の方は後衛の魔法使いになって頂きます。戦士と魔法使いはそれぞれ三種類ずつのコマンドを使用でき、それを使って相手のHPをゼロにすれば勝利です。なお初期HPは四。HPが一減らされる毎に戦士はトップス、ボトムス、ブラジャー、ショーツの四つの部位をそれぞれ脱いで頂くことになります」
「ほ、ほんとに脱ぐの!?」
「あんだけエロコスやっといて何を今更」
動揺する千鶴に、達之が悪い顔して言う。
「四人全員がコマンドを選択したら、バトル開始です。戦士のコマンドは、攻撃、防御、溜めるの三種。攻撃コマンドを使えば、物理攻撃で相手に一ダメージを与えられます。防御コマンドは相手の物理攻撃のダメージを一減らせます。つまり通常の攻撃コマンドは完全に無効化できるということです。ただし、魔法使いの魔法攻撃は防げません。溜めるコマンドは、次のターンの攻撃コマンドで与えるダメージを二にします。これならば防御されていても一ダメージを与えられます。ただし攻撃コマンドを使っても使わなくてもそのターン限りで効果は切れます」
いかにもRPGでお馴染みという印象を受ける三種のコマンドが紹介される。戦士役の千鶴は真剣な表情で聴いていた。
「魔法使いのコマンドは、ファイア、バリア、バインドの三種。ファイアコマンドは、攻撃コマンドの魔法攻撃版です。防御コマンドでは防げない一ダメージを与えます。バリアコマンドは、こちらも防御コマンドの魔法攻撃版です。ただしこちらは戦士だけではなく、魔法使い自身を対象に使用することができます。バリアはファイアだけでなく、後述のバインドを無効にする効果もあります。ただし攻撃コマンドによる物理攻撃は防げません。バインドコマンドは、バリアと同じく戦士か魔法使いのどちらかを指定して使います。ただしこちらで指定するのは相手の戦士か魔法使いです。戦士の場合はこのターン、魔法使いの場合は次のターン動けなくなり、コマンドを無効にされます。ただし先述の通りバリアを使われたら無効化されてしまいます。魔法使い自身にもバリアを使えるのはこのためです」
バリアとバインドが非常に重要なコマンドであることは聞いて明らかだ。このゲームの鍵を握るのは魔法使いであると、流斗は感じ取った。
「そして重要なルールが、使ったコマンドは次のターンは使えないということです。更にもう一ターン経過すれば再び使えるようになります。同じコマンドをひたすら連打するようなプレイングはできないということですね。さて、説明が終わったところでいよいよゲーム開始です。両ペアとも健闘を祈ります」
説明が終わると、達之は一歩前に出る。
「丁度いい、このゲームでお前を全裸にひん剥いた上で俺の言うことを聞いてもらう」
千鶴は何も答えない。
「葉山先輩……桑田先輩に何か脅されてるんですか?」
「まあ……そんなとこ」
不穏なものを感じ取った流斗が尋ねると、千鶴は言葉を濁した。
(このゲーム、絶対に勝たないと……負けたら葉山先輩が何されるかわからない!)
一ターン目。両ペアはどのコマンドを選ぶか、相談を始める。
「どうする木場君。まずは攻撃しとく?」
「あ、えっと……」
そう言われても、流斗はどう答えればいいのかわからない。
「……じゃあ私、溜める使っとくね」
「じゃあ、俺はバインドで……」
全員がコマンドを選択すると、それぞれの選んだコマンドが空中に表示された。
『千鶴:溜める 流斗:バインド(達之) 佳苗:攻撃 達之:バリア(達之)』
まずは流斗の手にした杖から達之に向けてビームが発射されるが、それはバリアに阻まれる。力を溜めた千鶴の体は赤く光りだした。そして佳苗は、驚いた表情で剣を力強く振り下ろす。
「うひゃっ!? 体が勝手に!?」
千鶴に斬撃のようなエフェクトがかかるが、あくまでも演出であり痛みは無い。だがそれを受けた上半身の鎧は砕け散り、飾り気の無いシンプルな黒のブラジャーが露となる。
(うごおっ!?)
