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「おいガキ! 退けよ! 」
周囲の注目を集める中、私と四人の柄の悪い男が対峙している。運悪く、職員が誰もいない。
「子供にまであそこまできつい態度取るなんて・・・。しかも女の子よ・・・」
「流石にまずいんじゃ・・・」
先頭の大男を筆頭に見下すような目つきで睨んでくる。
「・・・」
何も言わずにフードを目深に被り、その下から男たちを覗く。
「おい! 聞こえてんのか!? 」
「まさかおまえ耳聞こえねぇのか? よくその分際でここにいられるよなあ!? けけけけっ! 」
「耳は聞こえなくても目は見えるよなあ!? ああ!? 俺たちここにいるのが見えないのか! 」
「ビビってねぇでなんか言えよ! 」
「どうせその辺で草むしりしかできねえ低ランクの底辺なんだろ? おまえは俺たちの足でも舐めるべきなんじゃないのか? ぎゃははっ! 」
「そうだよ、格が違ぇんだよ! わかったか!? わかったらさっさと底辺なんかがすみませんって謝るんだな!? 」
私が何も言わないのをいいことに、言いたい放題だ。
三分前、ベレー帽お姉さんに言われた通り私と黎月と窓口の前で待っていたとき、一瞬ギルド内がざわついた。
「?」
なんかあったのかな。
そう思って騒ぎの元、入り口に目を向けると、いかにもヤクザといった人たちが入ってきた。髪型も服装もいかつい四人組で、大男一人に中肉中背が二人。その後ろに明らかに威光を借りているだけのひょろがりが一人くっついている。
「おい、俺たちが帰ったぞ! 迎えはいねぇのかよ!? 」
「まあしゃあねえよな! 俺たちの迎えなんておめぇらじゃ務まりきらないもんな!? あっはっはっはっは! 」
早速見た目通り、暴言を吐き散らしている。他の冒険者たちが遠回りに四人を囲んでいて、それすらも楽しんでいるようだ。まただ、や、あいつらだといった声が聞こえるあたり、定期的に荒らしに来るのだろう。
「すみません! 迷惑行為はお控えに・・・」
「ああ? 聞こえねぇな!? 」
「周りのご迷惑となるようなことはおやめください! 」
「周りのご迷惑? あんた目ぇ腐ってんじゃねぇの!? 俺たちに周りには誰もいねぇぜ? なあ!? 」
一人の受付係が果敢に声を上げるが、被せるように大きな声で押えられてしまった。その後もなお言い募ろうとした彼女だが、先輩らしき人に受付の奥に引っ張られていった。
気づけば、忙しく動き回っていた受付係たちは忽然と姿を消して奥に引っ込んでいる。できるだけ刺激せずにさっさと帰ってもらうというのが、受付係としても方針なのだろう。
「あ、」
やらかした。
その人たちの方を見ていたら、バチっと一瞬だけうちの一人と目が合ってしまったのだ。
「おいおい、あんなとこにちっせえガキがいるぜ? 」
最悪だ。
冒険者ギルドで絡まれるのはテンプレだと思ってたけど、まさかこんな形で発動するとは・・・。
護衛の人が動こうとするのを見て、慌てて手で止めた。ここでことを大きくしたくない。まだ民衆に私の存在を知られるわけにはいかないのだ。
まるでおもちゃを見つけたような顔でこっちに歩いてくる四人。急いでローブについているフードを被る。深く被れるタイプでよかった。
そして目の前に来ての一言目が、
「おいガキ! 退けよ! 」
だ。
周囲の注目を集める中、私と四人の柄の悪い男が対峙している。運悪く、職員が誰もいない。
「子供にまであそこまできつい態度取るなんて・・・。しかも女の子よ・・・」
「流石にまずいんじゃ・・・」
先頭の大男を筆頭に見下すような目つきで睨んでくる。
「・・・」
何も言わずにフードを目深に被り、その下から男たちを覗く。
「おい! 聞こえてんのか!? 」
「まさかおまえ耳聞こえねぇのか? よくその分際でここにいられるよなあ!? けけけけっ! 」
「耳は聞こえなくても目は見えるよなあ!? ああ!? 俺たちここにいるのが見えないのか! 」
「ビビってねぇでなんか言えよ! 」
「どうせその辺で草むしりしかできねえ低ランクの底辺なんだろ? おまえは俺たちの足でも舐めるべきなんじゃないのか? ぎゃははっ! 」
「そうだよ、格が違ぇんだよ! わかったか!? わかったらさっさと底辺なんかがすみませんって謝るんだな!? 」
私が何も言わないのをいいことに、言いたい放題だ。
三分前、ベレー帽お姉さんに言われた通り私と黎月と窓口の前で待っていたとき、一瞬ギルド内がざわついた。
「?」
なんかあったのかな。
そう思って騒ぎの元、入り口に目を向けると、いかにもヤクザといった人たちが入ってきた。髪型も服装もいかつい四人組で、大男一人に中肉中背が二人。その後ろに明らかに威光を借りているだけのひょろがりが一人くっついている。
「おい、俺たちが帰ったぞ! 迎えはいねぇのかよ!? 」
「まあしゃあねえよな! 俺たちの迎えなんておめぇらじゃ務まりきらないもんな!? あっはっはっはっは! 」
早速見た目通り、暴言を吐き散らしている。他の冒険者たちが遠回りに四人を囲んでいて、それすらも楽しんでいるようだ。まただ、や、あいつらだといった声が聞こえるあたり、定期的に荒らしに来るのだろう。
「すみません! 迷惑行為はお控えに・・・」
「ああ? 聞こえねぇな!? 」
「周りのご迷惑となるようなことはおやめください! 」
「周りのご迷惑? あんた目ぇ腐ってんじゃねぇの!? 俺たちに周りには誰もいねぇぜ? なあ!? 」
一人の受付係が果敢に声を上げるが、被せるように大きな声で押えられてしまった。その後もなお言い募ろうとした彼女だが、先輩らしき人に受付の奥に引っ張られていった。
気づけば、忙しく動き回っていた受付係たちは忽然と姿を消して奥に引っ込んでいる。できるだけ刺激せずにさっさと帰ってもらうというのが、受付係としても方針なのだろう。
「あ、」
やらかした。
その人たちの方を見ていたら、バチっと一瞬だけうちの一人と目が合ってしまったのだ。
「おいおい、あんなとこにちっせえガキがいるぜ? 」
最悪だ。
冒険者ギルドで絡まれるのはテンプレだと思ってたけど、まさかこんな形で発動するとは・・・。
護衛の人が動こうとするのを見て、慌てて手で止めた。ここでことを大きくしたくない。まだ民衆に私の存在を知られるわけにはいかないのだ。
まるでおもちゃを見つけたような顔でこっちに歩いてくる四人。急いでローブについているフードを被る。深く被れるタイプでよかった。
そして目の前に来ての一言目が、
「おいガキ! 退けよ! 」
だ。
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