流斗は心の中で叫んだ。色気の少ない下着であるが、腐ってもGカップ。大迫力な胸の膨らみと谷間を見せ付けられて、流斗は目玉が飛び出しそうになった。
(勃ってるのがわかりにくいローブでよかった……)
このゆったりした衣装ならわざわざ前屈みになったりポジション直したりする必要も無い。女子が脱いでゆく様子を見せられる男子の身としては、多少は気が楽だろう。
「お前、彼氏いなくなったら途端に地味な下着着けるのな」
初心な反応を見せる流斗とは対照的に、達之は小馬鹿にした態度で千鶴に言った。
達之と付き合っていた頃の千鶴は、もっと色っぽい下着をしていた。自分は知り得ぬ情報を嬉々として語られると、流斗は途端に胸が苦しくなった。
「先輩なんか楽しいッスねこれ!」
一方で佳苗は、能天気にこのゲームを楽しんでいる様子だった。
二ターン目。HPで差をつけられているが、千鶴が溜めるコマンドを使用しているため、ここからの逆転は容易だ。勿論千鶴は攻撃を選択する。
(桑田先輩は、確実に葉山先輩にバインドを撃ってくると考えていいだろう。ここはバリアだ)
「おい木場」
考えている最中に突然達之から話しかけられたので、流斗はびっくりして口から心臓が飛び出しそうになった。
「な、何でしょうか桑田先輩」
「お前、千鶴のケツの穴見たことあるか? 俺はケツの穴の皺の数まで知ってる」
ニチャアと下品に笑いながら、達之は流斗を煽る。流斗が千鶴を好きだとわかったら、この男にとってもう玩具にしない理由が無かったのだ。
千鶴が本気で不快そうな顔を向けると、達之はより愉快な気分になった。
(わけわかんねえ状況に巻き込まれてどうしようかと思ったが、こいつはなかなか楽しめそうじゃねえか。尤もこのゲーム勝ったらこいつと付き合わなきゃならねえのは不服だが)
達之は隣で次のコマンドをどうするか考え込んでいる佳苗を見る。
(あーあ、千鶴ん時と同じヘマ繰り返しちまったよ。こいつ見た目の印象で遊んでると思って誘ったら実は処女だったんだよなぁ。俺は遊びでヤれる関係求めてるってのに、ヤった後彼女になりたがるから処女って奴はめんどくせえ。まあ千鶴と同じくとりあえず付き合うだけ付き合っといて、飽きたら捨てりゃいいだけだな)
コマンド選択が全員完了すると、また先程と同じようにそれぞれの選んだコマンドが空中に表示された。
『千鶴:攻撃 流斗:バリア(千鶴) 佳苗:溜める 達之:バインド(千鶴)』
(よし、読みが当たった!)
案の定達之は千鶴にバインドを使用。流斗はすかさずバリアでそれを阻んだ。そして先程のターンとは逆に、力を溜めている佳苗に千鶴の攻撃がクリーンヒット。しかも今回は溜めるの効果で二ダメージ。斬撃を浴びた鎧が砕け散ると共に、ミニスカートがびりびりに破れて消えた。
上はいかにもギャルっぽい派手な豹柄ブラジャー。下は一転して小学生が穿くような白無地に猫のバックプリントという不揃いな下着。何気に両方ともネコ科の動物という点では揃っているが、特に意識してやったわけではない。
「ひゃーっ、ヤバいッスねこれ!」
下着姿にされて仄かに頬を染めつつも、佳苗は変わらず楽しそうな調子でいる。
(こいつアホだから無茶苦茶簡単にヤれたのはよかったんだよなぁ。彼女にしたいとは思えんが)
三ターン目。
「木場君、私は防御しといた方がいいよね。相手の子が溜める使ってるし」
「……それでも一枚は脱がされるんですよね。俺がバインド使えば……いや、結局読まれてバリアされるだろうし……」
流斗がブツブツ呟いていると、千鶴は何を思ったか達之の方に顔を向けた。
「桑田君」
「何だよ他人行儀に。前は達之って呼んでたろ」
「そっちが攻撃とファイア使えば、こっちの服三枚一気に脱がせるよね!」
大声で敵にアドバイスを送るという奇行をした千鶴に、流斗はぎょっとして顔を上げる。
「木場君はファイアで攻撃してくれない? 私に作戦があるの」
「えっ、でもそれじゃ防御しても二枚脱がされて……」
「木場君、私ができるだけ脱がされないよう気を遣ってくれてるんだ」
「そ、そりゃそうですよ」
「私は大丈夫。どうせあいつには裸なんて何度も見られてるんだから」
流斗は大きな石がのしかかってきたように気持ちが沈んだ。千鶴本人の口から言われると、達之に言われるよりダメージが大きかった。
「最終的に勝つためならある程度脱ぐくらい平気。私を信じて作戦に乗ってくれない?」
千鶴に瞳を見つめられると、流斗は目を逸らした。
一方で、佳苗と達之。
「どうするんスか先輩。このターンで勝てちゃいますよ!」
「どう考えても罠だろ。あんなのに乗る必要は……いや、裏の裏をかいてあえて乗ってみるのも有りか」
そして全員のコマンドが決定する。
『千鶴:防御 流斗:ファイア 佳苗:攻撃 達之:ファイア』
千鶴以外の全員が攻撃コマンドを選択。佳苗と達之はあえて千鶴の誘いに乗った形だ。
盾を構えて防御姿勢をとる千鶴に、佳苗の放つ斬撃と達之の放つ火の玉が迫る。それとすれ違うように、流斗の放つ火の玉が佳苗に飛んでいった。
佳苗の斬撃が千鶴のスカートをビリビリに切り裂き、達之の火の玉がブラジャーを消滅させた。千鶴のショーツはブラジャーと同じで飾り気の無いシンプルなボーイレッグ。好きな女の子を脱がせて出てきたのがこれだったら男性としては多少ガッカリするかもしれないタイプの下着である。だが流斗の視界には、最早そんなものは入りもしなかった。
Gカップ。Gカップである。思わず手を伸ばして触れたくなる、柔らかそうな胸。存在するだけで誰も彼もが目を引かれるような重量感あるドデカメロンが、遂に衆目に晒されたのだ。過去に送られてきたコスプレ写真の中には胸の露出が激しいものもあり、流斗はその形をある程度は知っていた。だが写ったら不味いものが写っているような写真までは流石に無かった。ぷっくり膨らんだやや大きめの乳輪は桃の実のように儚げなピンク色。流斗の心臓が爆音をがなり立て、全身の血流が体温を熱くした。
(先輩のおっぱい……葉山先輩のおっぱい!!!???)
動揺して目を泳がせる流斗とは対照的に、達之は見慣れているだけあって落ち着いている。
「相変わらずいい乳首してんな千鶴。それだけ綺麗な色してるのは案外レアだからよ、手放したのを惜しく思うぜ」
ニヤニヤしながらそう言われると、千鶴は何を今更と言わんばかりに達之を睨み両手で胸を隠した。すると達之は、隣にいる佳苗を親指で指す。
「それに比べて見ろよこいつのきったねー色」
「あっ、その言い方はヒドいッスよ先輩! あたしそれ結構気にしてるのに!」
佳苗のは見た感じ焦茶色といったところである。女の子のデリケートな部分の悪口を人前で堂々と言い放つ達之の姿は、この男がどこまでも最低な奴だとこの場にいる全員に強烈に印象付けた。
「おい千鶴、どうせ俺には何度も見られてるんだから今更隠すなよ」
そう言われても千鶴は胸から手をどけない。千鶴の嫌そうな表情を見て、流斗は察した。本人は大丈夫だと言っているが、今はもう恋人でもない男に胸を見られて平気なはずがないのだと。
「あの……先輩。嫌なら無理にとは言いませんが……桑田先輩と何があったのか、話してくれませんか」
流斗が恐る恐るぼそぼそとした声で尋ねると、千鶴は流斗に顔を向け前髪の向こうの瞳をじっと見つめた。
「……うん、いいよ」
千鶴と達之が関わりを持ったのは、二年生で同じクラスになった時からだった。
「葉山、お前コスプレとかやるんだって? 俺もアニメとか好きだからさ、今度俺に見せてくれよ」
そのいかにもチャラい見た目と言動の男は、始業式で新しい教室に入って早々に話しかけてきた。千鶴はその頃から金髪ギャルであり、そういう男が寄ってくるのにも、そういう男をあしらうのにも慣れていた。
だが今までと違ったのは、この桑田達之という男のアニメ好きという話が本当だったことだ。初めは警戒していた千鶴も同じ趣味の話題で盛り上がれる達之に次第に心を開いていき、達之の希望通りコスプレ写真を見せてあげられるようにまでなった。
そして夏休み、自宅に招いて生のコスプレ姿を披露した際、千鶴は達之に身体を求められたのだ。千鶴自身達之に惹かれていた所があり、千鶴はそれを受け入れてしまった。
行為の後千鶴は達之に恋人になることを求め、達之は渋々ながらもそれを了承した。晴れて恋人同士となった二人であったが、その後の日々は千鶴にとって決して幸せなものではなかった。
千鶴と恋人関係になってからも達之は以前からいた複数人のセフレとの関係をやめなかった。千鶴はたとえ達之に何人セフレがいようと自分は「彼女」であり、言わば正妻なのだと思い込むことで精神の安寧を保ってきた。
浮気はそれでまだ我慢できたが、それ以上に辛いこともあった。
初めての時がコスプレHだったこともあり、千鶴と達之は頻繁にコスプレHをしていた。千鶴自身それを楽しんでいたし、アニメキャラとやってるみたいと言われるのも嬉しかった。
だが達之の衣装に対する扱いは乱暴だった。
(頑張って作ったのにな……)
汚されたり、生地を伸ばされたり、時に破られたりまでした衣装を見ると、悲しい気持ちがこみ上げてきた。それでも達之のことが好きだから、何も言わずに耐えてきた。衣装を壊されないためにコスプレH自体を控えるようにもしたが、達之がしたがるのでやむを得ずすることも多々あった。
三年生の五月、遂に千鶴は衣装を乱暴に扱うのをやめてと達之に言う決心をした。むしろこれまでよく我慢したものだった。
だがその千鶴の気持ちは、いとも簡単に打ち砕かれた。
「は? お前誰に命令してんの? 俺はお前と付き合ってやってる身で、お前は俺に付き合って頂いてる身だろ。立場わきまえろよ」
まさか達之からそんな風に認識されていたとは思ってもいなかった千鶴は、開いた口が塞がらなかった。
「もういいや、お前もう飽きたし。俺の言うこと聞かないなら別れるわ」
別れ話を切り出され、千鶴は顔を青くした。
「ま、待ってよ。そんな突然……」
「先にお前が文句つけてきたんだろうが。もうお前は俺の彼女でも何でもねえんだよ。あんまりしつこいと顔殴るぞ」
暴力に訴えることを切り出されたので、千鶴は退くしかなかった。
それからおよそ一ヶ月、達之は再び千鶴に接触した。交際時代に撮った写真を使って脅迫し、達之の後輩と関係を持つことを迫ったのである。
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